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「霧が晴れ渡ったみたいに清々しい気分です」
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大げさな桃李さんの言葉に、ヨシキさんも悪ノリする。
「この優花ちゃんのウエディングドレス姿こそ、究極のコスプレかもしれないな。それを飾る凛子ちゃんと恋子ちゃん、それに桃李ちゃんのブライズメイドコスなんて、最高の合わせじゃん。萌えまくりだよ!」
「え~。ヨシキさん、花嫁姿がコスプレだなんてひど~い。でもまあ、そうとも言えるかも」
「ははは。せっかくだから、花嫁の口紅をさしてるシーン、撮らせてくれよ。
桃李ちゃん、フリでいいから優花さんの正面から、口紅を描いてるポーズして」
「了解でっす☆ 花嫁さんの鉄板シーンですね キャー━━゚.+:。ヽU゚Д゚Uノ゚.+:。━━!!
そんなこともあろうかと、桃李も準備万端でっす (。・ω・。)ィェィ♪」
化粧箱から紅筆を取り出した桃李さんは、優花さんの前に立つと、紅筆をさらりと優花さんの唇に持っていき、左手を添えてピタリと止めた。
はじめて気がついた。
桃李さんの指って、すっと細く伸びていて、爪の形もとっても綺麗。
うっすらと塗られた桃真珠のネイルが、つややかに光を照り返していて、出しゃばることなく、控えめにさりげなく、花嫁さんの艶やかさを引き立てている。
こんな細かいところにまで気が回るなんて、やっぱり桃李さんってすごい。
わたしも見習わなきゃな。
「優花ちゃん少し伏せ目にしてみて。
いいよいいよ。すっごい色っぽい。桃李ちゃんのネイルがいい味を添えてるな」
ファインダーをのぞきながら、ヨシキさんが指示を飛ばす。
わたしの横に回り込んで、ヨシキさんは立て続けにシャッターを切った。
カメラを構えたとき、スーツのジャケットが広がって、ズボンのベルトが見えた。
あ、、、
外からは見えなかったけど、ベルトに通されたポーチを腰につけている。
これは、、、
わたしがクリスマスプレゼントにあげた、カメラ用のブルーのポーチ。
ちゃんと、使ってくれていたんだ。
わたしの視線がポーチに吸いついているのを察しらしい。
「ありがとな。重宝してるよ。予備バッテリーとか電池とか、スマホとかも入れるのに。
婚礼撮影のときとか、スーツのポケットにガチャガチャ小物入れて、膨れるのは不格好だもんな」
そう言ったヨシキさんは、ポンとポーチに手をやった。
そういうのは、なんだか嬉しい。
ヨシキさんのなかで、わたしがまだ存在している気がして。
ひとしきり撮り終えたヨシキさんは、カメラのモニターを確認しながら言う。
「おし。完璧!
優花ちゃん、今日はカメラマンに呼んでくれてありがとな。オレも最高の写真を撮ってやるから、みんな楽しみにしとけよ!」
「こちらこそお願いしま~す!」
「あたしもちゃんと撮ってよね!」
「わたしも期待してますぅ (ж>▽<)y ☆
優花さんの素敵なお写真、いっぱいいっぱい撮って、わたしを萌え死にさせて下さい Y(>_<、)Y」
「桃李ちゃんのブライズメイドもしっかり残しといてやるよ。もちろん恋子ちゃんと凛子ちゃんのもな」
「てへ~~~ ꒰◍ˊ◡ˋ꒱੭ु⁾⁾♡」
「お願いします」
優花さんも桃李さんも、そして恋子さんも、ふだんよりひときわ明るい表情で、今日の良き日を楽しんでいる。
未練とか、心残りとか言うのは、もうやめよう。
心のなかに立ちこめていたすべてのモヤモヤとした霧が、綺麗に晴れ渡ったみたいに、今は清々しい気分。
新しい一歩を踏み出せる予感がする。
“コツコツ”
そのとき、ブライズルームのドアをノックする音が聞こえ、アテンドの女性が顔を出した。
つづく
「この優花ちゃんのウエディングドレス姿こそ、究極のコスプレかもしれないな。それを飾る凛子ちゃんと恋子ちゃん、それに桃李ちゃんのブライズメイドコスなんて、最高の合わせじゃん。萌えまくりだよ!」
「え~。ヨシキさん、花嫁姿がコスプレだなんてひど~い。でもまあ、そうとも言えるかも」
「ははは。せっかくだから、花嫁の口紅をさしてるシーン、撮らせてくれよ。
桃李ちゃん、フリでいいから優花さんの正面から、口紅を描いてるポーズして」
「了解でっす☆ 花嫁さんの鉄板シーンですね キャー━━゚.+:。ヽU゚Д゚Uノ゚.+:。━━!!
そんなこともあろうかと、桃李も準備万端でっす (。・ω・。)ィェィ♪」
化粧箱から紅筆を取り出した桃李さんは、優花さんの前に立つと、紅筆をさらりと優花さんの唇に持っていき、左手を添えてピタリと止めた。
はじめて気がついた。
桃李さんの指って、すっと細く伸びていて、爪の形もとっても綺麗。
うっすらと塗られた桃真珠のネイルが、つややかに光を照り返していて、出しゃばることなく、控えめにさりげなく、花嫁さんの艶やかさを引き立てている。
こんな細かいところにまで気が回るなんて、やっぱり桃李さんってすごい。
わたしも見習わなきゃな。
「優花ちゃん少し伏せ目にしてみて。
いいよいいよ。すっごい色っぽい。桃李ちゃんのネイルがいい味を添えてるな」
ファインダーをのぞきながら、ヨシキさんが指示を飛ばす。
わたしの横に回り込んで、ヨシキさんは立て続けにシャッターを切った。
カメラを構えたとき、スーツのジャケットが広がって、ズボンのベルトが見えた。
あ、、、
外からは見えなかったけど、ベルトに通されたポーチを腰につけている。
これは、、、
わたしがクリスマスプレゼントにあげた、カメラ用のブルーのポーチ。
ちゃんと、使ってくれていたんだ。
わたしの視線がポーチに吸いついているのを察しらしい。
「ありがとな。重宝してるよ。予備バッテリーとか電池とか、スマホとかも入れるのに。
婚礼撮影のときとか、スーツのポケットにガチャガチャ小物入れて、膨れるのは不格好だもんな」
そう言ったヨシキさんは、ポンとポーチに手をやった。
そういうのは、なんだか嬉しい。
ヨシキさんのなかで、わたしがまだ存在している気がして。
ひとしきり撮り終えたヨシキさんは、カメラのモニターを確認しながら言う。
「おし。完璧!
優花ちゃん、今日はカメラマンに呼んでくれてありがとな。オレも最高の写真を撮ってやるから、みんな楽しみにしとけよ!」
「こちらこそお願いしま~す!」
「あたしもちゃんと撮ってよね!」
「わたしも期待してますぅ (ж>▽<)y ☆
優花さんの素敵なお写真、いっぱいいっぱい撮って、わたしを萌え死にさせて下さい Y(>_<、)Y」
「桃李ちゃんのブライズメイドもしっかり残しといてやるよ。もちろん恋子ちゃんと凛子ちゃんのもな」
「てへ~~~ ꒰◍ˊ◡ˋ꒱੭ु⁾⁾♡」
「お願いします」
優花さんも桃李さんも、そして恋子さんも、ふだんよりひときわ明るい表情で、今日の良き日を楽しんでいる。
未練とか、心残りとか言うのは、もうやめよう。
心のなかに立ちこめていたすべてのモヤモヤとした霧が、綺麗に晴れ渡ったみたいに、今は清々しい気分。
新しい一歩を踏み出せる予感がする。
“コツコツ”
そのとき、ブライズルームのドアをノックする音が聞こえ、アテンドの女性が顔を出した。
つづく
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