243 / 300
18 Rip Stick ~before side
Rip Stick 22
そのとたんわたしは、目にした景色に思わず足がすくんで、動けなくなった。
声も出ない。
張りついたように立ちすくみ、目を凝らして、わたしはふたりを見た。
川島祐二と森田美湖が、抱きあっている!
座り込んでいるみっこをかばうように、川島君が両手で抱きしめ、みっこはその背中にしがみつくように、腕を回している。
「好き…」
そう言って森田美湖は、自分のくちびるを川島祐二の口にきつく押しつけていた。彼もみっこの想いを受け入れるように、彼女の頬を両手で包み込む。
信じられない!
「!」
こちらに気がついたみっこは、川島君を跳ねのけると、しゃがみこんだまま背中を向け、両手で乱れたブラウスの胸元を隠す。
なにがなんだかわからず、わたしは今来た方向へ夢中で駆け出そうとした。
「行くなっ!」
川島君が大きな声で、わたしを怒鳴った。
思わず足がすくむ。
彼はみっこの側を離れ、わたしの腕を掴んだ。
「離してっ。イヤッ!」
思いっきりからだをよじって、川島君の腕を振りほどこうとしたが、川島君はわたしの腕を握る手に、さらに力を込めて言った。
「落ち着くんだ!」
「なにを落ち着くのっ? あんなことして!」
「みっこが…」
語尾を震わせながら、そう言ったきり、川島君は黙ってしまう。
わたしはみっこを振り返った。
ブラウスが…
破れている。
ボタンもちぎれ、ブラジャーがあらわになっている。
スカートも泥まみれになっていて、引き裂かれたストッキングと引きちぎられたショーツが、そばに落ちている。
みっこの髪には土と草切れがついていて、頬には痛々しい青あざ。
血の滲んだ手で、みっこは破れたブラウスの胸元を固く握りしめ、わたしの視線を避けるようにして、肩をすぼめてぎゅっと唇を噛み、うつむいていた。
「みっこ…」
彼女の身に起きたことを想像して、わたしは全身の力がいっぺんに抜けてしまい、その場にぐったりと座り込んでしまった。
わたしも泣き出してしまいそう。
なんでこんなことになるの?
わたしたち、もっとうまくいくはずだったじゃない。
絶望と喪失感が頭の中を掻き乱し、わたしも両手で顔を覆った。
つづく
声も出ない。
張りついたように立ちすくみ、目を凝らして、わたしはふたりを見た。
川島祐二と森田美湖が、抱きあっている!
座り込んでいるみっこをかばうように、川島君が両手で抱きしめ、みっこはその背中にしがみつくように、腕を回している。
「好き…」
そう言って森田美湖は、自分のくちびるを川島祐二の口にきつく押しつけていた。彼もみっこの想いを受け入れるように、彼女の頬を両手で包み込む。
信じられない!
「!」
こちらに気がついたみっこは、川島君を跳ねのけると、しゃがみこんだまま背中を向け、両手で乱れたブラウスの胸元を隠す。
なにがなんだかわからず、わたしは今来た方向へ夢中で駆け出そうとした。
「行くなっ!」
川島君が大きな声で、わたしを怒鳴った。
思わず足がすくむ。
彼はみっこの側を離れ、わたしの腕を掴んだ。
「離してっ。イヤッ!」
思いっきりからだをよじって、川島君の腕を振りほどこうとしたが、川島君はわたしの腕を握る手に、さらに力を込めて言った。
「落ち着くんだ!」
「なにを落ち着くのっ? あんなことして!」
「みっこが…」
語尾を震わせながら、そう言ったきり、川島君は黙ってしまう。
わたしはみっこを振り返った。
ブラウスが…
破れている。
ボタンもちぎれ、ブラジャーがあらわになっている。
スカートも泥まみれになっていて、引き裂かれたストッキングと引きちぎられたショーツが、そばに落ちている。
みっこの髪には土と草切れがついていて、頬には痛々しい青あざ。
血の滲んだ手で、みっこは破れたブラウスの胸元を固く握りしめ、わたしの視線を避けるようにして、肩をすぼめてぎゅっと唇を噛み、うつむいていた。
「みっこ…」
彼女の身に起きたことを想像して、わたしは全身の力がいっぺんに抜けてしまい、その場にぐったりと座り込んでしまった。
わたしも泣き出してしまいそう。
なんでこんなことになるの?
わたしたち、もっとうまくいくはずだったじゃない。
絶望と喪失感が頭の中を掻き乱し、わたしも両手で顔を覆った。
つづく
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
Emerald
藍沢咲良
恋愛
教師という仕事に嫌気が差した結城美咲(ゆうき みさき)は、叔母の住む自然豊かな郊外で時々アルバイトをして生活していた。
叔母の勧めで再び教員業に戻ってみようと人材バンクに登録すると、すぐに話が来る。
自分にとっては完全に新しい場所。
しかし仕事は一度投げ出した教員業。嫌だと言っても他に出来る仕事は無い。
仕方無しに仕事復帰をする美咲。仕事帰りにカフェに寄るとそこには…。
〜main cast〜
結城美咲(Yuki Misaki)
黒瀬 悠(Kurose Haruka)
※作中の地名、団体名は架空のものです。
※この作品はエブリスタ、小説家になろうでも連載されています。
※素敵な表紙をポリン先生に描いて頂きました。
ポリン先生の作品はこちら↓
https://manga.line.me/indies/product/detail?id=8911
https://www.comico.jp/challenge/comic/33031
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収
ソラ
ファンタジー
追放された『貸与者』は、不条理な世界を監査(清算)する
「お前のようなゴミはいらない」
勇者パーティの荷物持ちソラは、魔王討伐を目前に非情な追放を言い渡される。
だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。
彼らの力はすべて、ソラの規格外のステータスを『借りていた』だけの虚飾に過ぎないことを。
「……わかった。貸していた力(資産)、すべて返還(清算)してもらうよ」
契約解除。勇者たちは凡人へと転落し、ソラはレベル9999の万能感を取り戻す。
しかし、彼が選んだのは復讐ではない。
世界に蔓延る「不条理な負債」を暴き、正当な価値を再定義する『監査官』としての道だった。
才能なしと虐げられた少女ミィナを助け、ソラは冷徹に告げる。
「君の絶望は、私が買い取った。利息として……君を最強にしてあげよう」
「因果の空売り」「魂の差し押さえ」「運命の強制監査」
これは、最強の『貸与者』が、嘘まみれの英雄や腐敗した領地を、帳簿の上から「ざまぁ」する物語。