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「莫迦で世間知らずなわたしは気づきませんでした」
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「実は桃李、みっこさまの大ファンなんですぅ~ (((o(*゚▽゚*)o)))
あ。『みっこ』っていうのは、森田美湖さまの愛称なのです。
子供の頃から一流ファッション誌のカバーモデルをこなしているみっこさまは、もう、ふつくしすぎて素敵すぎて (≧∇≦*)♪
桃李、雑誌の切り抜きとか、写真集も持ってるし、駅貼りのポスターもこっそり剥がしてゲットしちゃいました (*´艸`)
主役級の女優としてテレビにもよく出てて、画面に映る度に録画しながらうっとり眺めてるんです~ (((o≧▽≦)o!!」
「すごぉい! 美月さん。あたしも森田美湖は知ってるよ。美月さんって、あんな超一流モデルの秘蔵っ子だったんだ!!」
「知らなかった。凛子ちゃん、モデルレッスン受けてるの?!」
「いえ… レッスンを受けているといっても、先週からはじめたばかりで、まだ2回しか通っていないですし。優花さんにも言いそびれていて…」
「まあ、それはいいんだけどね。あたしとしては、将来の義妹がモデルだなんて、鼻が高いしね」
「森田さんって、仕事となったら人が変わったように厳しいから、レッスン、ついていくだけでも大変だろな。美月ちゃん、よく頑張ってるよ。うん」
同情する様に、ヨシキさんは腕組みをしながらうなづく。
「そういえばヨシキさんは、みっこさまと近しい間柄でしたよね °˖✧◝(・∀・)◜✧˖
美月姫といいヨシキさんといい、遥かなる高みを目指す方々をこうして間近で拝見することができて、桃李幸せですぅ~ (((o≧▽≦)o」
「あたしも美月さんなら絶対モデルになれると思ってた。
ね。教えて教えて!
モデルレッスンって、どんな感じ?
森田美湖って、やっぱ雑誌とかで見るみたいに、華奢で超絶美人なの?」
「あたしも聞きたいわ。話してよ凛子ちゃん」
「桃李もみっこさまのオフショットな姿、とおっっても知りたいですぅ (ж>▽<)y ☆」
みんなに訊かれるまま、わたしはヨシキさんとコンポジット撮影をしたことや、出会ったときのみっこさんのこと。彼女の家でのレッスンの様子などを、詳しく話した。
興味津々という風に、みんなはわたしの話に耳を傾けている。
『やっぱりあたしの凛子ちゃんは、ただ者じゃなかったわ』と、優花さんは言うし、『いいな~いいな~。モデルは女の子の憧れじゃん。美月さんはすごいラッキーだね』と、恋子さんもわたしに羨望の眼差しを向ける。
桃李さんに至っては、まるで女神でも崇めるかのように褒め讃え、熱いまなざしでわたしを見つめていた。
だけど…
賞賛の陰には、嫉妬の暗い炎が隠されている。
莫迦で世間知らずなわたしは、そのことにまだ気づいていなかった。
つづく
あ。『みっこ』っていうのは、森田美湖さまの愛称なのです。
子供の頃から一流ファッション誌のカバーモデルをこなしているみっこさまは、もう、ふつくしすぎて素敵すぎて (≧∇≦*)♪
桃李、雑誌の切り抜きとか、写真集も持ってるし、駅貼りのポスターもこっそり剥がしてゲットしちゃいました (*´艸`)
主役級の女優としてテレビにもよく出てて、画面に映る度に録画しながらうっとり眺めてるんです~ (((o≧▽≦)o!!」
「すごぉい! 美月さん。あたしも森田美湖は知ってるよ。美月さんって、あんな超一流モデルの秘蔵っ子だったんだ!!」
「知らなかった。凛子ちゃん、モデルレッスン受けてるの?!」
「いえ… レッスンを受けているといっても、先週からはじめたばかりで、まだ2回しか通っていないですし。優花さんにも言いそびれていて…」
「まあ、それはいいんだけどね。あたしとしては、将来の義妹がモデルだなんて、鼻が高いしね」
「森田さんって、仕事となったら人が変わったように厳しいから、レッスン、ついていくだけでも大変だろな。美月ちゃん、よく頑張ってるよ。うん」
同情する様に、ヨシキさんは腕組みをしながらうなづく。
「そういえばヨシキさんは、みっこさまと近しい間柄でしたよね °˖✧◝(・∀・)◜✧˖
美月姫といいヨシキさんといい、遥かなる高みを目指す方々をこうして間近で拝見することができて、桃李幸せですぅ~ (((o≧▽≦)o」
「あたしも美月さんなら絶対モデルになれると思ってた。
ね。教えて教えて!
モデルレッスンって、どんな感じ?
森田美湖って、やっぱ雑誌とかで見るみたいに、華奢で超絶美人なの?」
「あたしも聞きたいわ。話してよ凛子ちゃん」
「桃李もみっこさまのオフショットな姿、とおっっても知りたいですぅ (ж>▽<)y ☆」
みんなに訊かれるまま、わたしはヨシキさんとコンポジット撮影をしたことや、出会ったときのみっこさんのこと。彼女の家でのレッスンの様子などを、詳しく話した。
興味津々という風に、みんなはわたしの話に耳を傾けている。
『やっぱりあたしの凛子ちゃんは、ただ者じゃなかったわ』と、優花さんは言うし、『いいな~いいな~。モデルは女の子の憧れじゃん。美月さんはすごいラッキーだね』と、恋子さんもわたしに羨望の眼差しを向ける。
桃李さんに至っては、まるで女神でも崇めるかのように褒め讃え、熱いまなざしでわたしを見つめていた。
だけど…
賞賛の陰には、嫉妬の暗い炎が隠されている。
莫迦で世間知らずなわたしは、そのことにまだ気づいていなかった。
つづく
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