88 / 94
第1幕 - 第4巻 : 新たなる始まり
第84章:抱擁のぬくもり
しおりを挟む
幾時間も過ぎ、ヴェイルは深い眠りの中にいた。
太陽はすでに西へと傾き、長い影が大地を覆っていた。
数羽の小鳥が好奇心に駆られて彼のそばに舞い降りたが、すぐに何も得るものがないと悟り、羽音を残して飛び去っていく。
「見ろよ、あそこだ。地面に倒れてるの……あいつじゃねぇか?」
声が響く。
ヴェイルはゆっくりと目を開いた。
視界はぼやけ、耳に届く音だけが現実へと引き戻してくる。
やがて、彼は重い体を支えながら、ふらつく足で立ち上がった。
「……っ、はぁ……腹減った……何が……あったんだ……?」
額に手を当て、呻くように呟く。
――パァンッ!
乾いた音が響いた。
反射的に振り向いた瞬間、頬に鋭い衝撃。
視界が揺れ、再び地面に倒れ込む。
痛む頬に手を当てながら顔を上げると、そこにはカエラが立っていた。
「……起き抜けにしては、ずいぶん乱暴じゃないか。そんなに強く叩かなくても……で、どうして?」
「……あんた、どれだけ時間が経ったと思ってるの?」
そう言って、カエラは手を差し出した。
ヴェイルがその手を取ると、彼女は一気に彼を引き上げ――次の瞬間、その胸に飛び込んだ。
涙をこぼしながら、彼の胸に顔を埋め、震える声で言う。
「……馬鹿……あんたが死んだかと思ったのよ……!
あの白い閃光を見て……それから何度も待ってたのに……帰ってこなかった。
エレノアだって、あんたを探しに行くって言い張って……」
「おいおい、若いの。感動の再会はいいがな……もう日が暮れる。
夜になる前に戻らねぇと、何も見えなくなるぞ。」
エルジナの低い声が後ろから響く。
三人は再び歩き出した。
エルジナが先頭を進み、カエラはヴェイルの隣から離れようとしなかった。
森は、まるで何事もなかったかのように静けさを取り戻していた。
鳥のさえずりが、穏やかな旋律のように風の中に溶けていく。
「そういえば、メルローンは? 一緒じゃないのか?
……村へ戻るとき、何かあったのか?」
「いや、あの騒ぎのせいで魔物は全部逃げたみたいね。
メルローンは村に残って、エリザベスと一緒にエレノアをなだめてたわ。」
エルジナが落ち着いた声で答える。
そのまましばらく、三人は言葉も交わさず歩き続けた。
ヴェイルはふと、隣を歩くカエラを見た。
普段なら明るく、どこか子供っぽいほど無邪気な彼女。
だが今は、まるで別人のように沈んでいた。
やがて、村の門が見えてくる。
彼らは門をくぐり、広場を横切って大きな建物へと向かった。
「カエラ、本当に大丈夫か? ……さっきから、様子が変だぞ。」
ヴェイルが小声で問いかけると、カエラはかすかに笑って答えた。
「うん……ただ、疲れただけ。
“簡単な任務”だと思ってたのに……結局、あんたを危険に巻き込んだ。
あの時、もっと慎重にしていれば……」
声が震えていた。
「そんなこと、気にするな。
あれはお前のせいじゃない。俺も嫌な予感はしてたんだ。
あの“化け物”の話が出た瞬間から……。
それでも、エルジナと一緒に助けに行ったのは、俺の意思だ。
……本当は怖くて、途中で逃げ出そうかと思ったけどな。」
ヴェイルは苦く笑いながら言う。
だがカエラは、その言葉に何も返さなかった。
彼がどれだけ自分を気遣ってくれても――
“もし彼が死んでいたら”という恐怖が、胸の奥で静かに疼いていた。
……全部、私のせいだった。
その言葉を飲み込みながら、彼女は黙って歩き続けた。
やがて、建物の扉が開く。
中ではエスメスが待っており、隣にはメルローンの姿が見えた。
エルジナは自分の席につき、ヴェイルとカエラは部屋の中央まで進み出る。
二人は互いに短く視線を交わし、そして静かに立ち止まった。
言葉は――もう、必要なかった。
「助けてくれて……本当にありがとう。
そして、ごめんなさい。あんなことになるなんて思ってもいなかったの。
あの魔獣が、ここまで厄介な存在だとは……」
エスメスが深く息を吐きながら言った。
「礼なんていらないさ。
あの小さな火の精霊がいなければ、俺たちもどうなっていたかわからない。
あいつがあの怪物を倒したんだ。俺たちは……ただ運が良かっただけだ。
あと数分でも遅れていたら――エレノアは、生きていなかったかもしれない。」
ヴェイルが低い声で応えると、部屋の空気が静まり返った。
「それでも、あなたたちは立派にやり遂げたわ。
大したお礼はできないけれど……今夜、小さな宴を開かせて。
任務の報告書ももう用意してあるわ。明日の朝、出発前に渡す。」
エスメスの穏やかな笑みに、ヴェイルとカエラは顔を見合わせた。
どちらも、返事に迷っているようだった。
「もう夜だ。今から出るつもりか?
休め、食え、明日に備えろ。無理をしてもいいことはない。」
エルジナの低い声が、迷いを断ち切るように響く。
ヴェイルは息を吐き、カエラに視線を向けた。
彼女の笑顔はどこかぎこちなく、隠しきれない疲れが滲んでいる。
――反論する理由は、もうなかった。
「……わかった。じゃあ、お言葉に甘えるよ。」
ヴェイルがそう答えると、エルジナは満足げにうなずいた。
「よし。それじゃあ部屋へ案内する。
心配はいらん、思ってるほど悪い場所じゃないさ。」
彼女は席を立ち、三人を促す。
ヴェイルとカエラは後に続き、建物を出た。
夜風が、わずかに湿った空気を運んでくる。
三人は再び広場を横切り、途中で小さな路地へと曲がった。
崩れかけた家々の裏側――そこに、一軒だけ取り残されたような小さな家があった。
「客人を泊める時は、ここを使うの。
この村でまだ“住める”のは、この小屋くらいだからね。
……残念だけど、ベッドは一つしかない。」
エルジナが扉を押し開ける。
中は狭いが、他の建物とは違ってどこか温かみがあった。
片隅には古びた椅子と小さなテーブル。
中央には木の机と二脚の椅子、奥のくぼみにベッドが一つ。
毛皮と厚手の布が掛けられ、ぬくもりのある寝床が整えられていた。
エルジナは壁に吊るされた灯籠を三つ灯し、柔らかな光が部屋を照らす。
「ほら、こんな感じ。
少し休むといいわ。宴の準備ができたら呼びに来るから。」
穏やかに笑って言うと、彼女は扉を閉めて去っていった。
残されたのは、ヴェイルとカエラの二人だけ。
カエラは無言で装備を外し、机の上に並べた。
そしてズボンを脱ぎ、長い上着を膝まで下ろすと、ベッドの縁に腰を下ろしてヴェイルを見上げた。
「……ベッド、使ってもいい?
正直、床で寝るのはちょっと勘弁してほしいの。」
「構わないさ。
俺は外に出て、少し手伝ってくる。
さっきまで寝てたし、眠気もないからな。
それに……夜はこの椅子で十分だ。心配するな。」
そう言って、ヴェイルは静かに外へ出た。
外の広場では、村人たちが慌ただしく動き回っていた。
木の机を運ぶ者、椅子を並べる者、食事の準備を進める者。
誰もが、今夜のために懸命に働いている。
――その光景が、ヴェイルの胸に小さな痛みを残した。
彼は、自分が何もしていないと思っていた。
それなのに、彼らは“感謝”という形で報おうとしてくれている。
ヴェイルは黙って作業に加わった。
机を並べ、椅子を運び、手を貸し続ける。
一時間ほど経った頃、ようやく準備が整い始めていた。
(……こんなに人がいたのか。
てっきり三十人くらいの村かと思ってたが……)
最後の椅子を置きながら、ヴェイルは小さく息を吐いた。
夜空の下、遠くで灯りがともる。
静かな村に、少しずつ温かな賑わいの気配が満ちていった。
エルジナは、井戸のそばに設けられた小さな壇上に立った。
村人たちは彼女の声に呼ばれ、次々と席へ着いていく。
ざわめきと笑い声が交じり合う中、エルジナはヴェイルの方へと歩み寄った。
「悪いけど、カエラを呼んできてくれる?
知らない人を行かせると、混乱しそうだから。」
少し気まずそうに言うエルジナに、ヴェイルは静かにうなずいた。
彼は立ち上がり、暗がりの中を抜けて小屋へと戻る。
扉を開けると――カエラがベッドに、奇妙な体勢で寝転がっていた。
寝息は浅く、汗が頬を伝っている。
「……クレイン、どうして……どうして私を置いていくの……
ひとりになんて……なりたくない……」
掠れた声。
夢の中の言葉だった。
ヴェイルは彼女の肩に手を置き、そっと揺らした。
反応がない。
もう少し強く揺すると、ようやく彼女の身体がびくりと震えた。
目を開いたカエラの息は荒く、瞳がまだ夢の中を彷徨っていた。
「……悪い夢でも見たのか?
外はもう準備ができてる。支度ができたら出てこい。」
そう言ってヴェイルが立ち上がろうとしたその時――
彼女の手が、彼の手を掴んだ。
熱を帯びた掌が、彼の手をぎゅっと握りしめる。
「……ありがとう……
置いていかないでくれて……」
震える声。
ヴェイルは少しだけ目を細め、その手を静かに受け止めた。
やがてカエラは力を抜き、彼の手を放した。
ヴェイルはテーブルの上に置かれた装備を集め、彼女の傍に置く。
扉へ向かい、手をかけたところで――振り返る。
「前にも言ったよな。
どんな過去があっても、俺はあいつらとは違う。
……支度してこい。みんな待ってる。」
そう言って微笑むと、彼は静かに外へ出た。
夜風が肌を撫でる。
広場ではすでに宴の準備が整い、明かりの灯るテーブルが並んでいた。
「こっちだ、ヴェイル。」
エルジナが手招きする。
彼は彼女の隣に座り、ほどなくしてカエラも姿を現した。
彼女は反対側の席につき、村人たちが次々と料理を運んでくる。
香ばしい肉の皿、野菜の煮込み、焼きたてのパン。
漂う匂いが、思わず腹を鳴らせる。
「この村は貧しいけど、土地は肥えてる。
この人たちがいなかったら、とっくに飢え死にしてたわ。」
エルジナが肉を取り分けながら言う。
食卓には温かい笑いが広がっていた。
村の話、子どもたちのいたずら、昔の出来事。
久しぶりの平穏が、そこにあった。
そんな中――ヴェイルの袖が小さく引かれた。
見ると、洞窟で助けたあの小さな少女が立っていた。
大きな瞳で彼を見上げ、恥ずかしそうに呟く。
「……おじちゃん、ここに座っていい?」
「もちろんだ。」
ヴェイルは笑い、少女を抱き上げて膝の上に乗せた。
「ありがとう」と小さな声で言うと、彼は皿に肉と野菜を盛り、彼女の前に置いた。
少女は嬉しそうに食べ始める。
「そういえば、エルジナ。メルローンの姿が見えないな。
また突然現れて、怒鳴り散らすつもりじゃないだろうな?」
軽い冗談のつもりだった。
だが、エルジナの表情は重かった。
彼女はゆっくりと目を閉じ、言葉を探すように息を吐いた。
「……彼を責めないであげて。
昔、この村に来た冒険者たちが――彼の母親を森で弄んで殺したの。
その後、夫に“けじめ”を取らせて……最期は彼も処刑された。」
食卓の音が止まった。
ヴェイルもカエラも、言葉を失ったまま座っていた。
少女――エレノアだけが、無邪気に食事を続けている。
「……だから、彼はもう誰も信じられないのよ。
誰かを許すことも、怖くてできなくなった。」
エルジナの声は静かだった。
だが、その悲しみは隠しようもなかった。
しばし沈黙が流れる。
やがてカエラが、小さく息を吸って言った。
「……でも、全部の冒険者が悪いわけじゃない。
ヴェイルは私を助けてくれた。見捨ててもおかしくなかったのに。」
「……ふん、よく言う。」
背後から低い声がした。
「お前に何がわかる。
他人の痛みを知ったふりをするな。
いい身分で生きてる奴に、俺の気持ちなんてわかるかよ。」
振り返ると、そこに――メルローンが立っていた。
月明かりを背に、怒りと悲しみを宿した瞳で。
その声には、長い年月の憎しみが滲んでいた。
「……やめなさい、カエラ。」
立ち上がろうとしたエルジナの腕を、カエラがそっと掴んだ。
彼女は小さく首を振り、静かに合図する。
宴のざわめきが途切れた。
村人たちの視線が、二人に集まる。
「……あんたにわかる?
私が七歳のとき、親から引き離されて、奴隷として売られたの。
五年間――何人もの“主人”に渡されて、モノみたいに扱われたのよ。
……触れられて、拒めなくて、それでも生きるしかなくて……
毎晩、誰かが助けてくれるように祈るしかなかった。」
カエラの声は震えていた。
それでも、涙をこらえて言葉を絞り出す。
その瞳に宿る光が、痛いほど真っ直ぐだった。
誰も、何も言えなかった。
ヴェイルは俯き、拳を握る。
彼女が過去に苦しんでいたことは薄々感じていた――
だが、まさかここまでとは思ってもみなかった。
「……お前という奴は……!」
エルジナが唇を噛みしめ、拳を握りしめる。
「自分だけが不幸だと思うな、メルローン。
今のあんたがやってることは、あの連中と同じよ。
この村の恥だわ。」
その言葉に、メルローンの顔が歪んだ。
そして、何も言わずに背を向け――
近くの家の扉を乱暴に開け、勢いよく閉めた。
――バンッ。
静寂が戻る。
「……大丈夫?」
エルジナはそっとカエラを抱きしめた。
「言わなくてもよかったのに……あいつに、そんな言葉、届くはずないわ。」
カエラは何も言わなかった。
ただ、目を閉じたまま、小さな涙が頬を伝う。
ヴェイルは、ただ見ていた。
何も言えず、何もできず。
胸の奥で、何かが軋むように痛んでいた。
再び、宴の声が少しずつ戻ってくる。
だが、空気の温度はどこか冷えたままだった。
そんな中――エレノアが椅子をくるりと回し、ヴェイルの方を見上げた。
「ねぇ、ヴェイルお兄ちゃん。
お父さんとお母さんは、どこにいるの?」
あまりに無邪気な声だった。
ヴェイルの呼吸が止まる。
心の奥がざわめき、言葉が出てこない。
親……?
自分の親……?
――考えたこともなかった。
「……わからない。
会ったことも……ないんだ。
記憶も、何も。」
それだけを、やっとの思いで答えた。
周囲がまた静かになる。
ヴェイルの胸の中には、ぽっかりと穴が空いたような感覚が広がっていた。
エレノアはそんな空気も気にせず、にっこりと笑った。
「じゃあね、うちのママを半分あげる!
そうしたら、あたしにお兄ちゃんができるでしょ?」
――その言葉が、胸の奥に落ちた。
ヴェイルは息を呑み、何も言えなかった。
喉が熱くなり、胸が締めつけられる。
「泣かないで、ヴェイルお兄ちゃん。
あたしね、悲しいときはママがぎゅってしてくれるの。
そしたら、すぐ元気になるんだよ。」
エレノアは小さな腕を伸ばし、彼の首に回した。
その瞬間――
ヴェイルの中で、何かが崩れた。
あたたかい。
胸の奥が、じんわりと満たされていく。
それなのに、涙が止まらなかった。
頬を伝う雫を、彼自身が最初に気づいたのはずっと後だった。
腕を伸ばし、そっと少女を抱きしめ返す。
時間が、止まったように感じた。
風の音も、声も、灯の揺らぎも――
すべてが遠のいていく。
「……ヴェイル? どうしたの? 泣いてるの?」
カエラの声が届く。
ヴェイルは目を見開き、自分の頬に触れた。
〈……泣いてる? 俺が……?〉
胸の奥が熱い。
この感情は、何だ。
悲しみでも、怒りでもない――
もっと、柔らかい何か。
「……大丈夫だ。ただ……少し疲れただけだよ。」
声が震える。
だが、涙は止まらない。
ヴェイルは小さく息を吐き、エレノアの髪を撫でた。
「ありがとう。
――そうだな、俺は今日から……お前のお兄ちゃんだ。」
その言葉に、エレノアが満面の笑みを浮かべる。
ちょうどその時、広場の向こうから女性が近づいてきた。
「エレノア、あなた……人を困らせてないでしょうね?」
優しい声。
少女は笑いながら振り返った。
「ううん! ヴェイルお兄ちゃんと話してたの!」
その光景に、ヴェイルの胸は静かに温まっていく。
どこか遠い記憶を思い出しそうな――そんな、ぬくもりだった。
「ママ、ねぇママ! この人をあたしのお兄ちゃんにしてもいい?
この人ね、お母さんがいないんだって! だから――あたしのが半分あげるの!」
エレノアが無邪気に叫んだ。
若い母親は、その言葉に一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに柔らかく微笑んだ。
娘の言葉が、まるで春風のように胸へと染み込んでいく。
「ふふ……いいわよ、エレノア。
でもね、人の“家族”になるって、もう少し複雑なのよ。」
そう言いながら、彼女はヴェイルの方へ歩み寄る。
彼が立ち上がりかけた瞬間、彼女はそっと娘を抱き上げ――もう片方の腕を、ためらいなくヴェイルの背へと回した。
温もりが、ふわりと伝わる。
「……ありがとう。
本当に、ありがとう。娘を連れ戻してくれて……
あの子を失っていたら、きっと私はもう立ち直れなかった。」
その声は、涙をこらえるように震えていた。
彼女はエレノアの頭を撫で、そしてそのままヴェイルの肩にも額を寄せる。
小さな身体と、母のぬくもり。
その両方を感じながら、ヴェイルは静かに目を閉じた。
月光が三人を照らしていた。
風がそっと通り抜け、夜のざわめきが遠のいていく。
何も言葉はいらなかった。
ただその瞬間だけ――誰もが、失われたものの代わりに“優しさ”を抱いていた。
太陽はすでに西へと傾き、長い影が大地を覆っていた。
数羽の小鳥が好奇心に駆られて彼のそばに舞い降りたが、すぐに何も得るものがないと悟り、羽音を残して飛び去っていく。
「見ろよ、あそこだ。地面に倒れてるの……あいつじゃねぇか?」
声が響く。
ヴェイルはゆっくりと目を開いた。
視界はぼやけ、耳に届く音だけが現実へと引き戻してくる。
やがて、彼は重い体を支えながら、ふらつく足で立ち上がった。
「……っ、はぁ……腹減った……何が……あったんだ……?」
額に手を当て、呻くように呟く。
――パァンッ!
乾いた音が響いた。
反射的に振り向いた瞬間、頬に鋭い衝撃。
視界が揺れ、再び地面に倒れ込む。
痛む頬に手を当てながら顔を上げると、そこにはカエラが立っていた。
「……起き抜けにしては、ずいぶん乱暴じゃないか。そんなに強く叩かなくても……で、どうして?」
「……あんた、どれだけ時間が経ったと思ってるの?」
そう言って、カエラは手を差し出した。
ヴェイルがその手を取ると、彼女は一気に彼を引き上げ――次の瞬間、その胸に飛び込んだ。
涙をこぼしながら、彼の胸に顔を埋め、震える声で言う。
「……馬鹿……あんたが死んだかと思ったのよ……!
あの白い閃光を見て……それから何度も待ってたのに……帰ってこなかった。
エレノアだって、あんたを探しに行くって言い張って……」
「おいおい、若いの。感動の再会はいいがな……もう日が暮れる。
夜になる前に戻らねぇと、何も見えなくなるぞ。」
エルジナの低い声が後ろから響く。
三人は再び歩き出した。
エルジナが先頭を進み、カエラはヴェイルの隣から離れようとしなかった。
森は、まるで何事もなかったかのように静けさを取り戻していた。
鳥のさえずりが、穏やかな旋律のように風の中に溶けていく。
「そういえば、メルローンは? 一緒じゃないのか?
……村へ戻るとき、何かあったのか?」
「いや、あの騒ぎのせいで魔物は全部逃げたみたいね。
メルローンは村に残って、エリザベスと一緒にエレノアをなだめてたわ。」
エルジナが落ち着いた声で答える。
そのまましばらく、三人は言葉も交わさず歩き続けた。
ヴェイルはふと、隣を歩くカエラを見た。
普段なら明るく、どこか子供っぽいほど無邪気な彼女。
だが今は、まるで別人のように沈んでいた。
やがて、村の門が見えてくる。
彼らは門をくぐり、広場を横切って大きな建物へと向かった。
「カエラ、本当に大丈夫か? ……さっきから、様子が変だぞ。」
ヴェイルが小声で問いかけると、カエラはかすかに笑って答えた。
「うん……ただ、疲れただけ。
“簡単な任務”だと思ってたのに……結局、あんたを危険に巻き込んだ。
あの時、もっと慎重にしていれば……」
声が震えていた。
「そんなこと、気にするな。
あれはお前のせいじゃない。俺も嫌な予感はしてたんだ。
あの“化け物”の話が出た瞬間から……。
それでも、エルジナと一緒に助けに行ったのは、俺の意思だ。
……本当は怖くて、途中で逃げ出そうかと思ったけどな。」
ヴェイルは苦く笑いながら言う。
だがカエラは、その言葉に何も返さなかった。
彼がどれだけ自分を気遣ってくれても――
“もし彼が死んでいたら”という恐怖が、胸の奥で静かに疼いていた。
……全部、私のせいだった。
その言葉を飲み込みながら、彼女は黙って歩き続けた。
やがて、建物の扉が開く。
中ではエスメスが待っており、隣にはメルローンの姿が見えた。
エルジナは自分の席につき、ヴェイルとカエラは部屋の中央まで進み出る。
二人は互いに短く視線を交わし、そして静かに立ち止まった。
言葉は――もう、必要なかった。
「助けてくれて……本当にありがとう。
そして、ごめんなさい。あんなことになるなんて思ってもいなかったの。
あの魔獣が、ここまで厄介な存在だとは……」
エスメスが深く息を吐きながら言った。
「礼なんていらないさ。
あの小さな火の精霊がいなければ、俺たちもどうなっていたかわからない。
あいつがあの怪物を倒したんだ。俺たちは……ただ運が良かっただけだ。
あと数分でも遅れていたら――エレノアは、生きていなかったかもしれない。」
ヴェイルが低い声で応えると、部屋の空気が静まり返った。
「それでも、あなたたちは立派にやり遂げたわ。
大したお礼はできないけれど……今夜、小さな宴を開かせて。
任務の報告書ももう用意してあるわ。明日の朝、出発前に渡す。」
エスメスの穏やかな笑みに、ヴェイルとカエラは顔を見合わせた。
どちらも、返事に迷っているようだった。
「もう夜だ。今から出るつもりか?
休め、食え、明日に備えろ。無理をしてもいいことはない。」
エルジナの低い声が、迷いを断ち切るように響く。
ヴェイルは息を吐き、カエラに視線を向けた。
彼女の笑顔はどこかぎこちなく、隠しきれない疲れが滲んでいる。
――反論する理由は、もうなかった。
「……わかった。じゃあ、お言葉に甘えるよ。」
ヴェイルがそう答えると、エルジナは満足げにうなずいた。
「よし。それじゃあ部屋へ案内する。
心配はいらん、思ってるほど悪い場所じゃないさ。」
彼女は席を立ち、三人を促す。
ヴェイルとカエラは後に続き、建物を出た。
夜風が、わずかに湿った空気を運んでくる。
三人は再び広場を横切り、途中で小さな路地へと曲がった。
崩れかけた家々の裏側――そこに、一軒だけ取り残されたような小さな家があった。
「客人を泊める時は、ここを使うの。
この村でまだ“住める”のは、この小屋くらいだからね。
……残念だけど、ベッドは一つしかない。」
エルジナが扉を押し開ける。
中は狭いが、他の建物とは違ってどこか温かみがあった。
片隅には古びた椅子と小さなテーブル。
中央には木の机と二脚の椅子、奥のくぼみにベッドが一つ。
毛皮と厚手の布が掛けられ、ぬくもりのある寝床が整えられていた。
エルジナは壁に吊るされた灯籠を三つ灯し、柔らかな光が部屋を照らす。
「ほら、こんな感じ。
少し休むといいわ。宴の準備ができたら呼びに来るから。」
穏やかに笑って言うと、彼女は扉を閉めて去っていった。
残されたのは、ヴェイルとカエラの二人だけ。
カエラは無言で装備を外し、机の上に並べた。
そしてズボンを脱ぎ、長い上着を膝まで下ろすと、ベッドの縁に腰を下ろしてヴェイルを見上げた。
「……ベッド、使ってもいい?
正直、床で寝るのはちょっと勘弁してほしいの。」
「構わないさ。
俺は外に出て、少し手伝ってくる。
さっきまで寝てたし、眠気もないからな。
それに……夜はこの椅子で十分だ。心配するな。」
そう言って、ヴェイルは静かに外へ出た。
外の広場では、村人たちが慌ただしく動き回っていた。
木の机を運ぶ者、椅子を並べる者、食事の準備を進める者。
誰もが、今夜のために懸命に働いている。
――その光景が、ヴェイルの胸に小さな痛みを残した。
彼は、自分が何もしていないと思っていた。
それなのに、彼らは“感謝”という形で報おうとしてくれている。
ヴェイルは黙って作業に加わった。
机を並べ、椅子を運び、手を貸し続ける。
一時間ほど経った頃、ようやく準備が整い始めていた。
(……こんなに人がいたのか。
てっきり三十人くらいの村かと思ってたが……)
最後の椅子を置きながら、ヴェイルは小さく息を吐いた。
夜空の下、遠くで灯りがともる。
静かな村に、少しずつ温かな賑わいの気配が満ちていった。
エルジナは、井戸のそばに設けられた小さな壇上に立った。
村人たちは彼女の声に呼ばれ、次々と席へ着いていく。
ざわめきと笑い声が交じり合う中、エルジナはヴェイルの方へと歩み寄った。
「悪いけど、カエラを呼んできてくれる?
知らない人を行かせると、混乱しそうだから。」
少し気まずそうに言うエルジナに、ヴェイルは静かにうなずいた。
彼は立ち上がり、暗がりの中を抜けて小屋へと戻る。
扉を開けると――カエラがベッドに、奇妙な体勢で寝転がっていた。
寝息は浅く、汗が頬を伝っている。
「……クレイン、どうして……どうして私を置いていくの……
ひとりになんて……なりたくない……」
掠れた声。
夢の中の言葉だった。
ヴェイルは彼女の肩に手を置き、そっと揺らした。
反応がない。
もう少し強く揺すると、ようやく彼女の身体がびくりと震えた。
目を開いたカエラの息は荒く、瞳がまだ夢の中を彷徨っていた。
「……悪い夢でも見たのか?
外はもう準備ができてる。支度ができたら出てこい。」
そう言ってヴェイルが立ち上がろうとしたその時――
彼女の手が、彼の手を掴んだ。
熱を帯びた掌が、彼の手をぎゅっと握りしめる。
「……ありがとう……
置いていかないでくれて……」
震える声。
ヴェイルは少しだけ目を細め、その手を静かに受け止めた。
やがてカエラは力を抜き、彼の手を放した。
ヴェイルはテーブルの上に置かれた装備を集め、彼女の傍に置く。
扉へ向かい、手をかけたところで――振り返る。
「前にも言ったよな。
どんな過去があっても、俺はあいつらとは違う。
……支度してこい。みんな待ってる。」
そう言って微笑むと、彼は静かに外へ出た。
夜風が肌を撫でる。
広場ではすでに宴の準備が整い、明かりの灯るテーブルが並んでいた。
「こっちだ、ヴェイル。」
エルジナが手招きする。
彼は彼女の隣に座り、ほどなくしてカエラも姿を現した。
彼女は反対側の席につき、村人たちが次々と料理を運んでくる。
香ばしい肉の皿、野菜の煮込み、焼きたてのパン。
漂う匂いが、思わず腹を鳴らせる。
「この村は貧しいけど、土地は肥えてる。
この人たちがいなかったら、とっくに飢え死にしてたわ。」
エルジナが肉を取り分けながら言う。
食卓には温かい笑いが広がっていた。
村の話、子どもたちのいたずら、昔の出来事。
久しぶりの平穏が、そこにあった。
そんな中――ヴェイルの袖が小さく引かれた。
見ると、洞窟で助けたあの小さな少女が立っていた。
大きな瞳で彼を見上げ、恥ずかしそうに呟く。
「……おじちゃん、ここに座っていい?」
「もちろんだ。」
ヴェイルは笑い、少女を抱き上げて膝の上に乗せた。
「ありがとう」と小さな声で言うと、彼は皿に肉と野菜を盛り、彼女の前に置いた。
少女は嬉しそうに食べ始める。
「そういえば、エルジナ。メルローンの姿が見えないな。
また突然現れて、怒鳴り散らすつもりじゃないだろうな?」
軽い冗談のつもりだった。
だが、エルジナの表情は重かった。
彼女はゆっくりと目を閉じ、言葉を探すように息を吐いた。
「……彼を責めないであげて。
昔、この村に来た冒険者たちが――彼の母親を森で弄んで殺したの。
その後、夫に“けじめ”を取らせて……最期は彼も処刑された。」
食卓の音が止まった。
ヴェイルもカエラも、言葉を失ったまま座っていた。
少女――エレノアだけが、無邪気に食事を続けている。
「……だから、彼はもう誰も信じられないのよ。
誰かを許すことも、怖くてできなくなった。」
エルジナの声は静かだった。
だが、その悲しみは隠しようもなかった。
しばし沈黙が流れる。
やがてカエラが、小さく息を吸って言った。
「……でも、全部の冒険者が悪いわけじゃない。
ヴェイルは私を助けてくれた。見捨ててもおかしくなかったのに。」
「……ふん、よく言う。」
背後から低い声がした。
「お前に何がわかる。
他人の痛みを知ったふりをするな。
いい身分で生きてる奴に、俺の気持ちなんてわかるかよ。」
振り返ると、そこに――メルローンが立っていた。
月明かりを背に、怒りと悲しみを宿した瞳で。
その声には、長い年月の憎しみが滲んでいた。
「……やめなさい、カエラ。」
立ち上がろうとしたエルジナの腕を、カエラがそっと掴んだ。
彼女は小さく首を振り、静かに合図する。
宴のざわめきが途切れた。
村人たちの視線が、二人に集まる。
「……あんたにわかる?
私が七歳のとき、親から引き離されて、奴隷として売られたの。
五年間――何人もの“主人”に渡されて、モノみたいに扱われたのよ。
……触れられて、拒めなくて、それでも生きるしかなくて……
毎晩、誰かが助けてくれるように祈るしかなかった。」
カエラの声は震えていた。
それでも、涙をこらえて言葉を絞り出す。
その瞳に宿る光が、痛いほど真っ直ぐだった。
誰も、何も言えなかった。
ヴェイルは俯き、拳を握る。
彼女が過去に苦しんでいたことは薄々感じていた――
だが、まさかここまでとは思ってもみなかった。
「……お前という奴は……!」
エルジナが唇を噛みしめ、拳を握りしめる。
「自分だけが不幸だと思うな、メルローン。
今のあんたがやってることは、あの連中と同じよ。
この村の恥だわ。」
その言葉に、メルローンの顔が歪んだ。
そして、何も言わずに背を向け――
近くの家の扉を乱暴に開け、勢いよく閉めた。
――バンッ。
静寂が戻る。
「……大丈夫?」
エルジナはそっとカエラを抱きしめた。
「言わなくてもよかったのに……あいつに、そんな言葉、届くはずないわ。」
カエラは何も言わなかった。
ただ、目を閉じたまま、小さな涙が頬を伝う。
ヴェイルは、ただ見ていた。
何も言えず、何もできず。
胸の奥で、何かが軋むように痛んでいた。
再び、宴の声が少しずつ戻ってくる。
だが、空気の温度はどこか冷えたままだった。
そんな中――エレノアが椅子をくるりと回し、ヴェイルの方を見上げた。
「ねぇ、ヴェイルお兄ちゃん。
お父さんとお母さんは、どこにいるの?」
あまりに無邪気な声だった。
ヴェイルの呼吸が止まる。
心の奥がざわめき、言葉が出てこない。
親……?
自分の親……?
――考えたこともなかった。
「……わからない。
会ったことも……ないんだ。
記憶も、何も。」
それだけを、やっとの思いで答えた。
周囲がまた静かになる。
ヴェイルの胸の中には、ぽっかりと穴が空いたような感覚が広がっていた。
エレノアはそんな空気も気にせず、にっこりと笑った。
「じゃあね、うちのママを半分あげる!
そうしたら、あたしにお兄ちゃんができるでしょ?」
――その言葉が、胸の奥に落ちた。
ヴェイルは息を呑み、何も言えなかった。
喉が熱くなり、胸が締めつけられる。
「泣かないで、ヴェイルお兄ちゃん。
あたしね、悲しいときはママがぎゅってしてくれるの。
そしたら、すぐ元気になるんだよ。」
エレノアは小さな腕を伸ばし、彼の首に回した。
その瞬間――
ヴェイルの中で、何かが崩れた。
あたたかい。
胸の奥が、じんわりと満たされていく。
それなのに、涙が止まらなかった。
頬を伝う雫を、彼自身が最初に気づいたのはずっと後だった。
腕を伸ばし、そっと少女を抱きしめ返す。
時間が、止まったように感じた。
風の音も、声も、灯の揺らぎも――
すべてが遠のいていく。
「……ヴェイル? どうしたの? 泣いてるの?」
カエラの声が届く。
ヴェイルは目を見開き、自分の頬に触れた。
〈……泣いてる? 俺が……?〉
胸の奥が熱い。
この感情は、何だ。
悲しみでも、怒りでもない――
もっと、柔らかい何か。
「……大丈夫だ。ただ……少し疲れただけだよ。」
声が震える。
だが、涙は止まらない。
ヴェイルは小さく息を吐き、エレノアの髪を撫でた。
「ありがとう。
――そうだな、俺は今日から……お前のお兄ちゃんだ。」
その言葉に、エレノアが満面の笑みを浮かべる。
ちょうどその時、広場の向こうから女性が近づいてきた。
「エレノア、あなた……人を困らせてないでしょうね?」
優しい声。
少女は笑いながら振り返った。
「ううん! ヴェイルお兄ちゃんと話してたの!」
その光景に、ヴェイルの胸は静かに温まっていく。
どこか遠い記憶を思い出しそうな――そんな、ぬくもりだった。
「ママ、ねぇママ! この人をあたしのお兄ちゃんにしてもいい?
この人ね、お母さんがいないんだって! だから――あたしのが半分あげるの!」
エレノアが無邪気に叫んだ。
若い母親は、その言葉に一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐに柔らかく微笑んだ。
娘の言葉が、まるで春風のように胸へと染み込んでいく。
「ふふ……いいわよ、エレノア。
でもね、人の“家族”になるって、もう少し複雑なのよ。」
そう言いながら、彼女はヴェイルの方へ歩み寄る。
彼が立ち上がりかけた瞬間、彼女はそっと娘を抱き上げ――もう片方の腕を、ためらいなくヴェイルの背へと回した。
温もりが、ふわりと伝わる。
「……ありがとう。
本当に、ありがとう。娘を連れ戻してくれて……
あの子を失っていたら、きっと私はもう立ち直れなかった。」
その声は、涙をこらえるように震えていた。
彼女はエレノアの頭を撫で、そしてそのままヴェイルの肩にも額を寄せる。
小さな身体と、母のぬくもり。
その両方を感じながら、ヴェイルは静かに目を閉じた。
月光が三人を照らしていた。
風がそっと通り抜け、夜のざわめきが遠のいていく。
何も言葉はいらなかった。
ただその瞬間だけ――誰もが、失われたものの代わりに“優しさ”を抱いていた。
0
あなたにおすすめの小説
借金5億で異世界転移、よりによって金本位制の世界だった
夜明け一葉
ファンタジー
32歳の個人トレーダー・佐藤慧は、5年間の雪辱を賭けたトレードで5億円の借金を抱え、意識を失った。目覚めると、そこは剣と魔法が存在する見知らぬ世界だった。常識が通じない異世界で、金貨を見るだけで嘔吐する「金アレルギー」を抱えながら、若き冒険者リナと出会い、生き延びる術を探し始める。諦めることだけができなかった男が、新たな世界で再び立ち上がる異世界サバイバル譚。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった
ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。
学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。
だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。
暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。
よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!?
……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい!
そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。
赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。
「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」
そう、他人事のように見送った俺だったが……。
直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。
「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」
――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。
ステゴロお姫様ギャンブラー─賭博大好きスラムのプリンセスは魔法学園でも暴れ回るようです─
アタラクシア
ファンタジー
あらゆる国から忘れられたスラム『ガラングラム』。そこに人々から『姫』と呼ばれて愛される『シャーロット・アクレミス』という美少女がいた。
類い稀なる美貌。優しき声色。人々はシャーロットだけでも普通にするため、なけなしの金を貯めて最高峰の魔法学園『グリモワール学園』へと入学させる。
しかし──彼女の正体は死線をこよなく愛する救いようのないほどのギャンブル狂い。扱う能力は賭けに勝てば最強、外せば無能という大博打であった。
絶望的な戦況ほど、彼女の拳と心臓は高鳴っていく。期待を背負ったお姫様ギャンブラーによる、計算不能の学園蹂躙劇が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
