あいつに惚れるわけがない

茉莉 佳

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level 9

「病みつきになってしまいそうです」(性表現あり)

「宿泊と往復航空券がパックになったプランもあるし、マイレージを使えば、新島に行くより安くすみそうだよ」
「すみません。本当に、お言葉に甘えてしまっていいんですか?」
「いいっていいって。じゃあ日にちは8月30、31日ってことで」
「お願いします」
「夏休みギリギリだな。それまでに宿題は終わってるよな。リゾートホテルで宿題の手伝いとか、そんなギャグ漫画みたいなのはナシだから」
「大丈夫です」
「はは。凛子ちゃんのことだから、それは心配してないけどな。そろそろ行こうか」

そう言ってテーブルのレシートを手にとり、ヨシキさんは立ち上がった。
クルマに戻ると、先に助手席の方に回り、ドアを開けてくれる。
まるでお姫様のように丁寧に扱われているようで、そういう心遣いが気分を盛り上げる。
旅行の件といい、ヨシキさんから『尽されている』という満足感で、幸せが満ちあふれてくる。
海ほたるの駐車場を出る前に、ヨシキさんはわたしに軽いキスをしてくれた。
東京湾アクアラインの長いトンネルを抜け、首都高速を走っている間も、わたしたちは手を握って、指を絡めあっていた。

じんわりと、気持ちが熱くなっていく。
スキンシップが、こんなに心を満たしてくれるものだなんて、はじめて知った。
こうして会って話して、手を繋いでいるときから、からだも心も昂まって、ひとつになって溶けていく。

海ほたるを出発ったあと、門限まではまだ時間があったので、もう一度、ヨシキさんの部屋に寄る。
部屋に入るとすぐに、わたしたちは抱き合った。
からだも、すでに準備ができていた。

「ずっと凛子ちゃんを抱きたかった。
遊園地で遊んでる時も、ドライブしてる時も、海ほたるで食事してる時も、ずっと」
「わたしも… ヨシキさんに触れてほしかったです」
「愛してるよ。この瞳も唇も、うなじも、腕も、指先も…」

そうささやきながら、ヨシキさんは口にした場所にキスをしていく。

「ぁ、あ… ヨシキさん」
「肩も、この胸も、みんな綺麗だ。ずっと可愛がっていたい」
「ん…」

ワンピースのボタンをはずしながら、ヨシキさんは愛おしむように胸にキスをする。
もつれ込むようにベッドに横たわったわたしたちは、そのまま抱き合い、むつみあった。

「ヨ、ヨシキさん?! そこは、ダメ、です」

ショーツをずらしながら、秘部にキスをしようとしたヨシキさんの頭を押さえ、わたしは慌てた。

「どうして? 凛子ちゃんのここ、可愛がってあげたい」
「イヤ… 汗、かいてるし… 洗ってないから」

抗うわたしにかまわず、ヨシキさんはその部分に顔を埋めると、深く息を吸い込んだ。

「すごくいい匂いだよ」
「…やめて。汚いですから」
「綺麗だよ。凛子ちゃんのどんなとこだって愛せるよ。もっと味わいたい」
「…や。恥ずかしい」
「この匂い。めまいがするほどいいよ」
「…いや。やめ… あっ… ぁ…」

押しのける腕の力が弱まっていく。
いちばん敏感な部分を舌で探り当てたヨシキさんは、ノックするように舌先で突いたあと、ゆっくりと花びらを舐めあげ、転がしたりしてもてあそぶ。

「ぁ… ん…」

言葉にできない。
まるで、からだが宙に浮いているみたいに、ふわふわ漂うような快感が込み上げてきて、恍惚となる。
固く閉じていた脚が少しずつ開いていき、ヨシキさんの愛撫を呑み込んでいく。

こんな愛し方があったなんて…

もちろん知ってはいたけど、実際に体験するのとは、全然違う。
病みつきになるほど気持ちよくて、もっとしてほしい。
そうして快感に酔っているうちに、いつの間にかヨシキさんの固くて熱いものが入ってきていて、わたしは呻き声をあげた。
本当のことを言うと、これはまだそんなに気持ちいいというわけではないし、むしろ痛いくらい。
だけど、充実感というのだろうか。
ヨシキさんと繋がっているのを感じられるのが嬉しくて、幸福感で満たされていく。
だからわたしは、いつでもヨシキさんを受け入れたくなる。

その夜もわたしたちは、まるでもう明日が来ないかのように、激しく愛しあった。

つづく
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