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「きわどいことまでやって誘惑したんですか?」
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「やっほー、美月さん。
しばらくイベント来てなかったけど、元気だった?
大学の前期日程試験、終わったばかりでしょ。
受験の合間にブライズメイドだなんて、大変だろうけど、美月さんだったらこなせそうな気がするわぁ」
恋子さんが遅れてやってきて、優花さんから手渡されたブライズメイドのドレスを見て、歓声をあげる。
「へぇ~~。これがあたしたちが着る衣装かぁ。背中が編み上げになってて可愛いじゃん。
それで、ブライズメイドはあたしと桃李さんと、美月さんの三人?」
「そうよ。なんだかんだでこのメンツなら、気心知れてて居心地いいし、美少女率が高いしね」
「確かに。コスプレで合わせした仲だしね」
そう言いながら、恋子さんはドレスに着替える。
頭のてっぺんで髪を結び、おでこを出しているせいで、太い眉が強調されて、いつもよりさらに気が強そうに見える。
「そうそう。ずっと美月さんに訊こうと思ってたことがあるんだけど」
鏡に向かって髪を整えていた恋子さんは、唐突に切り出した。
「美月さん、ヨシキさんと別れたんだって?」
「…」
一瞬、桃李さんと優花さんの顔がこわばった。
そんなことにはお構いなく、恋子さんは続ける。
「ヨシキさんから聞き出したのよ。あなたたち、つきあってたんだって?」
「ええ。去年の夏からセンター試験の一週間前まで」
平然とした顔で答えるわたしに、恋子さんは大きくうなづく。
「ふぅ~ん。どうりで、ね」
「どうりで、って?」
「どんなにあたしがモーションかけても、ヨシキさん、全然なびかないんだもん。けっこー、きわどいことまでやって誘惑したんだけどな」
きわどい誘惑って、、、
恋子さんがどんな手を使ったのか、なんとなく想像できる。
唖然としているわたしに、恋子さんはあっけらかんと言った。
「ま。美月さんがカノジョだったんじゃ、それも納得だわ」
「ヨシキさん、わたしたちのことをペラペラ喋ったんですか?」
「カマかけてやったのよ。『美月さんから直接聞いた』って。そしたらやっと、認めたわ。
あいつ、意外と口が固くて、自分のこととか全然話さないでしょ。
ヨシキさんってチャラそうに見えるけど、意外と闇を抱えてる感じなのよね~。
ってか、自分の暗い過去をおちゃらけて、誤魔化してる道化の臭いがする。
まあ、そこがある種の魅力なんだけどね」
「わたしももう、その『暗い過去』の一部になったと思います」
「あはは、そっか~。まあ、あたしも、美月さんの次ってのは、なにかと較べられてやりにくいだろうから、ヨシキさんのことは諦めるわ」
「恋子さん…」
「大丈夫だって。あたし、切り替え早い方だから。
あと、この話はここにいる四人だけのオフレコよ。絶対ネットとかに流しちゃダメだからね。
ただでさえヨシキさん、ネットで叩かれてるのに、これ以上ネタを投下するの可哀想だし、美月さんにしても、変なスキャンダルで、清純イメージ壊されるの、マイナスにしかならないでしょ」
「恋子さんは、そこまでヨシキさんと美月姫のこと、考えてくださってたんですね~(=⌒▽⌒=)
桃李、感謝の嵐ですヾ(*´∀`*)ノ」
「だって、友達じゃん。当然でしょ」
さらりと恋子さんが言った。
『友達』か…
なんだか、ジンとくる言葉。
わたし、人からそういう風に言われたことなんて、今までなかったから。
そのときだった。
コツコツとブライズルームのドアがノックされたかと思うと、カジュアルなシャツとパンツにジャケットを羽織ったの男の人が、勢いよく入ってきた。
「ちぃ~っす。この度はおめでとうございまっす。前撮りと当日の撮影を担当させてもらいます、カメラマンヨシキっす。よろしくお願いしゃ~~っス!!」
つづく
しばらくイベント来てなかったけど、元気だった?
大学の前期日程試験、終わったばかりでしょ。
受験の合間にブライズメイドだなんて、大変だろうけど、美月さんだったらこなせそうな気がするわぁ」
恋子さんが遅れてやってきて、優花さんから手渡されたブライズメイドのドレスを見て、歓声をあげる。
「へぇ~~。これがあたしたちが着る衣装かぁ。背中が編み上げになってて可愛いじゃん。
それで、ブライズメイドはあたしと桃李さんと、美月さんの三人?」
「そうよ。なんだかんだでこのメンツなら、気心知れてて居心地いいし、美少女率が高いしね」
「確かに。コスプレで合わせした仲だしね」
そう言いながら、恋子さんはドレスに着替える。
頭のてっぺんで髪を結び、おでこを出しているせいで、太い眉が強調されて、いつもよりさらに気が強そうに見える。
「そうそう。ずっと美月さんに訊こうと思ってたことがあるんだけど」
鏡に向かって髪を整えていた恋子さんは、唐突に切り出した。
「美月さん、ヨシキさんと別れたんだって?」
「…」
一瞬、桃李さんと優花さんの顔がこわばった。
そんなことにはお構いなく、恋子さんは続ける。
「ヨシキさんから聞き出したのよ。あなたたち、つきあってたんだって?」
「ええ。去年の夏からセンター試験の一週間前まで」
平然とした顔で答えるわたしに、恋子さんは大きくうなづく。
「ふぅ~ん。どうりで、ね」
「どうりで、って?」
「どんなにあたしがモーションかけても、ヨシキさん、全然なびかないんだもん。けっこー、きわどいことまでやって誘惑したんだけどな」
きわどい誘惑って、、、
恋子さんがどんな手を使ったのか、なんとなく想像できる。
唖然としているわたしに、恋子さんはあっけらかんと言った。
「ま。美月さんがカノジョだったんじゃ、それも納得だわ」
「ヨシキさん、わたしたちのことをペラペラ喋ったんですか?」
「カマかけてやったのよ。『美月さんから直接聞いた』って。そしたらやっと、認めたわ。
あいつ、意外と口が固くて、自分のこととか全然話さないでしょ。
ヨシキさんってチャラそうに見えるけど、意外と闇を抱えてる感じなのよね~。
ってか、自分の暗い過去をおちゃらけて、誤魔化してる道化の臭いがする。
まあ、そこがある種の魅力なんだけどね」
「わたしももう、その『暗い過去』の一部になったと思います」
「あはは、そっか~。まあ、あたしも、美月さんの次ってのは、なにかと較べられてやりにくいだろうから、ヨシキさんのことは諦めるわ」
「恋子さん…」
「大丈夫だって。あたし、切り替え早い方だから。
あと、この話はここにいる四人だけのオフレコよ。絶対ネットとかに流しちゃダメだからね。
ただでさえヨシキさん、ネットで叩かれてるのに、これ以上ネタを投下するの可哀想だし、美月さんにしても、変なスキャンダルで、清純イメージ壊されるの、マイナスにしかならないでしょ」
「恋子さんは、そこまでヨシキさんと美月姫のこと、考えてくださってたんですね~(=⌒▽⌒=)
桃李、感謝の嵐ですヾ(*´∀`*)ノ」
「だって、友達じゃん。当然でしょ」
さらりと恋子さんが言った。
『友達』か…
なんだか、ジンとくる言葉。
わたし、人からそういう風に言われたことなんて、今までなかったから。
そのときだった。
コツコツとブライズルームのドアがノックされたかと思うと、カジュアルなシャツとパンツにジャケットを羽織ったの男の人が、勢いよく入ってきた。
「ちぃ~っす。この度はおめでとうございまっす。前撮りと当日の撮影を担当させてもらいます、カメラマンヨシキっす。よろしくお願いしゃ~~っス!!」
つづく
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