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level 26
「妙なスイッチが入ったのかもしれません」
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「『いろいろ』って? エッチも含んでるんですか?」
「えっ?! いや、凛子ちゃん、ストレートに訊いてくるな~。すごいよ!」
「って、答えになってないですけど」
「まあ、その辺はご想像にお任せするよ」
「あ。逃げるんですね。おとなのくせにずるい」
「はは。ずるいからおとななんだよ」
「まあいいです。じゃあその辺は、わたしが勝手に想像しときますから」
「怖いな。どんな妄想されてるか」
「ふふ。ちゃんと答えてくれない川島さんが悪いんです。
それで、、、 『今はただの友達』だって、みっこさんは言ってましたけど、ほんとうにそうなんですか?」
「確かに。それは本当だよ」
「へえ、、、」
川島さんの答えにうなづきながら、わたしの頭には、ムラムラとした欲望のようなものがこみ上げてくる。
結局、ワインボトルを2本も空けてしまったから、妙なスイッチが入ったのかもしれない。
それとも、、、
『いっそのこと、凛子ちゃん、川島君とつきあったら?』
という、みっこさんの言葉が、心のどこかで暗示をかけていたのかも。
「わたしも、ヨシキさんとは別れちゃいました」
含みを持たせるような口調で、わたしは言ってみた。
顔色も変えず、川島さんは応える。
「へえ。別れたんだ」
「なんだか淋しいんです。心のなかにぽっかり穴が空いてしまったみたいで」
「仕方ないよ。好きな人の存在の大きさは、失ってみないとわからないから」
「そうなんです。この穴って、どうやったら埋まるんでしょうか?」
「安直で手っ取り早いのは、新しい恋をすることじゃない?」
「そうなんですね、、、 わたしもフリーになったから、もうだれとでもおつきあいできるんですよね」
「そうだな」
「みっこさんもこうやって、恋の遍歴重ねたんですよね? その度に綺麗になっていって」
「ぼくが全部知ってるわけじゃないけど、多分、そうだろうだな」
「わたしも、みっこさんみたいないい女に、なれると思いますか?」
「それは間違いないな。なれるよ」
「ほんとに?」
「ああ。これからいい経験積んでいけば、凛子ちゃんなら、とびきり素敵な女性になれるよ」
「経験、、、」
そう反復して、わたしは川島さんを見た。
わたしのことなんてまるで眼中ないかのように、ハンドルを握る彼は、運転に専念している。
ちょっと口惜しい。
ギアノブに置いた川島さんの手の上に、わたしはそっと自分の手を重ねながら、秘めやかな声でささやいてみた。
「いろいろ教えてくれませんか? わたしに」
「え?」
はじめて彼が、わたしの方を振り向いた。
『意外』という目をして、見つめている。
明らかにわたしは酔っていた。
とびきり上等のヴィンテージワインと、年上の素敵な男性と、夜の国道をふたりっきりでドライブしているという、そのシチュエーションに。
「わたし。川島さんならいいかな~って。いろいろ経験しても」
「からかわないでくれよ。こんなおじさんを」
「ふざけたりしてないです。川島さんって素敵です。高校生のわたしから見ても」
「そうかい。ありがとな。嬉しいよ」
「もうっ。ちゃんと信じてください」
「はは。凛子ちゃん、酔ってるよ」
「わたし、酔うと淫乱になるのかもしれません」
「そうか。じゃあ、今度会うときは、凛子ちゃんがシラフのときにしような」
「川島さんっ」
「ははは。もうすぐ凛子ちゃん家に着くよ」
軽くわたしをいなした川島さんは、視線を前方に戻して、爽やかに笑う。
クルマが赤信号で止まった。
反射的にわたしは、川島さんの方にからだを伸ばし、その唇に自分の唇を押し当てた。
つづく
「えっ?! いや、凛子ちゃん、ストレートに訊いてくるな~。すごいよ!」
「って、答えになってないですけど」
「まあ、その辺はご想像にお任せするよ」
「あ。逃げるんですね。おとなのくせにずるい」
「はは。ずるいからおとななんだよ」
「まあいいです。じゃあその辺は、わたしが勝手に想像しときますから」
「怖いな。どんな妄想されてるか」
「ふふ。ちゃんと答えてくれない川島さんが悪いんです。
それで、、、 『今はただの友達』だって、みっこさんは言ってましたけど、ほんとうにそうなんですか?」
「確かに。それは本当だよ」
「へえ、、、」
川島さんの答えにうなづきながら、わたしの頭には、ムラムラとした欲望のようなものがこみ上げてくる。
結局、ワインボトルを2本も空けてしまったから、妙なスイッチが入ったのかもしれない。
それとも、、、
『いっそのこと、凛子ちゃん、川島君とつきあったら?』
という、みっこさんの言葉が、心のどこかで暗示をかけていたのかも。
「わたしも、ヨシキさんとは別れちゃいました」
含みを持たせるような口調で、わたしは言ってみた。
顔色も変えず、川島さんは応える。
「へえ。別れたんだ」
「なんだか淋しいんです。心のなかにぽっかり穴が空いてしまったみたいで」
「仕方ないよ。好きな人の存在の大きさは、失ってみないとわからないから」
「そうなんです。この穴って、どうやったら埋まるんでしょうか?」
「安直で手っ取り早いのは、新しい恋をすることじゃない?」
「そうなんですね、、、 わたしもフリーになったから、もうだれとでもおつきあいできるんですよね」
「そうだな」
「みっこさんもこうやって、恋の遍歴重ねたんですよね? その度に綺麗になっていって」
「ぼくが全部知ってるわけじゃないけど、多分、そうだろうだな」
「わたしも、みっこさんみたいないい女に、なれると思いますか?」
「それは間違いないな。なれるよ」
「ほんとに?」
「ああ。これからいい経験積んでいけば、凛子ちゃんなら、とびきり素敵な女性になれるよ」
「経験、、、」
そう反復して、わたしは川島さんを見た。
わたしのことなんてまるで眼中ないかのように、ハンドルを握る彼は、運転に専念している。
ちょっと口惜しい。
ギアノブに置いた川島さんの手の上に、わたしはそっと自分の手を重ねながら、秘めやかな声でささやいてみた。
「いろいろ教えてくれませんか? わたしに」
「え?」
はじめて彼が、わたしの方を振り向いた。
『意外』という目をして、見つめている。
明らかにわたしは酔っていた。
とびきり上等のヴィンテージワインと、年上の素敵な男性と、夜の国道をふたりっきりでドライブしているという、そのシチュエーションに。
「わたし。川島さんならいいかな~って。いろいろ経験しても」
「からかわないでくれよ。こんなおじさんを」
「ふざけたりしてないです。川島さんって素敵です。高校生のわたしから見ても」
「そうかい。ありがとな。嬉しいよ」
「もうっ。ちゃんと信じてください」
「はは。凛子ちゃん、酔ってるよ」
「わたし、酔うと淫乱になるのかもしれません」
「そうか。じゃあ、今度会うときは、凛子ちゃんがシラフのときにしような」
「川島さんっ」
「ははは。もうすぐ凛子ちゃん家に着くよ」
軽くわたしをいなした川島さんは、視線を前方に戻して、爽やかに笑う。
クルマが赤信号で止まった。
反射的にわたしは、川島さんの方にからだを伸ばし、その唇に自分の唇を押し当てた。
つづく
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