疑惑

futurecaptain

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戦闘その3

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周りは廃業のみで人の気配がない、通常はこの状況ではさほどマッピングに手間をかけることはない。それは自分も同じ判断だ。しかし、例のプログラムではそのように判断してはいない。いや、正確にはそれは、以前の持ち主の行動パターンを反復しているにすぎない。

つまり、彼は何かをマッピング作業の中で探していた可能性がある。

今となってはそれが何なのか、確かめるすべはない。また、今のこの状況ではチームが固まって索敵を優先すべきだ。

「マッピング中止、索敵に集中せよ」

HMMに指示を出す。ほかのメンバー機も索敵しているが、同じように何もヒットしないようだ。ナンバー2を狙撃した敵もまだ捕捉できていない。

「熱源反応あり、警戒せよ」

本部からメッセージが届く。慌てて目視で周囲を探すが、特に異変は・・・。

「4号機被弾」

回避活動が早かったのか、4号機は左腕を失ったが、胴体は無傷だった。パイロットは無事のようだ。このような回避行動も、インストールしているプログラムの性能によって違いが出る。4号機の行動プログラムは更新を重ねているのか、なかなか優秀なようだ。



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