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level 27
「意地を捨てて歩み寄るのは、難しいです」
引き受けたからには、いい加減なことはしたくない。
ネットを検索したり、ウエディング情報誌を買ったりして、わたしはブライズメイドというのがどんなものなのか、予習しておいた。
『ブライズメイド』
そもそも中世のヨーロッパで、幸せを妬む悪魔から花嫁を守る目くらまし役として、未婚の姉妹や友人たちが、花嫁と同じようなドレスを着て、悪魔を攪乱させたことが起源らしい。
今では、優花さんが言ったように、花嫁のドレス選びや結婚式の準備、式の準備に追われる花嫁の精神的なサポートをする役割を担っている。
挙式前にはブライダルシャワーという、花嫁とブライズメイドたちだけで、花嫁を祝福する女子会のようなものをやったり、挙式当日はドレスの着付けや、花嫁が動きやすいようにベールやドレスのトレーンを整えたりと、花嫁の近くにいて介添をするのだ。
ブライズメイドと同じように、花婿のアテンドをするのが、『グルームズマン』。
こちらはタキシード姿で、ブライズメイドと人数を合わせる。
一般的に、ブライズメイドやグルームズマンは、2人から5人程度選ばれるけど、人数が多い程ステイタスが高いらしい。
なにより、可愛いドレスを纏ったブライズメイドや、かっこいいタキシード姿のグルームズマンたちが、新郎新婦を囲んでるってシチュエーションが、おしゃれで素敵。
映画の影響もあって、最近日本でも知られはじめているらしいけど、流行モノにめざとい優花さんが好みそうな演出だ。
「よっ、よろしくお願いしますです。みっ、美月姫 ((((*^▽^*)」
そして今日の、優花さんの前撮りの日。
花嫁のヘアメイク係、兼、ブライズメイドのひとりとして、桃李さんも来ていた。
『桃李さんにもヘアメイクとブライズメイドをお願いした』と、事前に優花さんから聞いてはいた。
久しぶりの再会。
あの日以来の…
わたしと同じ、真っ白なレースアップミニドレスを纏った桃李さんは、おそるおそるわたしの前に立ち、深々と頭を下げてきた。
「あの、、 美月姫のそのドレス姿。コスプレと違って、これまた清楚でお似合いで、やはり桃李は、美月姫のことをお慕い申し上げてます。どんなに、きっ、嫌われたとしても...(´З`)」
「桃李さん、、」
「はっ。はい。な、なんでしょうか... ガクガク(((i;・´ω`・人・´ω`・;i)))ブルブル; 」
次になにを言われるかと、怯えるように肩をすくめた桃李さんに、わたしは深々と頭を下げた。
「わたしの方こそ、いつかのことは、、、 ごめんなさい」
「はゎ?」
「あれからいろいろ考えて、よくわかりました。
桃李さんは、わたしにないものをたくさん持っていて、ほんとうに素敵な方だと思いました」
「…」
「こ、これからもずっと、、、 友達でいてください」
今日の前撮りの日に桃李さんと会うと聞いてから、『言おう』と決めていた台詞だった。
だけど、意地を捨てて、相手に歩み寄るのって、難しい。
何度も心のなかで練習していたというのに、実際に口にすると、恥ずかしくて、思わず吃ってしまう。
こうやって、人に頭を下げるのも、はじめての経験。
ぎこちないながらも、わたしはそう言って桃李さんに微笑み返し、手を差し出した。
「…」
しばらくはなにも言わず、桃李さんは突っ立っているだけだった。
わたしの予想外のリアクションに、戸惑ってしまったのかもしれない。
だけど、わたしの手を両手でぎゅっと握った桃李さんは、肩を震わせて泣いて、何度も何度も謝って、お礼を言ってくれた。
謝んなきゃいけないのは、わたしの方だったのに。
つづく
ネットを検索したり、ウエディング情報誌を買ったりして、わたしはブライズメイドというのがどんなものなのか、予習しておいた。
『ブライズメイド』
そもそも中世のヨーロッパで、幸せを妬む悪魔から花嫁を守る目くらまし役として、未婚の姉妹や友人たちが、花嫁と同じようなドレスを着て、悪魔を攪乱させたことが起源らしい。
今では、優花さんが言ったように、花嫁のドレス選びや結婚式の準備、式の準備に追われる花嫁の精神的なサポートをする役割を担っている。
挙式前にはブライダルシャワーという、花嫁とブライズメイドたちだけで、花嫁を祝福する女子会のようなものをやったり、挙式当日はドレスの着付けや、花嫁が動きやすいようにベールやドレスのトレーンを整えたりと、花嫁の近くにいて介添をするのだ。
ブライズメイドと同じように、花婿のアテンドをするのが、『グルームズマン』。
こちらはタキシード姿で、ブライズメイドと人数を合わせる。
一般的に、ブライズメイドやグルームズマンは、2人から5人程度選ばれるけど、人数が多い程ステイタスが高いらしい。
なにより、可愛いドレスを纏ったブライズメイドや、かっこいいタキシード姿のグルームズマンたちが、新郎新婦を囲んでるってシチュエーションが、おしゃれで素敵。
映画の影響もあって、最近日本でも知られはじめているらしいけど、流行モノにめざとい優花さんが好みそうな演出だ。
「よっ、よろしくお願いしますです。みっ、美月姫 ((((*^▽^*)」
そして今日の、優花さんの前撮りの日。
花嫁のヘアメイク係、兼、ブライズメイドのひとりとして、桃李さんも来ていた。
『桃李さんにもヘアメイクとブライズメイドをお願いした』と、事前に優花さんから聞いてはいた。
久しぶりの再会。
あの日以来の…
わたしと同じ、真っ白なレースアップミニドレスを纏った桃李さんは、おそるおそるわたしの前に立ち、深々と頭を下げてきた。
「あの、、 美月姫のそのドレス姿。コスプレと違って、これまた清楚でお似合いで、やはり桃李は、美月姫のことをお慕い申し上げてます。どんなに、きっ、嫌われたとしても...(´З`)」
「桃李さん、、」
「はっ。はい。な、なんでしょうか... ガクガク(((i;・´ω`・人・´ω`・;i)))ブルブル; 」
次になにを言われるかと、怯えるように肩をすくめた桃李さんに、わたしは深々と頭を下げた。
「わたしの方こそ、いつかのことは、、、 ごめんなさい」
「はゎ?」
「あれからいろいろ考えて、よくわかりました。
桃李さんは、わたしにないものをたくさん持っていて、ほんとうに素敵な方だと思いました」
「…」
「こ、これからもずっと、、、 友達でいてください」
今日の前撮りの日に桃李さんと会うと聞いてから、『言おう』と決めていた台詞だった。
だけど、意地を捨てて、相手に歩み寄るのって、難しい。
何度も心のなかで練習していたというのに、実際に口にすると、恥ずかしくて、思わず吃ってしまう。
こうやって、人に頭を下げるのも、はじめての経験。
ぎこちないながらも、わたしはそう言って桃李さんに微笑み返し、手を差し出した。
「…」
しばらくはなにも言わず、桃李さんは突っ立っているだけだった。
わたしの予想外のリアクションに、戸惑ってしまったのかもしれない。
だけど、わたしの手を両手でぎゅっと握った桃李さんは、肩を震わせて泣いて、何度も何度も謝って、お礼を言ってくれた。
謝んなきゃいけないのは、わたしの方だったのに。
つづく
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