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プロッシモ村の『シスターズ』
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「この後、どうしようね。」
このまま『シスターズ』の世話になるわけにはいかないだろう。
それならば、ここから立ち去り次を目指すべきではないだろうか?
「……どうするって……どうするのよ。」
「キクリさんはどうしたいんですか?」
ロココ、イオリがキクリに尋ねる。
恐らく、二人とも彼女の意思を尊重して今後を決めていこうと考えているのだろう。
キクリが望むこと。
それは、ここをすぐに出て首都キャピタルへ向かうことではなかった。
「……もう少し、ここを見たいな。」
それが、彼女の本心であった。
彼女の言葉はイオリ、ロココにのみ届いたわけではなかった。
そして、言葉が紡がれる。
「き、キクリ氏……!よ、良かったらだが私が村内を案内しようか……?」
願ってもない提案だ。
それは、アイの口から飛び出たものであった。
その言葉、そしてその視線。
それらは全て、キクリのみに向けられたものであった。
つまり、彼女以外の存在は眼中にないということだ。
そんな思惑など露知らず。
彼女の返答など、決まりきっていた。
「是非っ!是非お願いっ!」
「私もっ!私もお姉ちゃんとキクリさんの観光のお手伝いしたい!」
アヤメも掩護射撃をする。
「……全く、私達の意見は聞かないのね。」
「あはは、まぁ、キクリさんが楽しそうだし良いじゃん。」
イオリ、ロココもそれを否定する理由はない。
そうなれば、話は早い。
今後どうすべきか。
その答えは、この場にいる皆の共通認識となっていた。
朝食も済ませ、外出する準備が出来た。
五人は扉を開け、外へ向かうのであった。
プロッシモ村は、イオリ達のいたプリメロ村と同じ雰囲気。
最初は彼女らもそう思っていた。
しかし、全く違った。
「うわー……!うわー……!凄い!凄いわ!キクリ、見なさいよ!これ凄いわ!」
目をキラキラと輝かせるロココ。
店先の商品を手に取り、キクリに見せていた。
先ほどまではあくまでもキクリの付き添いという体であった。
しかし、今ではそれも逆転し、ロココが彼女を連れ回している構図となっていた。
「ふふふ、そうだね、凄いね。」
ニコニコ彼女の幸せそうな姿に笑みが溢れるキクリ。
「でしょでしょ!私が見つけたんだからね!」
フンス!
鼻息荒く得意げにロココが更に言葉を繋げる。
「うんうん、ロココちゃんは凄いね。」
まるで小さな子供に対応する大人だ。
このまま『シスターズ』の世話になるわけにはいかないだろう。
それならば、ここから立ち去り次を目指すべきではないだろうか?
「……どうするって……どうするのよ。」
「キクリさんはどうしたいんですか?」
ロココ、イオリがキクリに尋ねる。
恐らく、二人とも彼女の意思を尊重して今後を決めていこうと考えているのだろう。
キクリが望むこと。
それは、ここをすぐに出て首都キャピタルへ向かうことではなかった。
「……もう少し、ここを見たいな。」
それが、彼女の本心であった。
彼女の言葉はイオリ、ロココにのみ届いたわけではなかった。
そして、言葉が紡がれる。
「き、キクリ氏……!よ、良かったらだが私が村内を案内しようか……?」
願ってもない提案だ。
それは、アイの口から飛び出たものであった。
その言葉、そしてその視線。
それらは全て、キクリのみに向けられたものであった。
つまり、彼女以外の存在は眼中にないということだ。
そんな思惑など露知らず。
彼女の返答など、決まりきっていた。
「是非っ!是非お願いっ!」
「私もっ!私もお姉ちゃんとキクリさんの観光のお手伝いしたい!」
アヤメも掩護射撃をする。
「……全く、私達の意見は聞かないのね。」
「あはは、まぁ、キクリさんが楽しそうだし良いじゃん。」
イオリ、ロココもそれを否定する理由はない。
そうなれば、話は早い。
今後どうすべきか。
その答えは、この場にいる皆の共通認識となっていた。
朝食も済ませ、外出する準備が出来た。
五人は扉を開け、外へ向かうのであった。
プロッシモ村は、イオリ達のいたプリメロ村と同じ雰囲気。
最初は彼女らもそう思っていた。
しかし、全く違った。
「うわー……!うわー……!凄い!凄いわ!キクリ、見なさいよ!これ凄いわ!」
目をキラキラと輝かせるロココ。
店先の商品を手に取り、キクリに見せていた。
先ほどまではあくまでもキクリの付き添いという体であった。
しかし、今ではそれも逆転し、ロココが彼女を連れ回している構図となっていた。
「ふふふ、そうだね、凄いね。」
ニコニコ彼女の幸せそうな姿に笑みが溢れるキクリ。
「でしょでしょ!私が見つけたんだからね!」
フンス!
鼻息荒く得意げにロココが更に言葉を繋げる。
「うんうん、ロココちゃんは凄いね。」
まるで小さな子供に対応する大人だ。
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