初恋 〜3season

茉莉 佳

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june 6

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いや。

酒井亜希子は小柄でスレンダーなのに、胸は大きくウエストはキュッとくびれて、お尻もグイッと突き出したダイナミックなボディをしてる上に、顔も可愛い部類の女の子だ。
部活中でも、彼女に見とれてる男子は何人もいる。
手足をいっぱいに伸ばし、一生懸命ボールを追っかけるそのプレースタイルは、ひたむきで思い切りがよくて、とっても魅力的だ。
走る度に、たわわな胸がプルプルと揺れる。
そんな彼女を『見たい』と思うのは、男としては自然な反応だろう。
特にこんなセクシーなカッコなんかされると、『見るな』と言う方が無理な話だ。
『男物のシャツを羽織る』とかは、女の子の萌えシチュエーションの定番だと聞いた事があるが、それもよくわかる。見えない事で、逆に妄想をかきたてられるのだ。
だけど、そんな気持ちで見ているのがバレると、こいつからはなにを言われるか、わかったもんじゃない。

『先輩、イヤらしい目で見ないで下さい! 気持ち悪い!』

そう怒られて、余計嫌われるに決まってる。

でも…
やっぱり、見たい!
酒井がなにかする度に、ぼくは彼女に気取られない様に注意しながら、彼女の肢体を盗み見た。

靴下を直すのに、酒井は前屈みになった。
その瞬間、Tシャツの裾からパンツがかなり露出する。
ブラジャーとお揃いの、ドット模様の白いパンツ。

『よしっ!』

心の中で小さくガッツポーズ!
意味不明の達成感。
ぼくのあそこが、またひとつドクンと脈打って、大きく膨らんだ。

「きゃっ!」

その直後、叫び声を上げて、酒井はペタンと床に尻もちをついた。
どうやら、彼女が病室に入ってきた時に落とした水滴で、リノリウムの床が滑りやすくなっていた様で、そこで足をとられて転んだらしい。

「痛った~い!」

尻もちをついたまま、酒井は顔を歪める。

「大丈夫?」

反射的にそう言って彼女を見たぼくの目に、床に手をついて脚をこちらに投げ出し、股間に複雑な皺を描いたドット柄のパンツを丸見せにしている姿が、飛び込んできた。

ヤバい。
どこに視線をやっていいかわからない。
彼女も自分の痴態に気づいたらしく、真っ赤になって慌てて立ち上がる。

「す、すみません。変な声出して…」

ぼくの顔も見ずに酒井は言い、バツが悪そうに言葉を探す。

「まだ、服乾かないかなぁ…」

そう言ったきり、彼女はぼくに背中を向けてしまった。

なんだかそんな姿が可愛い。
ふだんはパンツが見えるのなんてお構いなしに、大股広げてボールを追っかけてるくせに、こんな事で恥じらうなんて。(テニスウェアの下にはいているパンツは、正確には『アンダースコート』って言う『見せパン』なんだけど)

気まずく沈黙してた酒井は、服が乾いたと見ると、また、『先輩、あっち向いてて下さい』と、怒る様な口調で言って、さっさと制服に着替えてしまった。

「先輩。このTシャツ、洗ってきます」

着ていたディープパープルのTシャツを折り畳みながら、酒井は言った。

「いいよ。あまり着てなかったし」
「そうはいきません。汗かいてたし、転んだ時に濡れちゃったし… 今度来る時に持ってきます」
「そう?」
「じゃあ、今日はもう帰ります」

Tシャツをすばやく鞄に仕舞うと、ろくにぼくの顔も見ずに、酒井は頭を下げて部屋を出ていった。


 そんなハプニングのあった夜。
ぼくはなかなか寝つけなかった。

あられもない酒井の太ももやお尻、そして、一瞬垣間見えた、ふっくらと盛り上がって微妙なひだの交錯した、パンツの股間。
それらが目の奥に焼きつき、頭がクラクラするくらいに強烈でかぐわしい彼女の汗の匂いといっしょくたになって、ぼくの下半身をたかめる。
さっきの光景を思い浮かべながら、右手は自然と自分のあそこをまさぐり、いつの間にかパンツをずらしていた。
固くなったモノを握りしめ、酒井のパンツの中身を想像しながらこすっていく。
下半身が痺れる様に熱くなり、手の上下運動が妄想のヒートアップとともに速くなっていく。

………床で滑った酒井はぼくと目を合わせ、座り込んだまま意味深に微笑み返す。
お尻を浮かしてゆっくりと目の前でパンツを太ももまでずり下げると、大きく脚を広げる。脚の間の奥まった場所には、黒々としたヘア。その奥に隠された、秘密の割れ目。
そこを二本の指で広げた彼女は、微かに唇を緩め、うっとりと誘う様に、ぼくを見つめる。
あそこからしたたるしずくは、ねっとりと糸を引き、強烈なフェロモンの香りを漂わせている。たまらずぼくは彼女に覆いかぶさり、熱く昂った自分のものを、割れ目の奥へと埋めていく。
ふたりの汗が交わり、ぼくの動きに合わせて酒井は腰を振り、可愛いよがり声をあげる。
Tシャツをめくると、ボールの様な大きなおっぱいがはじけ出し、腰の動きに合わせてぶつかりあって、たわわに揺れている。
『はぁはぁ』と呼吸が速くなっていき、次第に快感が高まって、背中がのけぞる………

「うっ」

大きな快感のピークが訪れ、真っ白な液をほとばしらせて、ぼくの妄想は終わった。

つづく
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