2 / 7
第二章
しおりを挟む
地下への階段を降りていくと、別世界が広がっていた。
松明の明かりに照らされた石造りの空間。そこには、表の世界では見られない様々な店が軒を連ねていた。
「ここは自由市場」
レオンが説明する。
「貴族の縛りも、ギルドの規則もない。実力だけが評価される場所だ」
鍛冶屋、錬金術師、占い師、そして――調香師。
「おお、レオンの兄貴!」
陽気な声と共に、小太りの中年男性が駆け寄ってきた。
「これは珍しい。お嬢ちゃんを連れてくるなんて」
「ジャック、こいつを預かってくれないか。【魂香創成】の使い手だ」
ジャックの表情が変わった。
「本物か? そいつは......」
彼は私の手を取り、爪や指の状態を確認した。
「調合で作った傷跡、香料で染まった皮膚。こりゃあ、相当の使い手だ」
ジャックは満足そうに頷いた。
「ただし、うちの工房を任せるには試験が必要だ。【魂香創成】が本物かどうか、確かめさせてもらう」
ジャックは棚から様々な香料を取り出した。
「『憎悪』の香りを作ってみな」
憎悪の香り。
普通の調香師なら、苦い香料や刺激的な素材を組み合わせるだろう。でも、私の【魂香創成】なら――。
目を閉じて、意識を集中させる。
憎悪とは何か。それは愛情の裏返し。期待の残骸。信頼の墓標。
私は香料を選び始めた。
まず、薔薇の精油。愛の象徴。次に、枯れた百合の花粉。純潔の終わり。そして、焦げた蜂蜜。甘美な記憶の燃えかす。
調合を進めるうちに、自然と手が動いた。これは、私がヴェルディ家で感じていた感情そのものだった。
完成した香水を、ジャックの前に差し出した。
彼が蓋を開けた瞬間、工房の空気が変わった。
「こいつは......!」
ジャックの顔が一気に青ざめた。
「本物だぜ。レオンの兄貴。まさしく憎悪の香りだ。こんなの、普通の調香師には絶対に作れない」
レオンが満足そうに頷いた。
「だから連れてきた」
ジャックは私の肩を叩いた。
「合格だ。今日から、ここがお前の工房だ」
初めて、自分の才能を認めてもらえた。
涙がこみ上げてきた。
「ありがとうございます......」
「礼はいらねえ。これからよろしく頼むぜ、リリアーナ」
その夜、私は工房の片隅で眠った。
固い床だったが、不思議と安心できた。
ここには、私を認めてくれる人たちがいる。
そして――復讐の機会を、待つことにした。
* * *
三日後、私はジャックの試験に合格し、工房の一角を借りることができた。
その日の夕方、レオンが緊急の知らせを持ってきた。
「セシリアが、王太子の婚約者候補に選ばれた」
血の気が引いた。
「でも、なぜ彼女が......」
「お前を陥れた功績、というわけだ」
レオンは苦々しく言った。
「ヴェルディ家は『問題児を排除し、家名を守った』として王宮の覚えがめでたい。その褒美に、セシリアが候補者リストに加えられた」
拳を握りしめる。セシリアは、私を踏み台にして昇っていくのだ。
「さらに、セシリアの側近が裏市場に接触してきた」
レオンは一枚の紙を取り出した。
「選定会で使う特別な香水の依頼だ。報酬は金貨千枚」
「受けるんですか?」
「それを、お前が決めろ」
レオンは私を真っ直ぐ見た。
「これは復讐の機会だ。だが、リスクも高い。選定会で何かあれば、お前はまた追われる身になる」
私は香油の小瓶を取り出した。
セシリアの本性が詰まった、この小瓶。
「私、受けます」
「なぜ? 復讐か?」
「それだけじゃないと思うんです」
私は顔を上げた。
「真実を明らかにしたいんです。セシリアの本当の姿を、皆に見せたい」
レオンは長い間、私を見つめていた。
「......いいだろう。ただし条件がある」
「条件?」
「俺も同行する。お前一人では危険すぎる」
そう言って、レオンは微かに笑った。
「それに、面白そうだからな」
選定会の三日前。
私たちは綿密な準備を進めていた。
「まず、選定会の流れを確認する」
レオンが羊皮紙を広げた。
「午前中に候補者が集合。午後から王太子との面会が始まり、夕方に最終選考。その間、候補者たちは自由時間がある」
「その自由時間に、香水を渡すんですか?」
「いや、もっと前だ」
ジャックが口を挟んだ。
「セシリアの側近から聞いた話じゃ、当日の朝、身支度の時に使いたいそうだ。第一印象で王太子を魅了するつもりらしい」
私は調合台の前に座った。
「なら、時間はたっぷりある。完璧なものを作らないと」
「リリアーナ」
レオンが真剣な表情で言った。
「お前が作ろうとしているのは、人の本性を暴く香水だ。これは諸刃の剣だぞ」
「分かっています」
私は小瓶――セシリアの本性が入った香油――を取り出した。
「でも、これは必要なことです。彼女の本当の姿を、王太子に見せなければ」
「王太子アルベルト殿下は、聡明な方だと聞く」
ジャックが腕を組んだ。
「だが、魔法や特殊なスキルには疎いらしい。香水の効果に気づいてくれるかどうか......」
「大丈夫です」
私は自信を持って言った。
「【魂香創成】で作った香水は、本人以外の誰の目にも――いえ、鼻にも分かるはずです」
調合を始める。
まず、ダマスクローズの精油。愛と美の象徴。
次に、白檀の粉末。神聖さと高貴さの象徴。
そして――セシリアの本性を、一滴。
通常、これらは調和して美しい香りを生む。
けれど、【魂香創成】の力を込めることで、時間差で反応が起きる。
最初は甘美な香り。けれど三十分後、体温と反応して本性が露わになる。
「『真実の薔薇』......完成です」
金色に輝く液体を、小瓶に詰める。
レオンが瓶を手に取り、光に透かして見た。
「見た目は完璧だな。高級品そのものだ」
「ええ。セシリアは必ず使います」
私は微笑んだ。
「彼女は、自分が一番美しく見える香水しか受け入れませんから」
松明の明かりに照らされた石造りの空間。そこには、表の世界では見られない様々な店が軒を連ねていた。
「ここは自由市場」
レオンが説明する。
「貴族の縛りも、ギルドの規則もない。実力だけが評価される場所だ」
鍛冶屋、錬金術師、占い師、そして――調香師。
「おお、レオンの兄貴!」
陽気な声と共に、小太りの中年男性が駆け寄ってきた。
「これは珍しい。お嬢ちゃんを連れてくるなんて」
「ジャック、こいつを預かってくれないか。【魂香創成】の使い手だ」
ジャックの表情が変わった。
「本物か? そいつは......」
彼は私の手を取り、爪や指の状態を確認した。
「調合で作った傷跡、香料で染まった皮膚。こりゃあ、相当の使い手だ」
ジャックは満足そうに頷いた。
「ただし、うちの工房を任せるには試験が必要だ。【魂香創成】が本物かどうか、確かめさせてもらう」
ジャックは棚から様々な香料を取り出した。
「『憎悪』の香りを作ってみな」
憎悪の香り。
普通の調香師なら、苦い香料や刺激的な素材を組み合わせるだろう。でも、私の【魂香創成】なら――。
目を閉じて、意識を集中させる。
憎悪とは何か。それは愛情の裏返し。期待の残骸。信頼の墓標。
私は香料を選び始めた。
まず、薔薇の精油。愛の象徴。次に、枯れた百合の花粉。純潔の終わり。そして、焦げた蜂蜜。甘美な記憶の燃えかす。
調合を進めるうちに、自然と手が動いた。これは、私がヴェルディ家で感じていた感情そのものだった。
完成した香水を、ジャックの前に差し出した。
彼が蓋を開けた瞬間、工房の空気が変わった。
「こいつは......!」
ジャックの顔が一気に青ざめた。
「本物だぜ。レオンの兄貴。まさしく憎悪の香りだ。こんなの、普通の調香師には絶対に作れない」
レオンが満足そうに頷いた。
「だから連れてきた」
ジャックは私の肩を叩いた。
「合格だ。今日から、ここがお前の工房だ」
初めて、自分の才能を認めてもらえた。
涙がこみ上げてきた。
「ありがとうございます......」
「礼はいらねえ。これからよろしく頼むぜ、リリアーナ」
その夜、私は工房の片隅で眠った。
固い床だったが、不思議と安心できた。
ここには、私を認めてくれる人たちがいる。
そして――復讐の機会を、待つことにした。
* * *
三日後、私はジャックの試験に合格し、工房の一角を借りることができた。
その日の夕方、レオンが緊急の知らせを持ってきた。
「セシリアが、王太子の婚約者候補に選ばれた」
血の気が引いた。
「でも、なぜ彼女が......」
「お前を陥れた功績、というわけだ」
レオンは苦々しく言った。
「ヴェルディ家は『問題児を排除し、家名を守った』として王宮の覚えがめでたい。その褒美に、セシリアが候補者リストに加えられた」
拳を握りしめる。セシリアは、私を踏み台にして昇っていくのだ。
「さらに、セシリアの側近が裏市場に接触してきた」
レオンは一枚の紙を取り出した。
「選定会で使う特別な香水の依頼だ。報酬は金貨千枚」
「受けるんですか?」
「それを、お前が決めろ」
レオンは私を真っ直ぐ見た。
「これは復讐の機会だ。だが、リスクも高い。選定会で何かあれば、お前はまた追われる身になる」
私は香油の小瓶を取り出した。
セシリアの本性が詰まった、この小瓶。
「私、受けます」
「なぜ? 復讐か?」
「それだけじゃないと思うんです」
私は顔を上げた。
「真実を明らかにしたいんです。セシリアの本当の姿を、皆に見せたい」
レオンは長い間、私を見つめていた。
「......いいだろう。ただし条件がある」
「条件?」
「俺も同行する。お前一人では危険すぎる」
そう言って、レオンは微かに笑った。
「それに、面白そうだからな」
選定会の三日前。
私たちは綿密な準備を進めていた。
「まず、選定会の流れを確認する」
レオンが羊皮紙を広げた。
「午前中に候補者が集合。午後から王太子との面会が始まり、夕方に最終選考。その間、候補者たちは自由時間がある」
「その自由時間に、香水を渡すんですか?」
「いや、もっと前だ」
ジャックが口を挟んだ。
「セシリアの側近から聞いた話じゃ、当日の朝、身支度の時に使いたいそうだ。第一印象で王太子を魅了するつもりらしい」
私は調合台の前に座った。
「なら、時間はたっぷりある。完璧なものを作らないと」
「リリアーナ」
レオンが真剣な表情で言った。
「お前が作ろうとしているのは、人の本性を暴く香水だ。これは諸刃の剣だぞ」
「分かっています」
私は小瓶――セシリアの本性が入った香油――を取り出した。
「でも、これは必要なことです。彼女の本当の姿を、王太子に見せなければ」
「王太子アルベルト殿下は、聡明な方だと聞く」
ジャックが腕を組んだ。
「だが、魔法や特殊なスキルには疎いらしい。香水の効果に気づいてくれるかどうか......」
「大丈夫です」
私は自信を持って言った。
「【魂香創成】で作った香水は、本人以外の誰の目にも――いえ、鼻にも分かるはずです」
調合を始める。
まず、ダマスクローズの精油。愛と美の象徴。
次に、白檀の粉末。神聖さと高貴さの象徴。
そして――セシリアの本性を、一滴。
通常、これらは調和して美しい香りを生む。
けれど、【魂香創成】の力を込めることで、時間差で反応が起きる。
最初は甘美な香り。けれど三十分後、体温と反応して本性が露わになる。
「『真実の薔薇』......完成です」
金色に輝く液体を、小瓶に詰める。
レオンが瓶を手に取り、光に透かして見た。
「見た目は完璧だな。高級品そのものだ」
「ええ。セシリアは必ず使います」
私は微笑んだ。
「彼女は、自分が一番美しく見える香水しか受け入れませんから」
15
あなたにおすすめの小説
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。
しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
公爵家の家政を10年回した私が出ていったら、3ヶ月で領地が破綻しました
歩人
ファンタジー
エレナは公爵家に嫁いで10年、夫は愛人に入れ込み、義母には「家政婦代わり」と
罵られた。だが領地の財務も、商会との交渉も、使用人の管理も、全部エレナが
やっていた。ある日、義母から「あなたの代わりなんていくらでもいる」と言われ、
エレナは静かに離縁届を出した。「では、代わりの方にお任せください」
辺境の町で小さな商会を開いたエレナ。10年間の実務経験は伊達ではなかった。
商会はたちまち繁盛する。一方、エレナがいなくなった公爵家は3ヶ月で経営破綻。
元夫が「戻ってこい」と泣きつくが——
「お断りです。あと、10年分の未払い給金を請求いたしますね」
無能と婚約破棄された公爵令嬢ですが、冷徹皇帝は有能より“無害”を選ぶそうです
鷹 綾
恋愛
「君は普通だ。……いや、普通以下だ」
王太子にそう言われ、婚約を破棄された公爵令嬢フォウ。
王国でも屈指の有能一族に生まれながら、彼女だけは“平凡”。
兄は天才、妹は可憐で才色兼備、両親も社交界の頂点――
そんな家の中で「普通」は“無能”と同義だった。
王太子が選んだのは、有能で華やかな妹。
だがその裏で、兄は教会を敵に回し、父は未亡人の名誉を踏みにじり、母は国家機密を売り、妹は不貞を重ね、そして王太子は――王を越えようとした。
越えた者から崩れていく。
やがて王太子は廃嫡、公爵家は解体。
ただ一人、何も奪わず、何も越えなかったフォウだけが切り離される。
そんな彼女に手を差し伸べたのは、隣国の若き冷徹皇帝。
「有能は制御が難しい。無害のほうが使える」
駒として選ばれたはずの“無能な令嬢”。
けれど――
越えなかった彼女こそ、最後まで壊れなかった。
崖からポイ捨てされた不運令嬢ですが、銀髪イケメン竜王に『最愛の伴侶』としてスカウトされました!
有賀冬馬
恋愛
不作も天災も、全部わたしのせい!?
「不運な女」と虐げられ、生贄として崖から捨てられたわたし、ミラ。
でも、落ちた先で待っていたのは、まぶしいほど綺麗な銀髪の竜王・アルベルト様でした!
「君がいたから、この国は守られていたんだよ」
えっ、わたしって実はすごい聖女だったの!?
竜宮城で贅沢三昧&溺愛生活スタート!
そんな中、わたしを捨てて大ピンチになった元婚約者が「ミラ、戻ってきて!」と泣きついてきて……。
婚約破棄された宰相です。 正直、婚約者も宰相も辞めたかったので丁度よかったです
鍛高譚
恋愛
内容紹介
「婚約破棄だ! そして宰相もクビだ!」
王宮の舞踏会で突然そう宣言したのは、女性問題を繰り返す問題王太子ユリウス。
婚約者であり王国宰相でもあるレティシアは、静かに答えた。
「かしこまりました」
――正直、本当に辞めたかったので。
これまで王太子の女性問題の後始末、慰謝料交渉、教会対応、社交界の火消し……
すべて押し付けられていたレティシアは、婚約も宰相職もあっさり辞任。
そしてその瞬間――
王宮が止まった。
料理人が動かない。
書類が処理されない。
伝令がいない。
ついにはトイレの汚物回収まで止まり、王宮は大混乱。
さらに王太子の新たな女性問題が発覚し、教会は激怒。
噂は王都中に広がり、王宮は完全に統治不能に。
そしてついに――
教会・貴族・王家が下した決断は、
「王太子廃嫡」
そして。
「レティシア、女王即位」
婚約破棄して宰相をクビにした結果、
王宮を止めてしまった元王太子の末路とは――?
これは、婚約破棄された宰相が女王になるまでの
完全自業自得ざまぁ物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる