ENDLESS SUMMER

茉莉 佳

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1日目

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 “ピピピッ ピピピッ ピピピッ ピピピッ ピピピッ ピピピッ ピピピッ…”

 意識の遠くでアラームが鳴り続けている。
ハッと、俺は目を覚ました。
窓から降り注ぐ日射しが眩しくて、目を細める。
俺はアラームを止め、反射的に時計を見た。

月曜日の7時30分。
いつもの起床時間だ。
内容は思い出せないんだけど、なんだか、長い夢を見ていた気がする。
不思議な感じだ。
現実みたいな夢を見る事は時々あるが、そういうのはたいてい悪夢で、あまり気分のいいもんじゃない。
こういうのは、なんて言うんだっけ?

・・・・デジャ、ビュ?


 そんな事を漠然と考えながら、俺はノロノロとベッドから這い出し、無意識に窓の外を眺める。
相変わらず、日射しがからだを焦がす様に痛い。
今日も入道雲が、その巨大な姿で俺を威圧するかの様に、天頂にまで湧き上がっている。
先週と変わらない一週間が、今日もはじまるのか。

オーブントースターでピザトーストを焼きながら、俺はテレビのチャンネルを変えていく。
自分の利益しか頭にない様な政治の駆け引きと、どうでもいい芸能人のゴシップ。長引く不況と泥仕合の外交のニュース。
それらを軽く聞き流しながら、パンをインスタントコーヒーといっしょに腹のなかに流し込み、ネクタイを首にかけて、ズボンプレッサーから出したばかりの、ホカホカのスーツのパンツに脚を突っ込むという朝のルーチンを、機械的にこなしていく。
鏡に向かってネクタイを締めながら、俺はつい、にやけてしまう。

大学を卒業して、ひとり暮らしをしながらこの街で働きはじめて、もう7年。
同じテニスクラブに通う、飛びっきり魅力的な女性、仁科ありさを、俺は恋人にできた。
そして…
先週のデートで、ありさにプロポーズして、OKもらえたんだ!

結婚、か…

俺達は来年の春、結婚する。
俺はありさを愛している。
世界中の誰よりも。
永遠に愛している。
死ぬまでいっしょにいるだろう。

いや。
たとえ死んだあとでも、添い遂げたい。



 支度を終えた俺は、大通りに出て、天を仰いだ。
今日も焼け死んでしまいそうなくらいに、暑い一日だ。
この夏はいつ、終わるのだろう。

END

2012.09.27 初稿
2017.08.23 改稿
2019.09.27 改稿
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