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プロローグ - 第2巻:ダンジョンの影 Pt.1
第35章:夢の残響
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ひやりとした寒気が、ヴェイルの全身を駆け抜けた。
微かな風が肌を撫で、その流れに髪がふわりと揺れる。
ゆっくりと目を開けると、視界はぼやけ、霧のような靄が辺りを覆っていた。
世界の輪郭が曖昧で、自分がどこにいるのかすら分からない。
朦朧とする意識を振り払おうと、震える指でまぶたを擦る。
――その瞬間、彼の心に冷たい恐怖が突き刺さった。
目の前に広がっていたのは、赤黒く染まった広大な水面。
まるで凝固した血のように濃く、粘りつく色を湛えた液体が、静かに広がっていた。
その上空には、不気味な深紅の空が覆いかぶさり、見えない重圧で彼を押し潰そうとしていた。
星も、風も、音さえもない。
ただ、息苦しいほどの沈黙だけがそこにあった。
周囲を見回しても――アリニアの姿は、どこにもなかった。
《アリニア……? どこに行ったんだ……?》
不安に駆られながら、ヴェイルは一歩を踏み出した。
すると、自分の足が水面からわずかに浮いていることに気づく。
足の裏に何の感触もなく、だが確かに「立っている」。
その異様さに背筋が凍る。
下を見下ろす。
だが、そこに映るはずの自分の姿はなかった。
ただ、血のように赤い液面が、音もなく広がっているだけ。
《幻覚か……夢……? いや、それよりも――もっと……》
不安と混乱を胸に、ヴェイルは深く息を吸い込んだ。
が、それすらも重たく、まるで肺の中までこの場所の気配に呑まれていくようだった。
ゆっくりと身体を起こし、ふらつく足をなんとか踏ん張り、両腕を広げてバランスを取る。
実体のない足元が、まるで奈落に飲まれそうな感覚を生み出していた。
《こんなの……現実なわけがない……》
一歩、また一歩と前へ進む。
だが、時間の感覚すら歪み、足音も響かず、ただ沈黙だけが続く。
赤い液体の海はどこまでも広がり、地平線も存在しない。
まるで、世界が彼だけを拒絶しているかのようだった。
空気には鉄のような、乾いた匂いが混ざっていた。
そして、喉の奥に感じる金属の味――
《血……なのか……? 飲んでないはずなのに……》
ヴェイルは立ち止まり、思い切って声を張り上げた。
「アリニアーーー!!」
……だが、声は出なかった。
喉は震え、口は確かに動いたのに――
音が、存在しない。
言葉が、世界に届かない。
《なっ……なんで……!? 声が……出ない……!?》
さらに強く叫ぶ。喉を潰す勢いで、名を叫ぶ。
だが、返ってくるのは空虚な喉の振動だけ。
この沈黙はただの静けさではない。
音という概念そのものを拒絶する、“何か”がここにいる。
まるで、この空間そのものが意志を持って、彼の存在を試しているかのように――
不安が筋肉の奥に染み込み、ヴェイルの身体をじわじわと強張らせていく。
背筋を、ひとすじの冷たい悪寒が這い上がった。
《……何かに、見られている……》
その確信は、突然ではなく、自然に心に根を張っていた。
誰かが――いや、“何か”がこの空間のどこかで、自分を見つめている。
その感覚が、ぞっとするほど鮮明だった。
だが、どこを見渡しても、影ひとつない。
水面は鏡のように滑らかで、逃げ場も隠れ場もない。
空は果てしなく広がり、何もないはずなのに――
《なら、なぜだ……? なぜ、これほどまでに強く“視線”を感じる……?》
胸が詰まり、呼吸が浅くなる。
拳を握りしめ、ヴェイルは一歩後ずさった。
目に見えぬ敵に備えるように、身構える。
だが、変わらず沈黙。
変わらず、空虚。
――何も起こらない。
それが、余計に恐怖を煽った。
彼は、残された唯一の行動に出た。
目の前にいるはずの“それ”を挑発すること。
深く息を吸い込み、ありったけの声で叫んだ。
「出てこいッ!!」
だが――
またしても、声は音にならなかった。
口が動き、喉が震えた。
なのに、その叫びは空間に吸い込まれ、音にはならなかった。
足元の液面が、微かに揺れた。
それは彼の怒りに対する嘲笑のように、くすくすと笑う波紋を広げていた。
《……ふざけるな……》
無力感が、心に染み入る。
恐怖に混じり、腹の奥に怒りが芽生えた。
歯を食いしばり、目を閉じて、深く息を吐く。
《落ち着け……今は、冷静になれ。》
ゆっくりと瞼を開く。
その眼差しは、先ほどよりも鋭く、冷えていた。
声が届かないなら、アリニアの姿がないなら――
せめて、この場所の“意味”を掴まなければ。
彼は再び歩き始めた。
足元の赤い水面が、彼の動きに合わせて小さなさざ波を描く。
すべてが似通っていて、すべてが同じように見える世界。
だが、それでも歩き続けるしかなかった。
視線の感覚は、消えない。
それどころか、さらに濃く、重くなっていく。
まるで見えない霧のように身体にまとわりつき、呼吸すら妨げていた。
《どれくらい、彷徨っている……? 夢にしては、あまりにも……長い。》
足を止めれば、崩れそうになる精神。
だが、歩みを止めれば、それこそ終わりだった。
《アリニア……俺は、絶対に……見つけ出す。》
不安と孤独、そして沈黙が、じわじわと彼の意志を蝕んでいく。
それでも彼は、決して止まらなかった。
この悪夢の中心に辿り着くために。
この幻想が、夢であることを証明するために。
――そして、ついに。
ぞくり、と背筋を這う寒気。
それは、先ほどまでの違和感とは明確に異なる“気配”だった。
ピタリと足が止まる。
呼吸が止まり、肺が凍りつく。
そこに――“何か”が現れた。
虚無から突如として立ち上る、白い霧。
それは音もなく、まるで意志を持った風に運ばれてヴェイルの周囲を包み込んでいく。
彼の身体が硬直する。
息を吸うことすら、忘れそうになるほどの冷たさ。
それは――見えざる存在が、いよいよ姿を現そうとしている兆しだった。
空気が重い。
肺が押し潰されるような圧力に、呼吸一つすらも困難だった。
ヴェイルは目を細め、視界を覆う濃密な霧の向こうを見極めようとする。
だが、その霧は時間と共に濃さを増し、まるで彼を呑み込むために生まれたように蠢いていた。
《……なにこれ……こんなの、絶対におかしい……》
胸の鼓動が激しくなり、冷たい汗がこめかみを伝う。
不安が、静かに、だが確実に彼の精神を侵食していく。
後ずさる。
だが、空間全体が凍りついたかのように、動きすら鈍く感じられた。
――そのときだった。
唐突に、耳を劈くような「笑い声」が響いた。
どこからともなく、いや、全方位から同時に。
ゾッとするような冷たさと狂気を孕んだその音に、ヴェイルの背筋が凍りつく。
魂の芯にまで突き刺さるような、悪意に満ちた笑い。
その冷笑が、彼の膝から力を奪った。
「やめろ……やめてくれ……!」
膝をつき、肩を震わせながら、ヴェイルは頭を抱える。
口から漏れる言葉は弱々しく、呼吸は乱れ、荒い息が霧の中に消えていく。
しかし、嘲笑は止まらなかった。
むしろ、その音は増幅し、空気全体を震わせるほどの共鳴へと変わっていく。
《なんで……なんで逃げられないんだ……!?》
絶望に染まる視線を空へと向ける。
何か、出口を――答えを。
だが、視界のすべては、もう霧によって覆われていた。
まるで嵐のようにうねり、彼の周囲を高く渦巻き始める。
視界は完全に閉ざされ、空間そのものがねじ曲がるような錯覚を覚えた。
ヴェイルはその場で身を回し、必死に“何か”を探す。
逃げ道も、敵の姿も、何も見えない。
だが――
それは現れた。
暗闇の中、ふたつの紅い点が浮かび上がる。
最初は小さく、そしてゆっくりと近づきながら、巨大な存在へと変貌していく。
それは「目」だった。
人智を超えた大きさの、真紅の眼光。
ヴェイルを貫くような圧倒的な“視線”が、彼の心を完全に捉えていた。
《これ……現実じゃない……絶対に夢だ……夢なんだ……!!》
そう思おうとした。
だが、身体は一切動かない。
恐怖が、思考よりも速く全身を支配していた。
次の瞬間、紅の眼の下に、“それ”は口を開いた。
ゆっくりと、だが確実に――
牙。
刃のように鋭く、命を裂くためだけに存在するような牙が、音もなく現れる。
笑っている。
獲物を目の前にして、愉悦に満ちた捕食者の笑み。
逃げなきゃ――そう思っても、足は動かない。
指一本、まばたきすらままならない。
全身が凍りついたように、ただ、その恐怖の象徴を見つめることしかできなかった。
そして――
声が、響いた。
「弱すぎる……役立たずだな……」
それは低く、響き、まるで地響きのように空間に満ちた。
ひとつひとつの言葉が、鋼鉄の槌のように精神を打ち砕く。
耳で聞くのではない。
心の奥深くに、直接“打ち込まれる”声。
それは、明確な悪意だった。
否定、軽蔑、嘲笑――あらゆる負の感情が混ざり合った、悪しき存在の宣告だった。
呼吸が止まる。
胸の奥で鳴り響く心音が、痛みに変わるほど激しかった。
逃げたくても、視線を逸らしたくても――あの目が、ヴェイルの思考を縛りつけて離さない。
鋭い冷気が空気を裂き、その吐息は刃のようにヴェイルの頬を切りつけた。
ぞくりと背筋が痺れ、胃の奥がねじれるような不快感が身体を襲う。
一瞬、沈黙。
その静寂に、ほんのわずかだが希望を抱いた。
だが――
それは、嵐の前の静けさに過ぎなかった。
「哀れな存在だな……ぬくぬくとした繭の中でしか生きられぬ命よ……」
ささやくような、だが心を穿つような声が、今度はすぐ耳元で響いた。
ヴェイルは拳を握る。震える指に力を込めて、どうにか耐えようとする。
だが、その言葉の重みは、彼の意志すら押し潰してしまいそうだった。
「思い出させてやろう……その愚かさをな……」
嘲るような笑い声。
それは、闇そのものが嗤っているかのように、深く、冷たく、響いた。
次の瞬間――
世界が、崩れた。
霧も、赤い水も、血のような空も。
すべてが一瞬で消え去り、闇だけが残された。
視界も、感覚も、すべてが失われる。
上も下も、右も左も分からず、ただ、奈落へと落ちていく感覚だけが続いていた。
《やだ……いやだ……俺は……目を覚まさないと……!》
そう願っても、落下は止まらない。
終わりなき闇の中、ただひとつ残されたのは――あの言葉。
『おまえは……何も持たぬ』
『最初から……何一つ……』
――その声が、ヴェイルの心に染みつくように響き続けた。
……そして、
――ぱちっ。
目が、開いた。
眩しい光が、視界を貫いた。
あまりのまばゆさに、思わず呻き声が漏れる。
「う……っ……」
視界はまだぼやけていたが、そこに浮かび上がる“形”は確かに知っているものだった。
アリニア。
彼女の顔がすぐ近くにあり、耳がピクピクと震えていた。
彼の肩を揺すり、焦ったように声を上げる。
「ちびオオカミ、起きて!」
その呼び声に、ヴェイルの意識がようやく現実へと引き戻されていく。
頬を撫でる風。
小川のせせらぎ。
やわらかな草の感触――
それらすべてが、今は信じられないほど“優しかった”。
「……夢……? いや……これは……違う……」
かすれた声で呟きながら、ヴェイルは上半身を起こした。
だがアリニアは再び、今度は強く彼を揺さぶる。
「立って! 変な気配がする!」
ヴェイルは目を何度か瞬かせ、ようやくはっきりとした意識を取り戻した。
「……ごめん、いつの間にか寝てて……」
そう言いかけた瞬間、アリニアが手を上げて言葉を遮った。
「いいから見なさい!」
その声に込められた緊迫感に、ヴェイルの心が再び緊張を取り戻す。
――悪夢は終わったのか?
それとも、目覚めたこの世界こそが、本当の試練の始まりなのか。
アリニアが、森の奥を指差した。
ヴェイルもそちらへ視線を向けた瞬間、背筋に冷たいものが走る。
地面を這うように、緑がかった霧が音もなく広がっていた。
波のようにゆっくりと迫るその気配は、しかし彼を最も不安にさせたものではなかった。
問題は――
その霧が木々に吸い込まれていくことだった。
木の幹が、軋むような音を立てる。
内側から焼けるように、バキバキと、まるで炎に炙られるかのような音。
次第に空気には、焦げた樹液の臭いが立ち込める。
鼻につくような強烈な刺激臭――嫌悪感すら催すほどの匂い。
「……くっさ……っていうか、ヤバくねこれ……」
ヴェイルが鼻をしかめ、緊張した声で呟いた。
木々の幹が、ゆっくりとねじれる。
異常な現象の中、裂け目のようなヒビが走り、まるで骨が軋むような音を発する。
アリニアはすでに警戒態勢に入っていた。
膝を軽く曲げ、爪を滑らかに展開する。
その視線は一本の木からも外れることなく、いつでも飛びかかれるように身を沈める。
「……罠の匂いがする、ちびオオカミ。」
低く、鋭い声。
ヴェイルはまだ夢の残滓に引きずられながらも、なんとか立ち上がる。
腕の痛みを堪えながら、素早く腰のナイフを抜いた。
そして――思い切り自分の二の腕をつねる。
痛みが走る。
確かに、現実の痛み。
「……現実だ……この痛みが証拠だ……まだ夢じゃない……」
そう自分に言い聞かせながら、彼は再び霧の方へと目を向けた。
そこで、異変はさらに進行していた。
木の幹に走ったヒビが、今度は内側から裂けるように大きく開く。
裂け目から――何かが現れ始めていた。
人の形をした“何か”。
その輪郭が木の中からゆっくりと浮かび上がってくる。
《……なんだよこれ……!?》
その姿はまるで、木から削り出された戦士。
硬質な木で構成された身体は、戦闘のために作られたかのように鋭く、冷たい。
手足には無数の枝が走り、まるで刃のように尖っていた。
手のひらはもう「手」ではなく、細く鋭い木の刃そのもの。
だが――
何より恐ろしかったのは、その「顔」だった。
空洞になった眼窩の奥に、白い幽光がゆらめいている。
感情のない、冷たい光。
そして、その口元は――
裂けるように広がった笑み。
鋭い木片が絡み合い、まるで獰猛な獣の牙のように形作られていた。
「……シルヴォイド……」
アリニアが、震えるような低い声で名を呟いた。
その響きには、ただの警戒だけではなく、どこか記憶の重みが滲んでいた。
「知ってるのか?」
ヴェイルは訝しげに、彼女を見た。
だがアリニアは、目を逸らさず、ただ首を横に振った。
「……噂だけ。戦ったことはない。」
短く、正直な答え。
だが、その声には明確な緊張があった。
彼女は拳を固く握り、指先に伸びた鋭い爪がわずかに光を反射する。
「……しかも、どう倒せばいいのかも分からない。」
その一言が、ヴェイルの背に冷たい汗を走らせた。
空気が一変した。
――緊張が、張り詰めていく。
シルヴォイドたちの数は、想像をはるかに超えていた。
少なくとも五十体以上。
すべての木々の幹から這い出すように出現し、その身体を軋ませながら静かに動いていた。
その動きは、驚くほど滑らかだった。
木でできているはずなのに、まるで有機体のような“生命感”を漂わせながら、じりじりと距離を詰めてくる。
足音はない。
ただ、木が軋むような不快な音だけが、静寂の中に響いていた。
「……数が多すぎる……情報もない……こりゃ最悪のパターンだな」
ヴェイルはナイフを握る手に力を込め、視線を絶えず巡らせる。
位置、距離、風――すべてが敵に有利だった。
地面にたまっていた霧が、ゆっくりと晴れていく。
そこに現れたのは――
並び立つ異形たちの隊列。
完全な包囲網が形成されていた。
そして、ぴたりと足を止めたその全員が――
一斉に、頭を上げた。
虚ろな眼窩が、ヴェイルとアリニアを捕らえる。
空気が凍りつく。
風も音も消え、ただ圧迫感だけが空間を支配した。
――そして。
キィィィィィィ――――ッ!!
甲高い叫び声が、森の奥から響いた。
空気を切り裂くような異音。
それを合図に、すべてのシルヴォイドが腕を大きく振り上げた。
枝の刃が風を裂き、空間そのものを震わせる。
不規則に、だが明確な“敵意”を込めて。
殺気に満ちた予告。
「……よし、完全に敵だな」
ヴェイルは深く息を吸い、ナイフを構え直す。
その目には怯えも混乱もなかった。ただ、覚悟が宿っていた。
「さて……問題しかねぇ状況だが、やるしかないか」
アリニアが彼の隣に並ぶ。
その爪が月光を反射し、淡く光を帯びる。
真剣な眼差しで、目の前の異形たちを睨みつけた。
「準備はいい、ちびオオカミ?」
「……選べる立場に見える?」
苦笑交じりに答えるヴェイルだったが、その声には確かな強さがあった。
シルヴォイドたちは動かない。
しかし、その静寂は――嵐の直前。
ふたたび、鋭い叫び声。
それと同時に、異形たちの枝がざわりと揺れる。
まるで、一斉に息を吸ったかのような、不気味な“予兆”。
アリニアはわずかに膝を曲げ、いつでも飛び出せる体勢を取る。
その双眸は、ただ一瞬の動きも見逃すまいと光を宿していた。
緊張が限界に達する。
空間そのものが息を潜める。
そして――
戦いは、始まろうとしていた。
微かな風が肌を撫で、その流れに髪がふわりと揺れる。
ゆっくりと目を開けると、視界はぼやけ、霧のような靄が辺りを覆っていた。
世界の輪郭が曖昧で、自分がどこにいるのかすら分からない。
朦朧とする意識を振り払おうと、震える指でまぶたを擦る。
――その瞬間、彼の心に冷たい恐怖が突き刺さった。
目の前に広がっていたのは、赤黒く染まった広大な水面。
まるで凝固した血のように濃く、粘りつく色を湛えた液体が、静かに広がっていた。
その上空には、不気味な深紅の空が覆いかぶさり、見えない重圧で彼を押し潰そうとしていた。
星も、風も、音さえもない。
ただ、息苦しいほどの沈黙だけがそこにあった。
周囲を見回しても――アリニアの姿は、どこにもなかった。
《アリニア……? どこに行ったんだ……?》
不安に駆られながら、ヴェイルは一歩を踏み出した。
すると、自分の足が水面からわずかに浮いていることに気づく。
足の裏に何の感触もなく、だが確かに「立っている」。
その異様さに背筋が凍る。
下を見下ろす。
だが、そこに映るはずの自分の姿はなかった。
ただ、血のように赤い液面が、音もなく広がっているだけ。
《幻覚か……夢……? いや、それよりも――もっと……》
不安と混乱を胸に、ヴェイルは深く息を吸い込んだ。
が、それすらも重たく、まるで肺の中までこの場所の気配に呑まれていくようだった。
ゆっくりと身体を起こし、ふらつく足をなんとか踏ん張り、両腕を広げてバランスを取る。
実体のない足元が、まるで奈落に飲まれそうな感覚を生み出していた。
《こんなの……現実なわけがない……》
一歩、また一歩と前へ進む。
だが、時間の感覚すら歪み、足音も響かず、ただ沈黙だけが続く。
赤い液体の海はどこまでも広がり、地平線も存在しない。
まるで、世界が彼だけを拒絶しているかのようだった。
空気には鉄のような、乾いた匂いが混ざっていた。
そして、喉の奥に感じる金属の味――
《血……なのか……? 飲んでないはずなのに……》
ヴェイルは立ち止まり、思い切って声を張り上げた。
「アリニアーーー!!」
……だが、声は出なかった。
喉は震え、口は確かに動いたのに――
音が、存在しない。
言葉が、世界に届かない。
《なっ……なんで……!? 声が……出ない……!?》
さらに強く叫ぶ。喉を潰す勢いで、名を叫ぶ。
だが、返ってくるのは空虚な喉の振動だけ。
この沈黙はただの静けさではない。
音という概念そのものを拒絶する、“何か”がここにいる。
まるで、この空間そのものが意志を持って、彼の存在を試しているかのように――
不安が筋肉の奥に染み込み、ヴェイルの身体をじわじわと強張らせていく。
背筋を、ひとすじの冷たい悪寒が這い上がった。
《……何かに、見られている……》
その確信は、突然ではなく、自然に心に根を張っていた。
誰かが――いや、“何か”がこの空間のどこかで、自分を見つめている。
その感覚が、ぞっとするほど鮮明だった。
だが、どこを見渡しても、影ひとつない。
水面は鏡のように滑らかで、逃げ場も隠れ場もない。
空は果てしなく広がり、何もないはずなのに――
《なら、なぜだ……? なぜ、これほどまでに強く“視線”を感じる……?》
胸が詰まり、呼吸が浅くなる。
拳を握りしめ、ヴェイルは一歩後ずさった。
目に見えぬ敵に備えるように、身構える。
だが、変わらず沈黙。
変わらず、空虚。
――何も起こらない。
それが、余計に恐怖を煽った。
彼は、残された唯一の行動に出た。
目の前にいるはずの“それ”を挑発すること。
深く息を吸い込み、ありったけの声で叫んだ。
「出てこいッ!!」
だが――
またしても、声は音にならなかった。
口が動き、喉が震えた。
なのに、その叫びは空間に吸い込まれ、音にはならなかった。
足元の液面が、微かに揺れた。
それは彼の怒りに対する嘲笑のように、くすくすと笑う波紋を広げていた。
《……ふざけるな……》
無力感が、心に染み入る。
恐怖に混じり、腹の奥に怒りが芽生えた。
歯を食いしばり、目を閉じて、深く息を吐く。
《落ち着け……今は、冷静になれ。》
ゆっくりと瞼を開く。
その眼差しは、先ほどよりも鋭く、冷えていた。
声が届かないなら、アリニアの姿がないなら――
せめて、この場所の“意味”を掴まなければ。
彼は再び歩き始めた。
足元の赤い水面が、彼の動きに合わせて小さなさざ波を描く。
すべてが似通っていて、すべてが同じように見える世界。
だが、それでも歩き続けるしかなかった。
視線の感覚は、消えない。
それどころか、さらに濃く、重くなっていく。
まるで見えない霧のように身体にまとわりつき、呼吸すら妨げていた。
《どれくらい、彷徨っている……? 夢にしては、あまりにも……長い。》
足を止めれば、崩れそうになる精神。
だが、歩みを止めれば、それこそ終わりだった。
《アリニア……俺は、絶対に……見つけ出す。》
不安と孤独、そして沈黙が、じわじわと彼の意志を蝕んでいく。
それでも彼は、決して止まらなかった。
この悪夢の中心に辿り着くために。
この幻想が、夢であることを証明するために。
――そして、ついに。
ぞくり、と背筋を這う寒気。
それは、先ほどまでの違和感とは明確に異なる“気配”だった。
ピタリと足が止まる。
呼吸が止まり、肺が凍りつく。
そこに――“何か”が現れた。
虚無から突如として立ち上る、白い霧。
それは音もなく、まるで意志を持った風に運ばれてヴェイルの周囲を包み込んでいく。
彼の身体が硬直する。
息を吸うことすら、忘れそうになるほどの冷たさ。
それは――見えざる存在が、いよいよ姿を現そうとしている兆しだった。
空気が重い。
肺が押し潰されるような圧力に、呼吸一つすらも困難だった。
ヴェイルは目を細め、視界を覆う濃密な霧の向こうを見極めようとする。
だが、その霧は時間と共に濃さを増し、まるで彼を呑み込むために生まれたように蠢いていた。
《……なにこれ……こんなの、絶対におかしい……》
胸の鼓動が激しくなり、冷たい汗がこめかみを伝う。
不安が、静かに、だが確実に彼の精神を侵食していく。
後ずさる。
だが、空間全体が凍りついたかのように、動きすら鈍く感じられた。
――そのときだった。
唐突に、耳を劈くような「笑い声」が響いた。
どこからともなく、いや、全方位から同時に。
ゾッとするような冷たさと狂気を孕んだその音に、ヴェイルの背筋が凍りつく。
魂の芯にまで突き刺さるような、悪意に満ちた笑い。
その冷笑が、彼の膝から力を奪った。
「やめろ……やめてくれ……!」
膝をつき、肩を震わせながら、ヴェイルは頭を抱える。
口から漏れる言葉は弱々しく、呼吸は乱れ、荒い息が霧の中に消えていく。
しかし、嘲笑は止まらなかった。
むしろ、その音は増幅し、空気全体を震わせるほどの共鳴へと変わっていく。
《なんで……なんで逃げられないんだ……!?》
絶望に染まる視線を空へと向ける。
何か、出口を――答えを。
だが、視界のすべては、もう霧によって覆われていた。
まるで嵐のようにうねり、彼の周囲を高く渦巻き始める。
視界は完全に閉ざされ、空間そのものがねじ曲がるような錯覚を覚えた。
ヴェイルはその場で身を回し、必死に“何か”を探す。
逃げ道も、敵の姿も、何も見えない。
だが――
それは現れた。
暗闇の中、ふたつの紅い点が浮かび上がる。
最初は小さく、そしてゆっくりと近づきながら、巨大な存在へと変貌していく。
それは「目」だった。
人智を超えた大きさの、真紅の眼光。
ヴェイルを貫くような圧倒的な“視線”が、彼の心を完全に捉えていた。
《これ……現実じゃない……絶対に夢だ……夢なんだ……!!》
そう思おうとした。
だが、身体は一切動かない。
恐怖が、思考よりも速く全身を支配していた。
次の瞬間、紅の眼の下に、“それ”は口を開いた。
ゆっくりと、だが確実に――
牙。
刃のように鋭く、命を裂くためだけに存在するような牙が、音もなく現れる。
笑っている。
獲物を目の前にして、愉悦に満ちた捕食者の笑み。
逃げなきゃ――そう思っても、足は動かない。
指一本、まばたきすらままならない。
全身が凍りついたように、ただ、その恐怖の象徴を見つめることしかできなかった。
そして――
声が、響いた。
「弱すぎる……役立たずだな……」
それは低く、響き、まるで地響きのように空間に満ちた。
ひとつひとつの言葉が、鋼鉄の槌のように精神を打ち砕く。
耳で聞くのではない。
心の奥深くに、直接“打ち込まれる”声。
それは、明確な悪意だった。
否定、軽蔑、嘲笑――あらゆる負の感情が混ざり合った、悪しき存在の宣告だった。
呼吸が止まる。
胸の奥で鳴り響く心音が、痛みに変わるほど激しかった。
逃げたくても、視線を逸らしたくても――あの目が、ヴェイルの思考を縛りつけて離さない。
鋭い冷気が空気を裂き、その吐息は刃のようにヴェイルの頬を切りつけた。
ぞくりと背筋が痺れ、胃の奥がねじれるような不快感が身体を襲う。
一瞬、沈黙。
その静寂に、ほんのわずかだが希望を抱いた。
だが――
それは、嵐の前の静けさに過ぎなかった。
「哀れな存在だな……ぬくぬくとした繭の中でしか生きられぬ命よ……」
ささやくような、だが心を穿つような声が、今度はすぐ耳元で響いた。
ヴェイルは拳を握る。震える指に力を込めて、どうにか耐えようとする。
だが、その言葉の重みは、彼の意志すら押し潰してしまいそうだった。
「思い出させてやろう……その愚かさをな……」
嘲るような笑い声。
それは、闇そのものが嗤っているかのように、深く、冷たく、響いた。
次の瞬間――
世界が、崩れた。
霧も、赤い水も、血のような空も。
すべてが一瞬で消え去り、闇だけが残された。
視界も、感覚も、すべてが失われる。
上も下も、右も左も分からず、ただ、奈落へと落ちていく感覚だけが続いていた。
《やだ……いやだ……俺は……目を覚まさないと……!》
そう願っても、落下は止まらない。
終わりなき闇の中、ただひとつ残されたのは――あの言葉。
『おまえは……何も持たぬ』
『最初から……何一つ……』
――その声が、ヴェイルの心に染みつくように響き続けた。
……そして、
――ぱちっ。
目が、開いた。
眩しい光が、視界を貫いた。
あまりのまばゆさに、思わず呻き声が漏れる。
「う……っ……」
視界はまだぼやけていたが、そこに浮かび上がる“形”は確かに知っているものだった。
アリニア。
彼女の顔がすぐ近くにあり、耳がピクピクと震えていた。
彼の肩を揺すり、焦ったように声を上げる。
「ちびオオカミ、起きて!」
その呼び声に、ヴェイルの意識がようやく現実へと引き戻されていく。
頬を撫でる風。
小川のせせらぎ。
やわらかな草の感触――
それらすべてが、今は信じられないほど“優しかった”。
「……夢……? いや……これは……違う……」
かすれた声で呟きながら、ヴェイルは上半身を起こした。
だがアリニアは再び、今度は強く彼を揺さぶる。
「立って! 変な気配がする!」
ヴェイルは目を何度か瞬かせ、ようやくはっきりとした意識を取り戻した。
「……ごめん、いつの間にか寝てて……」
そう言いかけた瞬間、アリニアが手を上げて言葉を遮った。
「いいから見なさい!」
その声に込められた緊迫感に、ヴェイルの心が再び緊張を取り戻す。
――悪夢は終わったのか?
それとも、目覚めたこの世界こそが、本当の試練の始まりなのか。
アリニアが、森の奥を指差した。
ヴェイルもそちらへ視線を向けた瞬間、背筋に冷たいものが走る。
地面を這うように、緑がかった霧が音もなく広がっていた。
波のようにゆっくりと迫るその気配は、しかし彼を最も不安にさせたものではなかった。
問題は――
その霧が木々に吸い込まれていくことだった。
木の幹が、軋むような音を立てる。
内側から焼けるように、バキバキと、まるで炎に炙られるかのような音。
次第に空気には、焦げた樹液の臭いが立ち込める。
鼻につくような強烈な刺激臭――嫌悪感すら催すほどの匂い。
「……くっさ……っていうか、ヤバくねこれ……」
ヴェイルが鼻をしかめ、緊張した声で呟いた。
木々の幹が、ゆっくりとねじれる。
異常な現象の中、裂け目のようなヒビが走り、まるで骨が軋むような音を発する。
アリニアはすでに警戒態勢に入っていた。
膝を軽く曲げ、爪を滑らかに展開する。
その視線は一本の木からも外れることなく、いつでも飛びかかれるように身を沈める。
「……罠の匂いがする、ちびオオカミ。」
低く、鋭い声。
ヴェイルはまだ夢の残滓に引きずられながらも、なんとか立ち上がる。
腕の痛みを堪えながら、素早く腰のナイフを抜いた。
そして――思い切り自分の二の腕をつねる。
痛みが走る。
確かに、現実の痛み。
「……現実だ……この痛みが証拠だ……まだ夢じゃない……」
そう自分に言い聞かせながら、彼は再び霧の方へと目を向けた。
そこで、異変はさらに進行していた。
木の幹に走ったヒビが、今度は内側から裂けるように大きく開く。
裂け目から――何かが現れ始めていた。
人の形をした“何か”。
その輪郭が木の中からゆっくりと浮かび上がってくる。
《……なんだよこれ……!?》
その姿はまるで、木から削り出された戦士。
硬質な木で構成された身体は、戦闘のために作られたかのように鋭く、冷たい。
手足には無数の枝が走り、まるで刃のように尖っていた。
手のひらはもう「手」ではなく、細く鋭い木の刃そのもの。
だが――
何より恐ろしかったのは、その「顔」だった。
空洞になった眼窩の奥に、白い幽光がゆらめいている。
感情のない、冷たい光。
そして、その口元は――
裂けるように広がった笑み。
鋭い木片が絡み合い、まるで獰猛な獣の牙のように形作られていた。
「……シルヴォイド……」
アリニアが、震えるような低い声で名を呟いた。
その響きには、ただの警戒だけではなく、どこか記憶の重みが滲んでいた。
「知ってるのか?」
ヴェイルは訝しげに、彼女を見た。
だがアリニアは、目を逸らさず、ただ首を横に振った。
「……噂だけ。戦ったことはない。」
短く、正直な答え。
だが、その声には明確な緊張があった。
彼女は拳を固く握り、指先に伸びた鋭い爪がわずかに光を反射する。
「……しかも、どう倒せばいいのかも分からない。」
その一言が、ヴェイルの背に冷たい汗を走らせた。
空気が一変した。
――緊張が、張り詰めていく。
シルヴォイドたちの数は、想像をはるかに超えていた。
少なくとも五十体以上。
すべての木々の幹から這い出すように出現し、その身体を軋ませながら静かに動いていた。
その動きは、驚くほど滑らかだった。
木でできているはずなのに、まるで有機体のような“生命感”を漂わせながら、じりじりと距離を詰めてくる。
足音はない。
ただ、木が軋むような不快な音だけが、静寂の中に響いていた。
「……数が多すぎる……情報もない……こりゃ最悪のパターンだな」
ヴェイルはナイフを握る手に力を込め、視線を絶えず巡らせる。
位置、距離、風――すべてが敵に有利だった。
地面にたまっていた霧が、ゆっくりと晴れていく。
そこに現れたのは――
並び立つ異形たちの隊列。
完全な包囲網が形成されていた。
そして、ぴたりと足を止めたその全員が――
一斉に、頭を上げた。
虚ろな眼窩が、ヴェイルとアリニアを捕らえる。
空気が凍りつく。
風も音も消え、ただ圧迫感だけが空間を支配した。
――そして。
キィィィィィィ――――ッ!!
甲高い叫び声が、森の奥から響いた。
空気を切り裂くような異音。
それを合図に、すべてのシルヴォイドが腕を大きく振り上げた。
枝の刃が風を裂き、空間そのものを震わせる。
不規則に、だが明確な“敵意”を込めて。
殺気に満ちた予告。
「……よし、完全に敵だな」
ヴェイルは深く息を吸い、ナイフを構え直す。
その目には怯えも混乱もなかった。ただ、覚悟が宿っていた。
「さて……問題しかねぇ状況だが、やるしかないか」
アリニアが彼の隣に並ぶ。
その爪が月光を反射し、淡く光を帯びる。
真剣な眼差しで、目の前の異形たちを睨みつけた。
「準備はいい、ちびオオカミ?」
「……選べる立場に見える?」
苦笑交じりに答えるヴェイルだったが、その声には確かな強さがあった。
シルヴォイドたちは動かない。
しかし、その静寂は――嵐の直前。
ふたたび、鋭い叫び声。
それと同時に、異形たちの枝がざわりと揺れる。
まるで、一斉に息を吸ったかのような、不気味な“予兆”。
アリニアはわずかに膝を曲げ、いつでも飛び出せる体勢を取る。
その双眸は、ただ一瞬の動きも見逃すまいと光を宿していた。
緊張が限界に達する。
空間そのものが息を潜める。
そして――
戦いは、始まろうとしていた。
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