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「コスプレを卒業した方がいいんでしょうか?」
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「ヨシキくんも誘えばよかったのに。凛子ちゃんも今日はヨシキくんに、振袖姿見せたかったんじゃない?」
わたしの視線の先を追ったみっこさんが、茶化すように言った。
「今日はヨシキさん、予定があるらしくて」
「ふぅん。そうなんだ」
「それに、初詣は元旦に、うちの近くの神社ですませました」
「着物は着たの?」
みっこさんの問いに、わたしはかぶりを振った。
「大晦日の夜にちょっと出かけただけなので…
一日デートは、センター試験が終わるまでお預けにしました」
「そっか。受験生は辛いわね。
でも、凛子ちゃんに会えなくて、ヨシキくんは納得してる?」
「してもらうしかないです。今のわたしは、まず志望校に受かることが、いちばん優先ですから」
「凛子ちゃんも、いろいろ吹っ切れたみたいね」
「はい。コスプレもしばらくは控えようと思ってます」
「ふぅん。そう…」
曖昧に返事をして、みっこさんは次の言葉を考えているようだったが、彼女の気持ちを代弁するように、川島さんが言った。
「凛子ちゃんもこの機会に、コスプレ卒業した方がいいんじゃないかな」
「え? 卒業、、、ですか? コスプレを?」
「凛子ちゃんの趣味に口出しする気はないけど…」
意を決したように、みっこさんも切り出す。
「凛子ちゃんはもうプロのモデルよ。これからはもっと、プロの自覚を持ってもらわなくちゃね」
「プロの自覚…」
「写真、見せてもらったわ」
「え? どの写真ですか?」
「コスプレ撮ってるカメラマンさんのブログやホームページにアップしてる、あなたの写真」
「あ、、」
「ひどいものだったわ。あの程度の腕で凛子ちゃんを撮るなんて。おこがましすぎる」
「そう… なんですか、、」
「うちの事務所はそういうの、モデルの自覚に任せてるとこがあるから、趣味のブログに上げる写真には、あまり干渉しない方針なんだけど、あれは論外。下手な自撮りよりタチが悪い」
「…」
「ヨシキくんくらい上手いカメラマンが撮るのならともかく、あれは凛子ちゃんのためにならないわ」
「はぁ、、、」
「そりゃ、趣味としてのコスプレ撮影は否定しないわ。
『自分を変えたい』って、凛子ちゃんの気持ちもわかる。
わたしだってコスプレのことは少しは知ってるし、イベント会場にだって行ったことはある。
派手できらびやかな衣装を着て、ふだんの自分とは違うゲームやアニメのキャラに変身して、写真撮られたいって気持ちも、わかるつもりよ」
そこまで言って、みっこさんは憤った口調になった。
「だけど、プロのモデルとして見て?
あんな酷《ひど》い画像が一般人の目に触れるのは、マイナスにしかならないわ。いずれ写真雑誌とか芸能誌が嗅ぎつけて、おもしろおかしく晒されるのがオチよ」
「そっ、そうなんですか?」
「そうよ。よく考えなさいよ。
あなたはこれから、その容姿と才能を売り物にして、世の中に出ていくのよ。
つまらないアマチュアカメラマンにタダで撮らせて、出来の悪い画像をネットに掲載されて、自分の価値が上がると思う?」
「…いいえ」
「もっと自分を大事にして、プライドを高く持ちなさい。
凛子ちゃん。あなたは素質も才能も兼ね備えた、このあたしが惚れ込んだ逸材なのよ。
これからあなたは一流のプロモデルになっていくんだから、写真を撮られるのも、自分にふさわしい相手にしなさい。それを選び出す眼を養いなさい」
「…」
つづく
わたしの視線の先を追ったみっこさんが、茶化すように言った。
「今日はヨシキさん、予定があるらしくて」
「ふぅん。そうなんだ」
「それに、初詣は元旦に、うちの近くの神社ですませました」
「着物は着たの?」
みっこさんの問いに、わたしはかぶりを振った。
「大晦日の夜にちょっと出かけただけなので…
一日デートは、センター試験が終わるまでお預けにしました」
「そっか。受験生は辛いわね。
でも、凛子ちゃんに会えなくて、ヨシキくんは納得してる?」
「してもらうしかないです。今のわたしは、まず志望校に受かることが、いちばん優先ですから」
「凛子ちゃんも、いろいろ吹っ切れたみたいね」
「はい。コスプレもしばらくは控えようと思ってます」
「ふぅん。そう…」
曖昧に返事をして、みっこさんは次の言葉を考えているようだったが、彼女の気持ちを代弁するように、川島さんが言った。
「凛子ちゃんもこの機会に、コスプレ卒業した方がいいんじゃないかな」
「え? 卒業、、、ですか? コスプレを?」
「凛子ちゃんの趣味に口出しする気はないけど…」
意を決したように、みっこさんも切り出す。
「凛子ちゃんはもうプロのモデルよ。これからはもっと、プロの自覚を持ってもらわなくちゃね」
「プロの自覚…」
「写真、見せてもらったわ」
「え? どの写真ですか?」
「コスプレ撮ってるカメラマンさんのブログやホームページにアップしてる、あなたの写真」
「あ、、」
「ひどいものだったわ。あの程度の腕で凛子ちゃんを撮るなんて。おこがましすぎる」
「そう… なんですか、、」
「うちの事務所はそういうの、モデルの自覚に任せてるとこがあるから、趣味のブログに上げる写真には、あまり干渉しない方針なんだけど、あれは論外。下手な自撮りよりタチが悪い」
「…」
「ヨシキくんくらい上手いカメラマンが撮るのならともかく、あれは凛子ちゃんのためにならないわ」
「はぁ、、、」
「そりゃ、趣味としてのコスプレ撮影は否定しないわ。
『自分を変えたい』って、凛子ちゃんの気持ちもわかる。
わたしだってコスプレのことは少しは知ってるし、イベント会場にだって行ったことはある。
派手できらびやかな衣装を着て、ふだんの自分とは違うゲームやアニメのキャラに変身して、写真撮られたいって気持ちも、わかるつもりよ」
そこまで言って、みっこさんは憤った口調になった。
「だけど、プロのモデルとして見て?
あんな酷《ひど》い画像が一般人の目に触れるのは、マイナスにしかならないわ。いずれ写真雑誌とか芸能誌が嗅ぎつけて、おもしろおかしく晒されるのがオチよ」
「そっ、そうなんですか?」
「そうよ。よく考えなさいよ。
あなたはこれから、その容姿と才能を売り物にして、世の中に出ていくのよ。
つまらないアマチュアカメラマンにタダで撮らせて、出来の悪い画像をネットに掲載されて、自分の価値が上がると思う?」
「…いいえ」
「もっと自分を大事にして、プライドを高く持ちなさい。
凛子ちゃん。あなたは素質も才能も兼ね備えた、このあたしが惚れ込んだ逸材なのよ。
これからあなたは一流のプロモデルになっていくんだから、写真を撮られるのも、自分にふさわしい相手にしなさい。それを選び出す眼を養いなさい」
「…」
つづく
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