アイの証

真城詩

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アイの証

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煌々とした光が眩しくて目を覚ました。気づけば自分は朱い縄で両手足をベッドに縛り付けられていた。

「あ、起きた?」

恋人の声が聞こえて視線を動かす。ああ、いつもの遊戯だ。彼はよく俺を試す。俺がどれだけ彼のことを愛しているか、愛情量を試すのだ。声を出そうとして気が付いた。ボールギャグまでつけられていて喋れない。うぐ、と唾液を飲み込むと俺の顔を覗き込んでにんまりと嬉しそうに笑う。その笑顔に愛しさを覚えて。自分はどれだけ彼のことを愛しているのだろうと自問自答する。こんな状況に追い詰められてまでのほほんと彼のことを愛しく思うだなんて。少しこの状況に慣れ、落ち着きを取り戻して周りの状況を鑑みる余裕が出てきた。まず目を覚ました光はルームライト、ここはいつもの寝室だ。そして俺は全裸だった。それにしても流石に縛られたのは初めてだ。縛られ方に気を配って初めて彼の優しさに気づく。縛りが甘いのだ。締め付けることなく、俺の体を傷つけることなく、それでも動けないようにうまい具合に縛ってある。

「んん、ん!?」

近づいてきた彼がいきなり俺の股間に顔をうずめ息子を銜えた。勿論今までは萎びていたが、恋人である彼にそうされれば我が息子も反応してしまう。

「わ、おっきくなったね♡ ね、ナカ……射れたい? 射れたいでしょ? だってもう俺んナカ……とろとろだよ?」

「んんっ……」

そう言う彼は既に中指と人差し指を自分の後孔に突っ込んでぐちゅぐちゅと淫らな音を立てながらナカを弄っている。顔は上気して色づき、口はだらしなく開いてあぁ、だとか、ぁん、だとか淫猥にあえぐ。可愛い恋人のそんな姿を見せられれば彼の口腔で大きくなった性器はさらに反りたってしまう。

「あは♡ こし、ういちゃってる。かわいー♡」

可愛いのはお前だろうが、とうぐうぐ発音できない口で言い、自分で動かせるだけ腰を動かして挑発する。

「ああぁ、ね、いいでしょ?おれもうがまんできなっ」

い、と言いながら彼が腰を下ろしてふうぅ、と息を吐いた。俺のモノはぬぷぬぷと彼の凹凸のない体内へと呑み込まれ、その瞬間に快楽を与えられて我慢汁を吐き出す。好きな人の、愛している人の胎内に受け入れられ俺は歓喜の声を上げた。一度奥まで挿し込んでは、抜いて、また奥まで挿し込む。そんな動きを繰り返しながら彼は嬌声を上げ続けた。そして、そのうちに彼は絶頂まで達する。それと同時に俺も彼の中で弾けた。二人してびく、びくと体を震わせながら見つめ合う。彼がボールギャグを外して俺に口づけた。唇を離して、愛してるよ、そう言う。ずるりと俺のモノを体内から引き抜き、流れ出る白濁を開脚して見せつける。そして俺は漸く安心して彼が俺の物だと言うことを再認識するのだ。つまりこれは突発的な恋人の奇行でありながら、合意のもとに予定されて行われた愛の儀式。俺と彼がお互いの愛を確かめ合う唯一絶対の行為である。




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