あいつに惚れるわけがない

茉莉 佳

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「こんな風に扱われるのってはじめてです」(性表現あり)

「やめて、、 ください。本気で怒りますよ」
「いいよその表情。ゾクゾクする」
「やめ、、、 うっ」
「どうだ。いいだろ」
「ううっ、、 いや、、、 い、、 ゃ。あっ」

わたしの抵抗を遮るように、ヨシキさんは激しく腰を打ちつけてきた。
ズンズンと、からだのいちばん奥を突かれてくると、言葉も思考も失われていく。
完全に屈服させられてるという屈辱の裏側から、好きな人に支配されてるという悦びが、ムクムクとめくれあがってくる。
好きな人からなぶられ、犯されるのって、なんか、いい。
そんな気持ちがかすめたとたん、みるみる泉が溢れだし、秘部が潤ってくる。
こんなわたしって、変態?

「いや、ぃ、や、、、 ぁ、 ああっ。あ~っ。いい」

拒む声も、いつの間にかよがり声に変わっていた。

「熱くなってきた?」
「あ、、、 熱い。ヨシキさんもっと熱く、、、」
「いいぞ、もっと燃えさせてやるよ」
「あっあっあっぁうっっ、、、」

“パンパンパンパン、、、”

真夜中の静まり返った部屋のなかに、動物のような嬌声と、ふたつの肉の塊がぶつかりはじける音だけが響く。
わたしの声に合わせるかのように、ヨシキさんの腰の動きも速くなり、熱い昂まりを力強く打ち込んでくる。
激しい痙攣が背筋を襲い、大きくのけぞったあたしは、あっという間にアクメに達し、空気を溜めた風船が弾けるように、全身から力が抜けていった。
それとほとんど同時に、ヨシキさんも果てたみたいだ。

『うっ』と呻いたあと、抜け殻のようになってわたしに重なったまま、ヨシキさんは動かなくなってしまった。
彼の体重を、全身で感じる。
やっと自由にしてもらえた両腕を、わたしはヨシキさんの背中に回した。

しっとりと汗ばんで、あたたかくなってる。
ぴったりとくっついたからだからは、ドクンドクンと、心臓の音が早鐘のように伝わってくる。
このぬくもりが、鼓動が、やっぱり愛おしい。
どんなことがあっても、手放したくない。
この瞬間、その想いだけが溢れていた。


「おっ、重いです。そろそろどいてくれませんか?」
「、、、え。あ、ああ。ごめん」

次第に重みが増してきて、息ができなくなってくる。
どうやらヨシキさんは、わたしの上で眠りかけてたみたいだ。ピクッと肩を震わせて目を覚ましたヨシキさんは、慌ててからだをずらしてくれた。
ようやくからだが軽くなり、胸がすっとする。
わたしのとなりに寝転び、ヨシキさんは茶化すように言った。

「夢うつつのエッチも、いいな」
「ったく、強引なんだから」
「でも、よかっただろ」
「こんな風にヨシキさんから扱われるのって、はじめてです」
「嫌だった?」
「そんなことないけど、、、」
「凛子ちゃんにも汚され願望があるのかもな」
「そんな、、 はっきり言わないでください」
「はは、、、 いつも勝気な凛子ちゃんにも、意外とマゾな面があるんだな」
「もうっ。ばか」
「可愛いよ」

そう言って微笑んだヨシキさんは、頬に軽くキスをして、枕元の時計を見た。

「もうこんな時間か。だらだらピロトークしてないで早く寝ようぜ。明日も早いしな」
「この時間が楽しいのに、、」
「まだ火がくすぶってる?」
「女の子って、男の人みたいに、出したらおしまいってわけじゃないですから」
「そりゃそうだ」

うなづいたヨシキさんは、頭の下に腕を入れると、わたしをグイッと引き寄せた。
広い肩が枕がわりになって、ヨシキさんにぴったりくっつく。

「凛子ちゃんのぬくもりを感じて、寝たい」

そう言ってキスをする。

こういうのって、いいな。
腕枕をされたまま、わたしはヨシキさんのはだかの胸に手を当て、寄り添った。
自然と、横顔が目に入ってくる。
鼻筋の通った綺麗な顔は、目を閉じてると余計に色っぽい。
どうやらもう、眠りに落ちてしまったようだ。
夜中に起こされて激しい運動したから、それもしかたないか。
そう思いながらヨシキさんの顔を見てるうちに、わたしもまぶたが重くなってくる。
気がついたときはもう、カーテンからキラキラした光が差し込んでくる時間になっていた。

つづく
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