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11 Audition
Audition 6
RRRRR… RRRRR… RRR…
そのとき、ローチェストに置いてあった電話が鳴った。 みっこは紅茶の入ったメリオールをテーブルの上に置くと、急いで電話に出る。
「はい」
「そうです。お世話になっています」
「はい… はい… わかりました。わざわざご連絡くださり、ありがとうございます」
「はい。ご期待に沿うよう頑張りますので、こちらこそ、よろしくお願いいたします」
はきはきとした業務口調から、それがビジネス関係の電話だと想像つく。
「はい。失礼いたします」
電話を切ったみっこは、わたしたちにVサインを送って、ニッコリ微笑む。
「やったわ」
「え? みっこ、なんだったの?」
「あたし、今年のアルディア化粧品の、夏キャンモデルに決まったわ」
「ええっ? アルディア化粧品の?!」
『夏キャン』って、サマーキャンペーンのことでしょ? みこちゃん、すっごぉい!!」
「サマーキャンペーンでブレイクしたモデルさんって、みんな有名になってるじゃない。みっこすごい!」
「みこちゃんもこれでもう、トップモデル間違いなしね。ヴォーグの表紙もいけそうじゃん!」
突然のできごとに興奮し、わたしとナオミは口々に叫んだ。みっこも嬉しそう。新しい紅茶をみんなのカップに注ぎながら、はずんだ声で説明してくれた。
「去年の暮れに東京でオーディションがあってね。あたしも応募してたの。アルディア化粧品のお仕事は、以前もしたことあったし、化粧品のCFモデルなら身長条件もゆるいし、いけるかなって思ってたけど、ほんとに決まって嬉しいわ」
「でもみっこ、オーディション受けたなんて、ひとことも言ってくれなかったじゃない」
「だって、落ちたら恥ずかしいもん」
みっこは本当に嬉しそうに、ニコニコと満面の微笑みを浮かべながら、新しい紅茶の入ったカップを、口元に運んだ。
そうかぁ。
去年、『あたし。やっぱりモデルをしたい!』って宣言してから、もうみっこはアクション起こしていて、確実にモデルの仕事を再開させていたんだ。
アルディア化粧品のサマーキャンペーンモデルに選ばれて、そこから人気が出て、女優やタレントになったモデルさんは、たくさんいる。
みっこも頑張ってるんだから、わたしも負けられない。
小説書きを、もっと頑張らなくちゃ。
「みこちゃん、ロケはどこでするの? やっぱり外国?」
まるで自分がオーディションに合格したかのように、ウキウキした口調でナオミが訊いてくる。
「まだそこまでわからないわよ」
「いいな~。絶対外国よ。きっとパリよ。パリって化粧品の匂いがぷんぷんするってイメージじゃない」
「ナオミの妄想って、すごいわね」
「CMっていつ頃から流れるんだろ。わたし絶対ビデオにとるわ!」
「もうっ。さつきまで」
みっこのオーディションの話で、わたしたちのお茶会はいっそう盛り上がった。
つづく
そのとき、ローチェストに置いてあった電話が鳴った。 みっこは紅茶の入ったメリオールをテーブルの上に置くと、急いで電話に出る。
「はい」
「そうです。お世話になっています」
「はい… はい… わかりました。わざわざご連絡くださり、ありがとうございます」
「はい。ご期待に沿うよう頑張りますので、こちらこそ、よろしくお願いいたします」
はきはきとした業務口調から、それがビジネス関係の電話だと想像つく。
「はい。失礼いたします」
電話を切ったみっこは、わたしたちにVサインを送って、ニッコリ微笑む。
「やったわ」
「え? みっこ、なんだったの?」
「あたし、今年のアルディア化粧品の、夏キャンモデルに決まったわ」
「ええっ? アルディア化粧品の?!」
『夏キャン』って、サマーキャンペーンのことでしょ? みこちゃん、すっごぉい!!」
「サマーキャンペーンでブレイクしたモデルさんって、みんな有名になってるじゃない。みっこすごい!」
「みこちゃんもこれでもう、トップモデル間違いなしね。ヴォーグの表紙もいけそうじゃん!」
突然のできごとに興奮し、わたしとナオミは口々に叫んだ。みっこも嬉しそう。新しい紅茶をみんなのカップに注ぎながら、はずんだ声で説明してくれた。
「去年の暮れに東京でオーディションがあってね。あたしも応募してたの。アルディア化粧品のお仕事は、以前もしたことあったし、化粧品のCFモデルなら身長条件もゆるいし、いけるかなって思ってたけど、ほんとに決まって嬉しいわ」
「でもみっこ、オーディション受けたなんて、ひとことも言ってくれなかったじゃない」
「だって、落ちたら恥ずかしいもん」
みっこは本当に嬉しそうに、ニコニコと満面の微笑みを浮かべながら、新しい紅茶の入ったカップを、口元に運んだ。
そうかぁ。
去年、『あたし。やっぱりモデルをしたい!』って宣言してから、もうみっこはアクション起こしていて、確実にモデルの仕事を再開させていたんだ。
アルディア化粧品のサマーキャンペーンモデルに選ばれて、そこから人気が出て、女優やタレントになったモデルさんは、たくさんいる。
みっこも頑張ってるんだから、わたしも負けられない。
小説書きを、もっと頑張らなくちゃ。
「みこちゃん、ロケはどこでするの? やっぱり外国?」
まるで自分がオーディションに合格したかのように、ウキウキした口調でナオミが訊いてくる。
「まだそこまでわからないわよ」
「いいな~。絶対外国よ。きっとパリよ。パリって化粧品の匂いがぷんぷんするってイメージじゃない」
「ナオミの妄想って、すごいわね」
「CMっていつ頃から流れるんだろ。わたし絶対ビデオにとるわ!」
「もうっ。さつきまで」
みっこのオーディションの話で、わたしたちのお茶会はいっそう盛り上がった。
つづく
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