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「愛と憎しみは隣り合わせだと思い知りました」
ずるい。
『対等な恋愛が理想』と言いながら、ヨシキさんは女の子を自分のペースに巻き込んで、やりたい放題やってる。
もしかして今でも、自分の気に入った子とは、わたしに内緒で会って撮影して、エッチしてるんじゃないだろうか。
『今はわたしだけ』と本人は否定してるけど、ヨシキさんにとってわたしは、会ってる『今』この瞬間だけの、刹那の恋人かもしれない。
他にも、突っつけばネタには困らないだろう。
送り主のわからない、おそらく美咲麗奈からの陰険メールで、わたしはネットの巨大匿名掲示板を見せられ、そんな噂話や誹謗中傷が、ヨシキさんの周りに渦巻いていることを知った。
そもそも、そんな悪意のこもったメールがわたしのところに来ること自体、ヨシキさんが今現在、ドロドロした関係の渦中にいるって証拠。
正直言って、腹が立つ。
ささいなきっかけで、わたしはヨシキさんにケンカをふっかけ、彼も正面からわたしに対峙し、手加減なしで組み伏せようとする。
ふたりとも強情で負けず嫌いだから、ケンカも半端じゃなくて、携帯で夜遅くまで罵りあったり、デートの最中に罵倒しあったり。
ヨシキさんをぶったことだって、一度や二度じゃない。
もっともヨシキさんは、わたしに手を上げるような真似は、絶対しない。
その分、倍返しでメンタルを攻撃してくる。
わたしはヨシキさんのことを愛しているし、彼がわたしを心から愛し慈しんでくれてるのは、切ないほど伝わってくる。
だけど、一旦バトルモードに入ったら、もうダメ。
自分でもわけがわからないくらい、憎しみの感情が心の奥底からグツグツと沸き上がってくる。
まるで、嫉妬という火口から這い出してくる、巨大で醜悪なモンスターみたいな感情。
ヨシキさんのやることなすこと、すべてが気に入らない。
そんなわたしの怒りに引きずられるように、ヨシキさんも感情をヒートアップさせる。
バトルモードになったふたりは、本気で相手のことを憎み、HPがなくなるまで叩きのめそうとするのだ。
愛と憎しみの振幅。
その揺れ幅はあまりに大きくて、けんかの度にヨシキさんもわたしも、気力体力ともにすり減らしていった。
わたしたち、どうしてこうなってしまったんだろう。
これがヨシキさんのいう、手加減のないフィフティ・フィフティーな恋愛?
それとも、いつか優花さんの言ってた、モテ男とつきあう代償?
この2ヶ月間で、愛と憎しみは隣り合わせだってのは痛いほど思い知ったし、その感情はなかなかコントロールできないことも、身をもって思い知らされた。
だけど、、、
正直言って、疲れた。
なにも知らず、無邪気にヨシキさんと恋のステップを登ってた頃が、懐かしい。
もうあの頃には、戻れないんだろうか…
ひとしきり窓辺で愛撫してくれたあと、ヨシキさんはわたしをいきなり抱え上げ、お姫様を扱うように優しくベッドに誘い、ゆっくりと横たえる。
クッションのきいた広いベッドは、からだが包まれるように沈み込んで、気持ちいい。
目を瞑ったわたしは、ヨシキさんのされるがままになっていた。
つづく
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