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level 14
「彼氏を寝取られたみたいな目になっていましたか?」
「いいだろ。恋子ちゃんお待ちかねのピン撮影だな。ガンガンポーズつけていいぞ!
ミノル、レフを頼む。こんな晴天で銀使うなよ。おばけライトになっちまうだろ!」
ミノルさんが手にしているレフ板の位置を細かく修正しながら、ヨシキさんはカメラを構える。
恋子さんの演じる『島戸京子』は、とびきり元気がよくて、運動神経抜群の明るいキャラクター。
合わせ撮影で抑えていたものを解放するかのように、恋子さんはレンズの前で伸びやかにポーズをとった。
高くジャンプするたびに、制服のミニスカートがひるがえって捲れあがる。
その瞬間を狙いすましたように、ヨシキさんはシャッターを押す。
恋子さんはアンダースコートを履いていなかった。
大丈夫かなぁ。
パンツ。
写っていないだろうか?
いくらいっしょのコスプレ撮影とはいえ、自分の彼氏が目の前で、他の女性のパンツを撮るのは、やはり、いい気はしない。
「美月ちゃん。『島津凛子』になってるわよ」
撮影風景をじっと眺めているわたしの隣に、ソリンさんが寄ってきて、小さく耳打ちした。
「え?」
「恋子さんを見つめてる目が、彼氏を寝取られたみたいになってる」
「え… そ、そうですか。すみません」
「まぁね。わかるけど」
そう言いながら、ソリン… 優花さんは、ヨシキさんの前で大胆にポーズをつける恋子さんを眺めた。
「恋子ちゃん、パンツ見えそうだけど。あれ、ワザとやってるよね?」
「優花さんも、そう思いますか?」
「まぁね。あれだけアピールしてる恋子さんを見るのは、『ヨシキさんのカノジョ』的には、楽しいものじゃないよね」
「夏休みの頃からずっと、恋子さんはヨシキさんに撮られたがっていましたから。やはりあれは、アピールなのでしょうか?」
「じゃないかな」
「やはり… みんなに言っておいた方がいいのでしょうか? 『ヨシキさんとわたしはつきあっている』って」
「ん~、、、 今、それを言い出すのは、リスク高いかも」
「…そう、ですよね」
「『サークルとかのコミュニティのなかで、だれかひとりが特別な存在になるのは、トラブルの元』って、ヨシキさん言ってたんでしょ?」
「はい」
「それ、正論だと思うな。
凛子ちゃんの気持ちはわかるけど、今それを宣言してしまうのは、この場に爆弾投げ込むみたいなものよ。
みんな、コンセントレーション乱れまくるわよ」
「…すみません。わたしの考えが浅はかでした」
「別に、あやまらなくてもいいわよ。凛子ちゃんがカミングアウトしたいって思うのも、もっともだし。
『撮ってるレイヤーは公平に扱う』ってヨシキさんのポリシーはもう崩れてるんだから、凛子ちゃんには優先権はあるものね。
でも、あたしは別として、他のレイヤーには、ヨシキさんとつきあってること知られない方が、凛子ちゃんのためになると思うわ。邪魔されるだけで、メリットないだろうし」
「そうでしょうか…」
「ま。いつまでも隠し通せるものじゃないだろけどね」
そういって優花さんは首をすくめ、意味深に微笑んだ。
ヨシキさんとつきあっていることがみんなに広まったら、どうなるのだろう?
『オレの周りっていろいろウザい』
いつかのヨシキさんの言葉を、わたしは思い出した。
わたしの存在を疎ましく思っているレイヤーさんは、いるだろう。
百合花さんとか。魔夢さんとか。美咲麗奈さんとか。
ヨシキさんとの関係が公になることで、わたしの気持ちは安定するかもしれないけど、彼女たちを敵に回すことにもなりかねない。
優花さんの言うとおり、それは避けたい。
もやもやした気持ちを引きずるのはイヤだけど、今はできるだけ、秘密にしておいた方がいいのかもしれない。
だけど…
つづく
ミノル、レフを頼む。こんな晴天で銀使うなよ。おばけライトになっちまうだろ!」
ミノルさんが手にしているレフ板の位置を細かく修正しながら、ヨシキさんはカメラを構える。
恋子さんの演じる『島戸京子』は、とびきり元気がよくて、運動神経抜群の明るいキャラクター。
合わせ撮影で抑えていたものを解放するかのように、恋子さんはレンズの前で伸びやかにポーズをとった。
高くジャンプするたびに、制服のミニスカートがひるがえって捲れあがる。
その瞬間を狙いすましたように、ヨシキさんはシャッターを押す。
恋子さんはアンダースコートを履いていなかった。
大丈夫かなぁ。
パンツ。
写っていないだろうか?
いくらいっしょのコスプレ撮影とはいえ、自分の彼氏が目の前で、他の女性のパンツを撮るのは、やはり、いい気はしない。
「美月ちゃん。『島津凛子』になってるわよ」
撮影風景をじっと眺めているわたしの隣に、ソリンさんが寄ってきて、小さく耳打ちした。
「え?」
「恋子さんを見つめてる目が、彼氏を寝取られたみたいになってる」
「え… そ、そうですか。すみません」
「まぁね。わかるけど」
そう言いながら、ソリン… 優花さんは、ヨシキさんの前で大胆にポーズをつける恋子さんを眺めた。
「恋子ちゃん、パンツ見えそうだけど。あれ、ワザとやってるよね?」
「優花さんも、そう思いますか?」
「まぁね。あれだけアピールしてる恋子さんを見るのは、『ヨシキさんのカノジョ』的には、楽しいものじゃないよね」
「夏休みの頃からずっと、恋子さんはヨシキさんに撮られたがっていましたから。やはりあれは、アピールなのでしょうか?」
「じゃないかな」
「やはり… みんなに言っておいた方がいいのでしょうか? 『ヨシキさんとわたしはつきあっている』って」
「ん~、、、 今、それを言い出すのは、リスク高いかも」
「…そう、ですよね」
「『サークルとかのコミュニティのなかで、だれかひとりが特別な存在になるのは、トラブルの元』って、ヨシキさん言ってたんでしょ?」
「はい」
「それ、正論だと思うな。
凛子ちゃんの気持ちはわかるけど、今それを宣言してしまうのは、この場に爆弾投げ込むみたいなものよ。
みんな、コンセントレーション乱れまくるわよ」
「…すみません。わたしの考えが浅はかでした」
「別に、あやまらなくてもいいわよ。凛子ちゃんがカミングアウトしたいって思うのも、もっともだし。
『撮ってるレイヤーは公平に扱う』ってヨシキさんのポリシーはもう崩れてるんだから、凛子ちゃんには優先権はあるものね。
でも、あたしは別として、他のレイヤーには、ヨシキさんとつきあってること知られない方が、凛子ちゃんのためになると思うわ。邪魔されるだけで、メリットないだろうし」
「そうでしょうか…」
「ま。いつまでも隠し通せるものじゃないだろけどね」
そういって優花さんは首をすくめ、意味深に微笑んだ。
ヨシキさんとつきあっていることがみんなに広まったら、どうなるのだろう?
『オレの周りっていろいろウザい』
いつかのヨシキさんの言葉を、わたしは思い出した。
わたしの存在を疎ましく思っているレイヤーさんは、いるだろう。
百合花さんとか。魔夢さんとか。美咲麗奈さんとか。
ヨシキさんとの関係が公になることで、わたしの気持ちは安定するかもしれないけど、彼女たちを敵に回すことにもなりかねない。
優花さんの言うとおり、それは避けたい。
もやもやした気持ちを引きずるのはイヤだけど、今はできるだけ、秘密にしておいた方がいいのかもしれない。
だけど…
つづく
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