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「これはもう『伝説』なのかもしれません」
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そんな人間関係のウォッチをしている間に、みんなの話題は来週開かれるコミケの話になり(このときはじめて、『コミケ』というのが特定のイベントの名称だと知った)、その流れで濃いアニメや漫画の話になって、そのうちヨシキさんの仕事の話に移っていった。
「そういえばヨシキさん、カメラマンのバイトの方は最近忙しい?」
「ああ。今は少し落ち着いてるかな。だいたいニッパチ(2月8月のこと)は、この業界はヒマになるし」
「『業界』とか、なんかカッコいい~!」
「さすがヨシキさんよね。大学生のうちから、有名なカメラマンさんのスタジオでバイトしてるんでしょ。卒業したらそこに就職?」
「そうだな」
「じゃあ来年からは本格的にプロカメラマンかぁ。コマーシャルの写真とかも撮るんでしょ?」
「まあ、な」
「え~?! じゃあ、有名なモデルさんとか女優さんにも会った?」
「ぼちぼちな」
「え~? 例えば、だれに会ったの?」
「そうだな… 森田美湖さん、とか」
「森田美湖?! あの、ファッションモデルで女優の?」
「森田美湖っていえば、映画にもよく主役級で出演してるじゃない」
「CMでもよく見かけるわ。もう40くらいだけど、メチャクチャ綺麗な美魔女のモデルさんでしょ。ヨシキさん、そんな大物知ってるんだ!!」
「すっご~い! 尊敬する~!」
「尊敬されるようなもんじゃないよ」
「でも、プロのモデルさんとかを、もうバンバン撮ってるんでしょ? すごいわよ!」
「まだまだ。ペーペーのオレなんかが、いきなりそんな仕事させてもらえるわけないじゃん。今はまだレフ持ちとかカメラのセッティングとか、その程度」
「でもヨシキさん、撮影もどんどんレベルアップしてるし、そのうち手の届かない人になるかも」
「そうよね~。ヨシキさんだったらすぐに、一流カメラマンになれるわよ!」
そうか。
ヨシキさんって、カメラマン志望なんだ。
あれだけ綺麗な写真が撮れるのだから、あたりまえか。
それにしても、女の子たちのヨシキさんの持ち上げ方というか、媚び方はちょっとすごいかも。
これだけの美女がみんな、ヨシキさんから撮られたがってるなんて、桃李さんの言っていたことは本当だったんだ。
「ヨシキさんってやっぱりすごいですぅ」
コマーシャルの撮影エピソードでヨシキさんの周りが盛り上がっているとき、桃李さんがわたしに小声で話しかけてきた。
「え? なにがですか?」
「アフターで、素敵レイヤーさんを何人ものカメコさんが囲むってのはあるけど、逆は聞いたことないです。もうこれは『伝説』ですよ~ (≧Д≦)ゞ」
「そうかもしれませんね」
納得しながら、わたしはヨシキさんの様子をうかがった。
これだけ綺麗な女の人に囲まれているのに、そんなことはまったく意識していないかのように、ヨシキさんは自然な態度でみんなと平等に会話していて、それが全然違和感ない。
美女からどんなに褒めたたえられても、あたりまえのように受け流している。
なんて余裕。
カメラマンの仕事では、いつも綺麗なモデルさんや女優さんと接しているみたいだし、さっき話題に出ていた森田美湖なんて、テレビなんてほとんど見ないわたしでさえ知っているほどの、有名なモデルさんで、大女優だ。
そんな人を知っているなんて。
きっとこうやって、美女に囲まれることにも、ヨイショされることにも慣れているんだろうな。
『はぁ…』
桃李さんではないけど、わたしも心の中で、思いっきり大きなため息をついた。
つづく
「そういえばヨシキさん、カメラマンのバイトの方は最近忙しい?」
「ああ。今は少し落ち着いてるかな。だいたいニッパチ(2月8月のこと)は、この業界はヒマになるし」
「『業界』とか、なんかカッコいい~!」
「さすがヨシキさんよね。大学生のうちから、有名なカメラマンさんのスタジオでバイトしてるんでしょ。卒業したらそこに就職?」
「そうだな」
「じゃあ来年からは本格的にプロカメラマンかぁ。コマーシャルの写真とかも撮るんでしょ?」
「まあ、な」
「え~?! じゃあ、有名なモデルさんとか女優さんにも会った?」
「ぼちぼちな」
「え~? 例えば、だれに会ったの?」
「そうだな… 森田美湖さん、とか」
「森田美湖?! あの、ファッションモデルで女優の?」
「森田美湖っていえば、映画にもよく主役級で出演してるじゃない」
「CMでもよく見かけるわ。もう40くらいだけど、メチャクチャ綺麗な美魔女のモデルさんでしょ。ヨシキさん、そんな大物知ってるんだ!!」
「すっご~い! 尊敬する~!」
「尊敬されるようなもんじゃないよ」
「でも、プロのモデルさんとかを、もうバンバン撮ってるんでしょ? すごいわよ!」
「まだまだ。ペーペーのオレなんかが、いきなりそんな仕事させてもらえるわけないじゃん。今はまだレフ持ちとかカメラのセッティングとか、その程度」
「でもヨシキさん、撮影もどんどんレベルアップしてるし、そのうち手の届かない人になるかも」
「そうよね~。ヨシキさんだったらすぐに、一流カメラマンになれるわよ!」
そうか。
ヨシキさんって、カメラマン志望なんだ。
あれだけ綺麗な写真が撮れるのだから、あたりまえか。
それにしても、女の子たちのヨシキさんの持ち上げ方というか、媚び方はちょっとすごいかも。
これだけの美女がみんな、ヨシキさんから撮られたがってるなんて、桃李さんの言っていたことは本当だったんだ。
「ヨシキさんってやっぱりすごいですぅ」
コマーシャルの撮影エピソードでヨシキさんの周りが盛り上がっているとき、桃李さんがわたしに小声で話しかけてきた。
「え? なにがですか?」
「アフターで、素敵レイヤーさんを何人ものカメコさんが囲むってのはあるけど、逆は聞いたことないです。もうこれは『伝説』ですよ~ (≧Д≦)ゞ」
「そうかもしれませんね」
納得しながら、わたしはヨシキさんの様子をうかがった。
これだけ綺麗な女の人に囲まれているのに、そんなことはまったく意識していないかのように、ヨシキさんは自然な態度でみんなと平等に会話していて、それが全然違和感ない。
美女からどんなに褒めたたえられても、あたりまえのように受け流している。
なんて余裕。
カメラマンの仕事では、いつも綺麗なモデルさんや女優さんと接しているみたいだし、さっき話題に出ていた森田美湖なんて、テレビなんてほとんど見ないわたしでさえ知っているほどの、有名なモデルさんで、大女優だ。
そんな人を知っているなんて。
きっとこうやって、美女に囲まれることにも、ヨイショされることにも慣れているんだろうな。
『はぁ…』
桃李さんではないけど、わたしも心の中で、思いっきり大きなため息をついた。
つづく
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