Campus91

茉莉 佳

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19 12月のダイアリー

12月のダイアリー 11月6日

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11月6日(水) 曇り

今日もみっこは学校に来なかった。
顔に怪我もしていたし、来れるわけがないかも。

川島君とみっこと別れたのは、もうずいぶん昔のことのように感じるけど、まだ2日しかたっていない。

夜が長い。

昼間は学校に行ったり、友人と話をしたりして気が紛れるけど、夜、ひとりで部屋にいると、恐ろしい空虚感に襲われてしまう。
なんだか、自分の心の中が、空っぽになってしまったみたい。
思いつく友人に電話をして、空っぽの心を埋めようとするんだけど、埋めても埋めても、満たされることはない。


昨日、みっこにひどいことを言ったことを反省したりもしたけど、どう考えてもやっぱり、あのふたりのしたことを、わたしは許せない。
川島君が東京に行って、みっこと仕事をしたのは、仕方がない。
そのあとふたりで会ったりしたことも、まあ、許せたとしても、ふたりともそれをわたしに言わないってのは、いったいどういうこと?
みっこはその頃から、もう川島君のことが好きだったはずだから、罪悪感があって言わなかったってのもわかるけど、川島君までわたしに黙っているなんて、みっこに対して、なにか下心があったと思われても、仕方ないじゃない。
それを、『モデル』のひと言で誤魔化そうとするなんて、なんて卑怯なやり方。
思い出すだけで、腹が立ってくる。

川島君は高校時代から、『来るもの拒まず』のところがあったから、みっこみたいなかわいい子が寄って来るのは、大歓迎だったんじゃないかしら?
わたしがいないのをいいことに、みっこと二股かけて、美味しい思いをしようなんて、なんだか幻滅。
そんないい加減な人とつきあってきたのかと思うと、なんだか虚しくなってくる。

つづく
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