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05 Love Affair
Love Affair 12
affair5
その次に川島君に会うのは、日曜日のサークルの集まりの予定だった。
駅前のマックに向かう足が、自然と速くなる。
今日の集会が終わったら、わたしの方から川島君を誘って、どこかの喫茶店でアフターでもして、気持ちを告げよう。
そう決心したわたしは、お気に入りの服に袖を通し、メイクも念入りにして、早めに家を出た。
店に着くと、高ぶる気持ちを落ち着かせるために、ホットココアを注文し、窓辺のカウンターに腰をおろして、外の景色を眺めながら、みんなが来るのを待った。
最初にやって来たメンバーは、意外にも蘭恵美さんだった。
わたしと目が合った彼女は、前回と同じように『おや?』という不思議そうな顔をして、わたしのつま先から頭のてっぺんまでしげしげと眺めたあと、隣に座ってきた。
今日の彼女は、胸元の開いたピンクとギンガムチェックのカットソーを重ね着し、フレアたっぷりのミニスカートにオーバーニーソックスと、こないだ見た制服姿よりも、さらに可愛いらしくておしゃれな格好。
チラリとのぞく胸のふくらみや、ミニスカートとソックスの間にできた素脚の領域が、女のわたしから見ても、色っぽくてドギマギしてしまう。やっぱり可愛い子だなぁ。
「先輩。川島先輩のこと、どう思います?」
並んで外の景色を眺めながら、黙ってジュースを飲んでいた蘭さんは、わたしの顔も見ず、いきなり訊ねてきた。
「え?」
「川島先輩。優しいし、頭いいし、行動力あるし、ルックスも割といいじゃないですか。先輩は、どう思います?」
「わ、わたしは、別に、ただの同級生だし…」
突然の質問に、思わず答えをはぐらかしてしまう。
「へぇ~。そうなんですか。わたしてっきり、先輩は川島先輩のこと、好きなんだと思ってました」
「えっ。そ、そんなことないけど…」
「じゃあ、わたしが川島先輩のこと、好きでもいいですよね」
「ええっ?」
今日のわたしのシナリオになかった、意外な展開。
「でも川島君と蘭さんって、ただのカメラマンとモデルなんでしょ?」
「わたし、それで終わらせる気、ないんです」
「…」
この子…
どうしてわたしに、こんなストレートなこと言うのかしら?
椅子から浮いた脚をぷらぷら揺らし、蘭さんは手持ち無沙汰にストローを噛みながら、続けた。
「だいたい、好きじゃないと、モデルになんか誘えないんじゃないですか?」
「それは、そうだと思うけど」
「『ぼくのモデルになってほしい』って、川島先輩の方から、熱心に誘ってきたんですよ。
先輩は『モデルとして割り切ってる』なんて言って誤摩化してるけど、恋愛感情がないと、あんなに素敵な写真を撮るのって、無理だと思うんです。弥生先輩もそう思いませんか?」
「えっ? ええ。そう、かも…」
「川島先輩、わたしのことが、絶対好きなんですよ。
でも照れ屋さんだから、『割り切ってる』なんて言って、誤魔化そうとしてるんですよ。やっぱりわたしの方から、背中を押してあげなきゃいけないんですかね~」
そう言って彼女はわたしの顔を見て、意味深に微笑んだ。
…すごい自信。
確かに蘭さんって可愛くって魅力的だけど、そこまで言い切れるのはすごい。
その言葉にも説得力があるような気がして、わたしの決心もグラついてくる。
「協力してくれません?」
唐突に蘭さんは言った。
「き、協力?」
「わたし、告白しようと思ってるんです」
「えっ?!」
「弥生先輩にもそれ、手伝ってほしいんです。弥生先輩と川島先輩、仲いいし、先輩が味方になってくれれば、うまくいくんじゃないかと思うんですよ」
「え? わたしなんて、なにもできないと思うけど」
「ダメですか?」
「いや。ダメってわけじゃないけど…」
「じゃあ、お願いできるんですね」
有無を言わさないような蘭さんの言葉に、わたしの意志とはまったく違う方向に、話が流れていってる。
そんなところに、悠姫ミノルさんと松尾さんがやってきた。
「じゃあ、先輩。よろしくお願いします」
そう言い残して、蘭さんはふたりの側に駆け寄った。
そのあとすぐみんなが揃って、蘭さんとその話をする機会はなくなってしまった。
つづく
その次に川島君に会うのは、日曜日のサークルの集まりの予定だった。
駅前のマックに向かう足が、自然と速くなる。
今日の集会が終わったら、わたしの方から川島君を誘って、どこかの喫茶店でアフターでもして、気持ちを告げよう。
そう決心したわたしは、お気に入りの服に袖を通し、メイクも念入りにして、早めに家を出た。
店に着くと、高ぶる気持ちを落ち着かせるために、ホットココアを注文し、窓辺のカウンターに腰をおろして、外の景色を眺めながら、みんなが来るのを待った。
最初にやって来たメンバーは、意外にも蘭恵美さんだった。
わたしと目が合った彼女は、前回と同じように『おや?』という不思議そうな顔をして、わたしのつま先から頭のてっぺんまでしげしげと眺めたあと、隣に座ってきた。
今日の彼女は、胸元の開いたピンクとギンガムチェックのカットソーを重ね着し、フレアたっぷりのミニスカートにオーバーニーソックスと、こないだ見た制服姿よりも、さらに可愛いらしくておしゃれな格好。
チラリとのぞく胸のふくらみや、ミニスカートとソックスの間にできた素脚の領域が、女のわたしから見ても、色っぽくてドギマギしてしまう。やっぱり可愛い子だなぁ。
「先輩。川島先輩のこと、どう思います?」
並んで外の景色を眺めながら、黙ってジュースを飲んでいた蘭さんは、わたしの顔も見ず、いきなり訊ねてきた。
「え?」
「川島先輩。優しいし、頭いいし、行動力あるし、ルックスも割といいじゃないですか。先輩は、どう思います?」
「わ、わたしは、別に、ただの同級生だし…」
突然の質問に、思わず答えをはぐらかしてしまう。
「へぇ~。そうなんですか。わたしてっきり、先輩は川島先輩のこと、好きなんだと思ってました」
「えっ。そ、そんなことないけど…」
「じゃあ、わたしが川島先輩のこと、好きでもいいですよね」
「ええっ?」
今日のわたしのシナリオになかった、意外な展開。
「でも川島君と蘭さんって、ただのカメラマンとモデルなんでしょ?」
「わたし、それで終わらせる気、ないんです」
「…」
この子…
どうしてわたしに、こんなストレートなこと言うのかしら?
椅子から浮いた脚をぷらぷら揺らし、蘭さんは手持ち無沙汰にストローを噛みながら、続けた。
「だいたい、好きじゃないと、モデルになんか誘えないんじゃないですか?」
「それは、そうだと思うけど」
「『ぼくのモデルになってほしい』って、川島先輩の方から、熱心に誘ってきたんですよ。
先輩は『モデルとして割り切ってる』なんて言って誤摩化してるけど、恋愛感情がないと、あんなに素敵な写真を撮るのって、無理だと思うんです。弥生先輩もそう思いませんか?」
「えっ? ええ。そう、かも…」
「川島先輩、わたしのことが、絶対好きなんですよ。
でも照れ屋さんだから、『割り切ってる』なんて言って、誤魔化そうとしてるんですよ。やっぱりわたしの方から、背中を押してあげなきゃいけないんですかね~」
そう言って彼女はわたしの顔を見て、意味深に微笑んだ。
…すごい自信。
確かに蘭さんって可愛くって魅力的だけど、そこまで言い切れるのはすごい。
その言葉にも説得力があるような気がして、わたしの決心もグラついてくる。
「協力してくれません?」
唐突に蘭さんは言った。
「き、協力?」
「わたし、告白しようと思ってるんです」
「えっ?!」
「弥生先輩にもそれ、手伝ってほしいんです。弥生先輩と川島先輩、仲いいし、先輩が味方になってくれれば、うまくいくんじゃないかと思うんですよ」
「え? わたしなんて、なにもできないと思うけど」
「ダメですか?」
「いや。ダメってわけじゃないけど…」
「じゃあ、お願いできるんですね」
有無を言わさないような蘭さんの言葉に、わたしの意志とはまったく違う方向に、話が流れていってる。
そんなところに、悠姫ミノルさんと松尾さんがやってきた。
「じゃあ、先輩。よろしくお願いします」
そう言い残して、蘭さんはふたりの側に駆け寄った。
そのあとすぐみんなが揃って、蘭さんとその話をする機会はなくなってしまった。
つづく
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