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20 Lucky Lips
Lucky Lips 10
「誤解しないでくれよ。
電話でお互いの近況を話したりしていただけなんだ。
そのとき、みっこが大学を中退して東京に戻って、モデル業に専念するつもりってことや、今はさつきちゃんと絶交状態になっていることとか、いろいろ聞いた。
みっこは多くを語らなかったけど、さつきちゃんと絶交したのは、かなりこたえてるみたいだった」
「あれは… わたしが悪かったの。
いろんなことが重なりすぎて、落ち込んでいたとは言え、みっこには酷いこと言っちゃって…
ほんとはすごく後悔してて、謝りたかったのに… 怖かったの」
「怖い?」
「今、川島君とみっこはつきあってて、ふたりともわたしのこと、憎んでるんじゃないかって…」
「そんな… つきあったりなんて」
「でも、連絡とったりしてたんでしょ?」
「それは、お互いの近況報告みたいなものだよ。友だちとして」
「友だち…」
「ああ。だけど、一時とはいえ、ぼくがさつきちゃんのことを、憎んでいたのは確かだよ」
「えっ?」
「あの日の、みっこの家からの帰り道。さつきちゃんと別れてから、ぼくも意地になっていた。
もう、こちらからは二度と連絡するまいと、心に決めていた」
「…」
「そりゃ、さつきちゃんにないしょでみっこにモデルを頼んで、ふたりで会っていたのは悪かったよ。だけど、それがきっかけで別れることになるなんて、思ってもみなかった」
「…わたし、ずっと不安だったの。
みっこはわたしの理想の女の子だったもの。
美人だしスタイルもいいし、一流のプロのモデルで、わたしにないものをみんな持っていて、外見も中身も、とっても魅力的な女の子だったから。
そんなみっこが、東京で川島君と逢ってたって知ったときは、嫉妬でどうにかなりそうだった。
だけど、それをずっと我慢して、抑えてたの… あの日までは」
「…ごめんな」
「…ん。わたしこそ、あやまりたい。
わたし、怖がってばかりで、いつもほんとのことから目を背けてばかりだったし、プライドばかり高くて、みっこにも川島君にもずっと意地を張っていて、自分から歩みよることができなかった」
「みっこはいつも、さつきちゃんのことをかばっていたよ。そして、『償いたい』って言っていた」
「それはわたしにも言ってた。『どんなことをしてでも、あなたには償いたい』って。それって、わたしたちの仲を、元に戻すってことだったのかな」
「そうだろうな。みっこは自分のせいでぼくたちが別れたって責任感じてて、なんとかしたがってたから。だから今日、こうやって、ふたりの仲をもってくれた。そんな彼女に、ぼくは今、とても感謝しているよ」
「…そうだったのね。わたし、もう一度みっこに謝りたい。そしてお礼を言いたい」
わたしはそう言って、みっこがいる方を振り向いた。
だけど雑踏のなかに、彼女の姿は見当たらなかった。
『ここで見てるから』って、みっこは言ってたのに。
つづく
電話でお互いの近況を話したりしていただけなんだ。
そのとき、みっこが大学を中退して東京に戻って、モデル業に専念するつもりってことや、今はさつきちゃんと絶交状態になっていることとか、いろいろ聞いた。
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「あれは… わたしが悪かったの。
いろんなことが重なりすぎて、落ち込んでいたとは言え、みっこには酷いこと言っちゃって…
ほんとはすごく後悔してて、謝りたかったのに… 怖かったの」
「怖い?」
「今、川島君とみっこはつきあってて、ふたりともわたしのこと、憎んでるんじゃないかって…」
「そんな… つきあったりなんて」
「でも、連絡とったりしてたんでしょ?」
「それは、お互いの近況報告みたいなものだよ。友だちとして」
「友だち…」
「ああ。だけど、一時とはいえ、ぼくがさつきちゃんのことを、憎んでいたのは確かだよ」
「えっ?」
「あの日の、みっこの家からの帰り道。さつきちゃんと別れてから、ぼくも意地になっていた。
もう、こちらからは二度と連絡するまいと、心に決めていた」
「…」
「そりゃ、さつきちゃんにないしょでみっこにモデルを頼んで、ふたりで会っていたのは悪かったよ。だけど、それがきっかけで別れることになるなんて、思ってもみなかった」
「…わたし、ずっと不安だったの。
みっこはわたしの理想の女の子だったもの。
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そんなみっこが、東京で川島君と逢ってたって知ったときは、嫉妬でどうにかなりそうだった。
だけど、それをずっと我慢して、抑えてたの… あの日までは」
「…ごめんな」
「…ん。わたしこそ、あやまりたい。
わたし、怖がってばかりで、いつもほんとのことから目を背けてばかりだったし、プライドばかり高くて、みっこにも川島君にもずっと意地を張っていて、自分から歩みよることができなかった」
「みっこはいつも、さつきちゃんのことをかばっていたよ。そして、『償いたい』って言っていた」
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「…そうだったのね。わたし、もう一度みっこに謝りたい。そしてお礼を言いたい」
わたしはそう言って、みっこがいる方を振り向いた。
だけど雑踏のなかに、彼女の姿は見当たらなかった。
『ここで見てるから』って、みっこは言ってたのに。
つづく
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