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level 20
「過激なポーズを次々と繰り出していきました」
振り返って見ると、ふたりとも色違いのコルセット風のミニのワンピース。パニエたっぷりのふわふわのフレアスカートから出た脚には、シュシュのようなガーターリング。
完全にわたしとダブっている。
同じボーカロイドグループ、『candyunit』の『スウィートデビル』のコスプレだ。
特に魔夢さんの方は、わたしと同じキャラクター。
一瞬、緊張が走る。
このふたりはわたしのことを、あまりよく思っていない。
しかも今日は、思いっきりキャラが被ってるし、、、
「見たわよ、CM。美月さんすごい!
はじめてお会いしたときから、あなたってただ者じゃないって思ってたけど、やっぱりね~」
「なんでもモデル事務所に所属してるんですって? 森田美湖の秘蔵っ子だとか。尊敬します~」
猫なで声を出しながら、ふたりは親しげにわたしに近づいてきて、笑みを浮かべた。
な、なんなの?
このフレンドリーな態度?!
あまりの豹変っぷりに、思わずたじろぐ。
「今日は同じキャラだし、いっしょに写真撮りませんか?」
ふたりは口を揃えて言った。
「え? ええ…」
なんだか意外。
以前はわたしのことなんか、眼中にないような態度だったのに。
わたしがOKすると、魔夢さんと百合花さんは大きな一眼レフをバッグから取り出し、嬉々として写真を撮りはじめた。
肩を寄せてきて頬をくっつけたり、からだに腕をまわしてきたりと、やたら馴れ馴れしい。
その光景に引きつけられたのか、他のカメコも集まってきて、囲み撮影になってきた。
負けたくない!
立ちポーズをとっていた百合花さんの前に回り込んだわたしは、ひざまづいて立て膝になり、からだのラインを強調するように腰をぐっと入れて彼女の背中に手を回し、その大きな胸に頬を当てて、小悪魔っぽく、目の前のカメラの列を熱く見つめた。
“カシャカシャカシャ…”
レンズが一斉にわたしの方を向く。
構えられたカメラのピントが、百合花さんではなく、わたしに合うのがわかる。
いつ聞いても気持ちいい音。
思わず恍惚となり、わたしはおしりに手を当て、さらに過激なポーズを次々と繰り出していった。
うしろから撮られたって気にしない。
ちゃんとパンチラ防止用のスパッツでガードしてるし、そんな布切れ、『見たいなら見れば』って感じ。
これ見よがしにわたしは脚を広げると、背中をそらしておしりをぐっと突き出し、思いっきりセクシーなポーズをとった。
“カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ…”
シャッター音が一段と高まる。
ん~。
快感!
「は~い。もう終了で~す。カウントかけま~す! 3、2、1、はいっ。解散で~す!」
頃合いを見計らって、スタッフがカウントかけてくる。
それを合図に囲み撮影は終了した。
魔夢さんと百合花さんと別れたあとも、他のレイヤーたちが次々とやってきては、わたしとのツーショを求めてきた。
「以前やってた『散華転生』のお市さまコス、いつか外ロケ合わせでやって頂けませんか? 美月さまと合わせ撮影するのが、わたしの夢なんです~♪」
「今度スタジオ借りてボカロ合わせしようと思うんですけど、美月さんにもぜひぜひコラボして頂きたいんですぅ♪」
そう言って、撮影会に誘ってくるレイヤーもいる。
そんな大勢のレイヤーやカメコの人垣の向こうに、チラリと小さな人影が目に入った。
それは、桃李さんだった。
同じ『candyunit』のボカロコスを纏って、遠慮がちに人垣の隙間から、チラチラとこちらを覗いてる。
どうやらわたしに話しかけたそう。
そういえばここ数回、イベント会場で彼女を見かけなかったな。
つづく
完全にわたしとダブっている。
同じボーカロイドグループ、『candyunit』の『スウィートデビル』のコスプレだ。
特に魔夢さんの方は、わたしと同じキャラクター。
一瞬、緊張が走る。
このふたりはわたしのことを、あまりよく思っていない。
しかも今日は、思いっきりキャラが被ってるし、、、
「見たわよ、CM。美月さんすごい!
はじめてお会いしたときから、あなたってただ者じゃないって思ってたけど、やっぱりね~」
「なんでもモデル事務所に所属してるんですって? 森田美湖の秘蔵っ子だとか。尊敬します~」
猫なで声を出しながら、ふたりは親しげにわたしに近づいてきて、笑みを浮かべた。
な、なんなの?
このフレンドリーな態度?!
あまりの豹変っぷりに、思わずたじろぐ。
「今日は同じキャラだし、いっしょに写真撮りませんか?」
ふたりは口を揃えて言った。
「え? ええ…」
なんだか意外。
以前はわたしのことなんか、眼中にないような態度だったのに。
わたしがOKすると、魔夢さんと百合花さんは大きな一眼レフをバッグから取り出し、嬉々として写真を撮りはじめた。
肩を寄せてきて頬をくっつけたり、からだに腕をまわしてきたりと、やたら馴れ馴れしい。
その光景に引きつけられたのか、他のカメコも集まってきて、囲み撮影になってきた。
負けたくない!
立ちポーズをとっていた百合花さんの前に回り込んだわたしは、ひざまづいて立て膝になり、からだのラインを強調するように腰をぐっと入れて彼女の背中に手を回し、その大きな胸に頬を当てて、小悪魔っぽく、目の前のカメラの列を熱く見つめた。
“カシャカシャカシャ…”
レンズが一斉にわたしの方を向く。
構えられたカメラのピントが、百合花さんではなく、わたしに合うのがわかる。
いつ聞いても気持ちいい音。
思わず恍惚となり、わたしはおしりに手を当て、さらに過激なポーズを次々と繰り出していった。
うしろから撮られたって気にしない。
ちゃんとパンチラ防止用のスパッツでガードしてるし、そんな布切れ、『見たいなら見れば』って感じ。
これ見よがしにわたしは脚を広げると、背中をそらしておしりをぐっと突き出し、思いっきりセクシーなポーズをとった。
“カシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャ…”
シャッター音が一段と高まる。
ん~。
快感!
「は~い。もう終了で~す。カウントかけま~す! 3、2、1、はいっ。解散で~す!」
頃合いを見計らって、スタッフがカウントかけてくる。
それを合図に囲み撮影は終了した。
魔夢さんと百合花さんと別れたあとも、他のレイヤーたちが次々とやってきては、わたしとのツーショを求めてきた。
「以前やってた『散華転生』のお市さまコス、いつか外ロケ合わせでやって頂けませんか? 美月さまと合わせ撮影するのが、わたしの夢なんです~♪」
「今度スタジオ借りてボカロ合わせしようと思うんですけど、美月さんにもぜひぜひコラボして頂きたいんですぅ♪」
そう言って、撮影会に誘ってくるレイヤーもいる。
そんな大勢のレイヤーやカメコの人垣の向こうに、チラリと小さな人影が目に入った。
それは、桃李さんだった。
同じ『candyunit』のボカロコスを纏って、遠慮がちに人垣の隙間から、チラチラとこちらを覗いてる。
どうやらわたしに話しかけたそう。
そういえばここ数回、イベント会場で彼女を見かけなかったな。
つづく
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