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第一章 元魔王幹部アラブット蹂躙編
魔王の娘、治療する
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ドラゴンの治療は大変だった。
まず鱗があるのが大変で邪魔であり、その向こうにある傷まで届かないのだ。
だから、血が出ている部分の鱗を剥ぐところから作業は始まった。
鱗をはがすと、ドラゴンの口からうめき声が漏れる。気絶していて本当に良かったと思う。
人間でいうところの皮膚を剥がしているようなものだろう。それを麻酔や魔術なしで行っているのだ。
意識があるならきっと耐えれるものではない。
鱗を剥ぎ終わると、血が流れ出ている切り傷や、矢傷があらわになる。
それはとても凄惨な状態であった。
何度も同じ部分だけを狙って攻撃されているのだ。
戦闘する際に、そういったことを俺も行う。
だが、いざその傷跡を見ると、どれだけのむごいことをしているのかに気づかされるのだ。
隣で見ていたセーラはその表情をさらに青ざめさせる。
おそらく、俺も似たような顔色になっていることだろう。
ゴブリンやリザードマンの手を借り、ドラゴンの体にポーションをふりかけ、軟膏を塗りこんでいく。ここまではよかったのだ、ここまでは。
最後の段階になって俺たちは気づいた。
その巨大な殻には包帯を巻いたりすることができないのだ。
そもそも体を持ち上げながらの作業はこちらの体力的に厳しい。魔物舎の隣まで運んでくるのにも一苦労だったのだ。
滑車で吊り下げる方法を考えたが、この重量に耐えるものがこの牧場には存在していない。
だから、俺は延々と悩んだ末に、一人の少女を頼ることにしたのだった。
「えっ、わたくしですか?」
赤い髪をお団子にまとめ、そこからツインテールのように髪を垂らした女の子。
こちらを向いているルビーの瞳は大きく見開かれ、驚きの色を隠せなかった。
そして、体の前で手を左右に大きく振る。
「で、できませんわ。わたくしの実力を知っているでしょう?」
「できないじゃないんだ、セーラがやるんだよ」
「そんな、わたくしには無理ですわ」
彼女は自信を無くしている。ここにきてから失敗を繰り返すことで、その心は折れてしまったのだ。
だから、一つでも成功体験をしてほしいのだ。
徐々にでき始めていた魔力操作の感覚、それはきっと彼女もわかっているだろう。
体調が万全である今の彼女なら、できるかもしれない。
ドラゴンを利用するようで申し訳ないのだが、しかし、彼女に自信をつけてもらうにはうってつけの機会である。
それにただ破壊するような戦闘用の魔法ではなく、ただ操作する類のものだ。
だから、きっとうまくいく。
俺はそう信じていた。
俺は何も言わずに彼女を見つめる。
言葉は多分、必要じゃない。
必要なのは、信頼だ。
俺が彼女を信頼しているということ、彼女は信頼されているということ、それはプレッシャーにもなるが、反対に自己肯定感にもつながる。
任されるということはとても大切なことなのである。
だから、俺は何も言わなかった。彼女もまた、逃げたりはしなかった。
ただ一言、こんなことを呟くのみである。
「……どうなっても知りませんからね」
そしてセーラは、俺たちの前に立ち、魔力を練り始める。
ただ、さすがに暴走がまた起こってしまっては困るので、俺はこっそりと魔法の使える魔物たちを集め、サポートをするように指示を出しておいた。
リザードマンたちが頷き、同じように魔力を練り始める。
目の前のセーラは集中していた。
ドラゴンから視点を一切動かさず、気持ちを切らさず、あり続けていた。
そして、魔力が練り終わる段階で、白い指先が辿るべき順序を導き始める。
ふわりと、竜の巨体が宙に上がった。
そして、籠の中に置かれていた包帯がひとりでに動き始め、傷に沿って巻かれ始める。
それは一種の美しい舞いを見ているように俺は感じた。
魔法の暴発、その兆候はまだ表れていない。
包帯や竜がどこか遠くに飛んで行ったり、辺りのものが乱雑に動き回ったり、そんな様子は一つもないのである。
セーラの額に、汗がにじむ。そして、その混じりけのない水滴はつぅと滑るように流れていく。危ないことに目に入ってしまいそうであった。
だから、俺はとっさにハンカチで彼女の汗をぬぐって見せる。
余計なことをしてしまい、動作が乱れてしまうかもしれなかった。その恐れは確かに存在した。
気づいてしまったときに魔物舎の立て直しを覚悟していた。
しかし、包帯を巻く操作の魔法に一矢の乱れはなかったのだった。
作業が終わり、竜の体が地面に降ろされる。
セーラは安堵からか、肩をわなわなと震わせていた。何事もなく完了したのがうれしかったのもあるかもしれない。
その証拠に次の瞬間にはこちらを振り返り、満面の笑みを浮かべているのだった。
「やりました! わりましたわよ、ウォレン!」
「あぁ、やったな!」
勢いのまま、セーラはこちらへと駆け寄り、腕を広げて飛びついてくる。
その動作に俺は少しためらいを覚えたが、同じように返すことにしたのだった。
強く抱きしめあうと、彼女は俺の胸に頭を擦り付ける。
「ようやく、ようやく魔法をちゃんと使えましたわ!」
「セーラの頑張りの成果だよ、胸張っていいぞ」
セーラにラビーニャやレズバほどの暴力がなくてよかったと思う。
体の線が細いため、余計な感情を抱きにくい――――――抱きにくいはずだった。
だけれども、セーラの熱い体温や息遣い、そして鼻腔をくすぐる甘い香りが俺の胸を高ぶらせるのだ。
しかし、それは不思議と温かく、そして切なさの両面を持っているのだ。
俺はその感情の名前を知らない。それでも嫌な気持ちではないことは確かだった。
「ふふっ、ウォレン、顔が真っ赤よ」
「セーラも同じだよ、こんな近い距離だから誤魔化せないな」
「わ、わたくしのは返り血ですわ」
どこに頬だけ淡く染めるような返り血があるというのだろうか。
しかし、その嘘に乗っかるのも悪くない選択である。
「そうだな、じゃあ俺のも返り血だ」
「そうですか、兄さん。それが本当になるかもしれないですね」
「あー、奥様だけずるいんだぁ、レズバもレズバもー」
「……自分、不器用ですから」
訓練場の修復が終わったからか、二匹と一人がそんなことを言いながら俺たちの周りに集まってくる。
そして、舌を出し、尻尾を振っているポチ太も近くでお座りをしていた。
「兄さん、ちょっとその女と近くありませんか? 今度こそ言い逃れできなくありませんか?」
「落ち着けラビーニャ、これには深い理由があってだな」
「そ、そうですわよ、これはウォレンから抱き着いてきたのであって……」
「おいセーラ、なに俺を売ろうとしているんだ!?」
瞳から光を失われたラビーニャを前に、俺たちの顔色は赤から青へと変化する。
ゆらゆらと揺れ、木刀を構えて見せる彼女に、俺たちは凍てつき抱き着いたままの状態で膠着してしまったのだ。
「はい、妹ちゃんはそこでストップー」
ラビーニャの体に、白い糸がまとわりつきその動きが止まる。
木刀にも糸はついており、それに引っ張られるように宙を舞う。その終着点はレズバの手の中であった。
俺の中でのレズバの評価が急上昇である。
「ちょっとレズバ、さっき兄さん大好き同盟を組んだところでしょ!」
「自分、不器用ですから……」
「サムトには聞いてないです!」
壁にもたれ、片足を上げたリザードマンは渋く答えて見せていたが、そのタイミングはとても微妙である。
彼も恐ろしい同盟に加入しているということなのだろうか、あまり考えたくはない。
そんなこんなワーキャーと騒ぎ、軽く収集がつかなくなったところで、レズバは手をパンッとたたく。
「はいみんな落ち着いてー、レズバ的にはこのおっきなドラゴンのことを聞きたいんだけど」
「よ、ようやくまともな奴が近くに来た……」
彼女の場をまとめようとする姿に俺は感動しそんなことを口走る。
すると二方向から、なにやら突っ込みが入るのだった。
「わたくしが一番まともではなくて!?」
「兄さんの一番は私なんですが!?」
そして、もう一つくぐもった声が聞こえた。その声に俺たちはいっせいに同じ方向を見る。
発生源は、包帯を巻かれたドラゴン、その口からだったのである。
「うるさいですね……」
まず鱗があるのが大変で邪魔であり、その向こうにある傷まで届かないのだ。
だから、血が出ている部分の鱗を剥ぐところから作業は始まった。
鱗をはがすと、ドラゴンの口からうめき声が漏れる。気絶していて本当に良かったと思う。
人間でいうところの皮膚を剥がしているようなものだろう。それを麻酔や魔術なしで行っているのだ。
意識があるならきっと耐えれるものではない。
鱗を剥ぎ終わると、血が流れ出ている切り傷や、矢傷があらわになる。
それはとても凄惨な状態であった。
何度も同じ部分だけを狙って攻撃されているのだ。
戦闘する際に、そういったことを俺も行う。
だが、いざその傷跡を見ると、どれだけのむごいことをしているのかに気づかされるのだ。
隣で見ていたセーラはその表情をさらに青ざめさせる。
おそらく、俺も似たような顔色になっていることだろう。
ゴブリンやリザードマンの手を借り、ドラゴンの体にポーションをふりかけ、軟膏を塗りこんでいく。ここまではよかったのだ、ここまでは。
最後の段階になって俺たちは気づいた。
その巨大な殻には包帯を巻いたりすることができないのだ。
そもそも体を持ち上げながらの作業はこちらの体力的に厳しい。魔物舎の隣まで運んでくるのにも一苦労だったのだ。
滑車で吊り下げる方法を考えたが、この重量に耐えるものがこの牧場には存在していない。
だから、俺は延々と悩んだ末に、一人の少女を頼ることにしたのだった。
「えっ、わたくしですか?」
赤い髪をお団子にまとめ、そこからツインテールのように髪を垂らした女の子。
こちらを向いているルビーの瞳は大きく見開かれ、驚きの色を隠せなかった。
そして、体の前で手を左右に大きく振る。
「で、できませんわ。わたくしの実力を知っているでしょう?」
「できないじゃないんだ、セーラがやるんだよ」
「そんな、わたくしには無理ですわ」
彼女は自信を無くしている。ここにきてから失敗を繰り返すことで、その心は折れてしまったのだ。
だから、一つでも成功体験をしてほしいのだ。
徐々にでき始めていた魔力操作の感覚、それはきっと彼女もわかっているだろう。
体調が万全である今の彼女なら、できるかもしれない。
ドラゴンを利用するようで申し訳ないのだが、しかし、彼女に自信をつけてもらうにはうってつけの機会である。
それにただ破壊するような戦闘用の魔法ではなく、ただ操作する類のものだ。
だから、きっとうまくいく。
俺はそう信じていた。
俺は何も言わずに彼女を見つめる。
言葉は多分、必要じゃない。
必要なのは、信頼だ。
俺が彼女を信頼しているということ、彼女は信頼されているということ、それはプレッシャーにもなるが、反対に自己肯定感にもつながる。
任されるということはとても大切なことなのである。
だから、俺は何も言わなかった。彼女もまた、逃げたりはしなかった。
ただ一言、こんなことを呟くのみである。
「……どうなっても知りませんからね」
そしてセーラは、俺たちの前に立ち、魔力を練り始める。
ただ、さすがに暴走がまた起こってしまっては困るので、俺はこっそりと魔法の使える魔物たちを集め、サポートをするように指示を出しておいた。
リザードマンたちが頷き、同じように魔力を練り始める。
目の前のセーラは集中していた。
ドラゴンから視点を一切動かさず、気持ちを切らさず、あり続けていた。
そして、魔力が練り終わる段階で、白い指先が辿るべき順序を導き始める。
ふわりと、竜の巨体が宙に上がった。
そして、籠の中に置かれていた包帯がひとりでに動き始め、傷に沿って巻かれ始める。
それは一種の美しい舞いを見ているように俺は感じた。
魔法の暴発、その兆候はまだ表れていない。
包帯や竜がどこか遠くに飛んで行ったり、辺りのものが乱雑に動き回ったり、そんな様子は一つもないのである。
セーラの額に、汗がにじむ。そして、その混じりけのない水滴はつぅと滑るように流れていく。危ないことに目に入ってしまいそうであった。
だから、俺はとっさにハンカチで彼女の汗をぬぐって見せる。
余計なことをしてしまい、動作が乱れてしまうかもしれなかった。その恐れは確かに存在した。
気づいてしまったときに魔物舎の立て直しを覚悟していた。
しかし、包帯を巻く操作の魔法に一矢の乱れはなかったのだった。
作業が終わり、竜の体が地面に降ろされる。
セーラは安堵からか、肩をわなわなと震わせていた。何事もなく完了したのがうれしかったのもあるかもしれない。
その証拠に次の瞬間にはこちらを振り返り、満面の笑みを浮かべているのだった。
「やりました! わりましたわよ、ウォレン!」
「あぁ、やったな!」
勢いのまま、セーラはこちらへと駆け寄り、腕を広げて飛びついてくる。
その動作に俺は少しためらいを覚えたが、同じように返すことにしたのだった。
強く抱きしめあうと、彼女は俺の胸に頭を擦り付ける。
「ようやく、ようやく魔法をちゃんと使えましたわ!」
「セーラの頑張りの成果だよ、胸張っていいぞ」
セーラにラビーニャやレズバほどの暴力がなくてよかったと思う。
体の線が細いため、余計な感情を抱きにくい――――――抱きにくいはずだった。
だけれども、セーラの熱い体温や息遣い、そして鼻腔をくすぐる甘い香りが俺の胸を高ぶらせるのだ。
しかし、それは不思議と温かく、そして切なさの両面を持っているのだ。
俺はその感情の名前を知らない。それでも嫌な気持ちではないことは確かだった。
「ふふっ、ウォレン、顔が真っ赤よ」
「セーラも同じだよ、こんな近い距離だから誤魔化せないな」
「わ、わたくしのは返り血ですわ」
どこに頬だけ淡く染めるような返り血があるというのだろうか。
しかし、その嘘に乗っかるのも悪くない選択である。
「そうだな、じゃあ俺のも返り血だ」
「そうですか、兄さん。それが本当になるかもしれないですね」
「あー、奥様だけずるいんだぁ、レズバもレズバもー」
「……自分、不器用ですから」
訓練場の修復が終わったからか、二匹と一人がそんなことを言いながら俺たちの周りに集まってくる。
そして、舌を出し、尻尾を振っているポチ太も近くでお座りをしていた。
「兄さん、ちょっとその女と近くありませんか? 今度こそ言い逃れできなくありませんか?」
「落ち着けラビーニャ、これには深い理由があってだな」
「そ、そうですわよ、これはウォレンから抱き着いてきたのであって……」
「おいセーラ、なに俺を売ろうとしているんだ!?」
瞳から光を失われたラビーニャを前に、俺たちの顔色は赤から青へと変化する。
ゆらゆらと揺れ、木刀を構えて見せる彼女に、俺たちは凍てつき抱き着いたままの状態で膠着してしまったのだ。
「はい、妹ちゃんはそこでストップー」
ラビーニャの体に、白い糸がまとわりつきその動きが止まる。
木刀にも糸はついており、それに引っ張られるように宙を舞う。その終着点はレズバの手の中であった。
俺の中でのレズバの評価が急上昇である。
「ちょっとレズバ、さっき兄さん大好き同盟を組んだところでしょ!」
「自分、不器用ですから……」
「サムトには聞いてないです!」
壁にもたれ、片足を上げたリザードマンは渋く答えて見せていたが、そのタイミングはとても微妙である。
彼も恐ろしい同盟に加入しているということなのだろうか、あまり考えたくはない。
そんなこんなワーキャーと騒ぎ、軽く収集がつかなくなったところで、レズバは手をパンッとたたく。
「はいみんな落ち着いてー、レズバ的にはこのおっきなドラゴンのことを聞きたいんだけど」
「よ、ようやくまともな奴が近くに来た……」
彼女の場をまとめようとする姿に俺は感動しそんなことを口走る。
すると二方向から、なにやら突っ込みが入るのだった。
「わたくしが一番まともではなくて!?」
「兄さんの一番は私なんですが!?」
そして、もう一つくぐもった声が聞こえた。その声に俺たちはいっせいに同じ方向を見る。
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