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15 12月を忘れないで
12月を忘れないで 3
「川島君」
「ん?」
「わたしのこと、好き?」
「当たり前だよ」
「そんな返事じゃなく、ちゃんと言って」
「好きだよ」
「いつから?」
「去年の秋、高校を卒業して、さつきちゃんと再会して… いや。もっと前。
高校二年になって、さつきちゃんと同じクラスになってからかな」
「どうしてわたしを好きになったの?」
「さつきちゃんが、だれよりも可愛かったから」
「ほんとに?」
「ああ」
「じゃあ、わたしのどこが好き?」
「前にも言ったよ」
「また言って」
「全部だよ」
「嫌いなところなんて、ほんとにないの?
「ないよ」
「わたし自身が、自分の嫌いなところ、たくさんあるのに?」
「それを引っくるめて、全部好きだよ」
「嬉しいけど… 嘘っぽい」
「ははは。今のところ、さつきちゃんは満点の彼女だよ」
「今のところ… かぁ」
「これからも、だよ」
「未来のことなんて、わからないじゃない」
「そりゃそうだけど」
「これからもずっと、川島君はわたしのこと、好きでいてくれるかなぁ?」
「当たり前じゃないか」
「よかった」
「今度は、『そんな返事じゃなく』なんて言わないんだな?」
「そうだった。ちゃんと言って」
「これからもさつきちゃんのこと、ずっと好きだよ」
「じゃあ、わたしたちが今からいろいろ約束しても、それはいつまでたっても、意味があることなのね」
「どういうこと?」
「恋人同士の約束って、なんか虚しいじゃない。別れてしまったら、その人と交わした約束なんて、ぜんぶなかったことになっちゃうでしょ」
「まあ… 確かに、な」
「だから… 例えば、『誕生日には毎年花束をあげる』って川島君が約束してくれたら、わたし、来年も再来年も、10年先も、ずっと花束をもらえるってことよね?」
「そうだよ」
「じゃあわたし、川島君といろいろ、約束したい」
「どんな約束?」
「わたしの誕生日には、毎年花束をちょうだい?」
「あはははは… いいよ。プレゼント以外にも、花束をあげるよ」
「それに11月18日は記念日だから、毎年お祝いしましょ?」
「なんの記念日?」
「忘れたの?」
「なわけないよ。ふたりでまた、もみの樹の下に座りたいね」
「ふふ。それもいいわね」
「でも、あそこは女子大のなかだから、さつきちゃんが卒業したら、無理かな?」
「卒業しても,文化祭にはいっしょに行きたいな」
「そうだな」
「ねえ。川島君の誕生日には、なにがほしい?」
「そうだな。とりあえず… さつきちゃんがほしいかな」
「とりあえず?」
「メインディッシュとして」
「もう。エッチなんだから」
「ぼくはいつでも、さつきちゃんがほしいんだよ」
「ふふ。いいわよ。川島君の誕生日には、わたしをあげる」
「誕生日だけ?」
「いつでも」
「さつきちゃん」
「ん?」
「目を閉じて」
「…」
だれもいないなぎさで、川島君はわたしのおしゃべりな唇をふさいだ。
つづく
「ん?」
「わたしのこと、好き?」
「当たり前だよ」
「そんな返事じゃなく、ちゃんと言って」
「好きだよ」
「いつから?」
「去年の秋、高校を卒業して、さつきちゃんと再会して… いや。もっと前。
高校二年になって、さつきちゃんと同じクラスになってからかな」
「どうしてわたしを好きになったの?」
「さつきちゃんが、だれよりも可愛かったから」
「ほんとに?」
「ああ」
「じゃあ、わたしのどこが好き?」
「前にも言ったよ」
「また言って」
「全部だよ」
「嫌いなところなんて、ほんとにないの?
「ないよ」
「わたし自身が、自分の嫌いなところ、たくさんあるのに?」
「それを引っくるめて、全部好きだよ」
「嬉しいけど… 嘘っぽい」
「ははは。今のところ、さつきちゃんは満点の彼女だよ」
「今のところ… かぁ」
「これからも、だよ」
「未来のことなんて、わからないじゃない」
「そりゃそうだけど」
「これからもずっと、川島君はわたしのこと、好きでいてくれるかなぁ?」
「当たり前じゃないか」
「よかった」
「今度は、『そんな返事じゃなく』なんて言わないんだな?」
「そうだった。ちゃんと言って」
「これからもさつきちゃんのこと、ずっと好きだよ」
「じゃあ、わたしたちが今からいろいろ約束しても、それはいつまでたっても、意味があることなのね」
「どういうこと?」
「恋人同士の約束って、なんか虚しいじゃない。別れてしまったら、その人と交わした約束なんて、ぜんぶなかったことになっちゃうでしょ」
「まあ… 確かに、な」
「だから… 例えば、『誕生日には毎年花束をあげる』って川島君が約束してくれたら、わたし、来年も再来年も、10年先も、ずっと花束をもらえるってことよね?」
「そうだよ」
「じゃあわたし、川島君といろいろ、約束したい」
「どんな約束?」
「わたしの誕生日には、毎年花束をちょうだい?」
「あはははは… いいよ。プレゼント以外にも、花束をあげるよ」
「それに11月18日は記念日だから、毎年お祝いしましょ?」
「なんの記念日?」
「忘れたの?」
「なわけないよ。ふたりでまた、もみの樹の下に座りたいね」
「ふふ。それもいいわね」
「でも、あそこは女子大のなかだから、さつきちゃんが卒業したら、無理かな?」
「卒業しても,文化祭にはいっしょに行きたいな」
「そうだな」
「ねえ。川島君の誕生日には、なにがほしい?」
「そうだな。とりあえず… さつきちゃんがほしいかな」
「とりあえず?」
「メインディッシュとして」
「もう。エッチなんだから」
「ぼくはいつでも、さつきちゃんがほしいんだよ」
「ふふ。いいわよ。川島君の誕生日には、わたしをあげる」
「誕生日だけ?」
「いつでも」
「さつきちゃん」
「ん?」
「目を閉じて」
「…」
だれもいないなぎさで、川島君はわたしのおしゃべりな唇をふさいだ。
つづく
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