139 / 151
19
19ー6
しおりを挟む
誤魔化すような笑いをする二人。
これはチャンスだ。
エルの脳内に、一つのアイディアが浮かんだ。
「う、うぅ……かすみさん、聞いて下さい……。」
ヨロヨロ……。
わざとらしくよろけて見せるかすみ。
つい先ほどまでこんな様子ではなかった。
それは、誰がどう見ても演技だと分かるものだ。
しかし、ただ一人の例外を除いて、であった。
「だ、大丈夫!?ガ、ガラス刺さってる……!早く取らないと!」
エルの身体へ手を伸ばすかすみ。
一刻も早くガラス片を取り除かなくてはならない。
そのことで頭がいっぱいになってしまっていた。
「か、かすみさん、駄目です!待って下さい!素手は危ないです!」
「っ!?」
エルの忠告は、一歩遅かった。
かすみの指先に破片が刺さり、少量の血がぷつりと浮かんだ。
「……か、かすみちゃんっ!」
「かすみ!無事!?」
大慌てな二人。
必死の形相で、床に落ちている無数の破片を踏み、彼女へと近づいた。
土足のままなので、きっと怪我はないだろう。
「だ、大丈夫だよ、ちょっと刺さっちゃっただけだから……。心配かけてごめんね。」
彼女らの慌てように動揺しながらかすみが言う。
「……あ、あぁ……私のせいだ……。どうすれば償える……?……切腹?」
「何てこと……何てこと……。医者……医者を呼ばないと……。」
真っ青な顔でボソボソと呟くゆかりと美咲。
二人のそれは、些か大袈裟な気がするかすみ。
「ば、絆創膏持ってきます!」
そう言うと、エルが急いで部屋から出ようとする。
「ま、待って、エルちゃん!」
ある考えが浮かぶかすみ。
彼女自身、悪くないと感じるアイディアだ。
「何ですか?」
首だけ彼女の方を向き、止まるエル。
今にも走っていきたいというのを必死に抑えてその呼び止めに応じたようだ。
「本当にそんな大袈裟なものじゃないから……ね?」
まずは落ち着いてもらわなければ困る。
「で、ですが……。」
「ならさ……。」
ずいっ。
出血している指先をエルへと向ける。
「か、かすみさん?」
「舐めて?ほら、血が出た時に、止血する為によくやるでしょ?」
「え?え?え?」
混乱するエル。
それが限界まで達し、ぐるぐると目が回っているようだ。
「……っ!?」
「なっ!?」
一方ゆかりと美咲は、驚愕の表情を浮かべている。
そして、そのまま動きを止めてしまった。
これはチャンスだ。
エルの脳内に、一つのアイディアが浮かんだ。
「う、うぅ……かすみさん、聞いて下さい……。」
ヨロヨロ……。
わざとらしくよろけて見せるかすみ。
つい先ほどまでこんな様子ではなかった。
それは、誰がどう見ても演技だと分かるものだ。
しかし、ただ一人の例外を除いて、であった。
「だ、大丈夫!?ガ、ガラス刺さってる……!早く取らないと!」
エルの身体へ手を伸ばすかすみ。
一刻も早くガラス片を取り除かなくてはならない。
そのことで頭がいっぱいになってしまっていた。
「か、かすみさん、駄目です!待って下さい!素手は危ないです!」
「っ!?」
エルの忠告は、一歩遅かった。
かすみの指先に破片が刺さり、少量の血がぷつりと浮かんだ。
「……か、かすみちゃんっ!」
「かすみ!無事!?」
大慌てな二人。
必死の形相で、床に落ちている無数の破片を踏み、彼女へと近づいた。
土足のままなので、きっと怪我はないだろう。
「だ、大丈夫だよ、ちょっと刺さっちゃっただけだから……。心配かけてごめんね。」
彼女らの慌てように動揺しながらかすみが言う。
「……あ、あぁ……私のせいだ……。どうすれば償える……?……切腹?」
「何てこと……何てこと……。医者……医者を呼ばないと……。」
真っ青な顔でボソボソと呟くゆかりと美咲。
二人のそれは、些か大袈裟な気がするかすみ。
「ば、絆創膏持ってきます!」
そう言うと、エルが急いで部屋から出ようとする。
「ま、待って、エルちゃん!」
ある考えが浮かぶかすみ。
彼女自身、悪くないと感じるアイディアだ。
「何ですか?」
首だけ彼女の方を向き、止まるエル。
今にも走っていきたいというのを必死に抑えてその呼び止めに応じたようだ。
「本当にそんな大袈裟なものじゃないから……ね?」
まずは落ち着いてもらわなければ困る。
「で、ですが……。」
「ならさ……。」
ずいっ。
出血している指先をエルへと向ける。
「か、かすみさん?」
「舐めて?ほら、血が出た時に、止血する為によくやるでしょ?」
「え?え?え?」
混乱するエル。
それが限界まで達し、ぐるぐると目が回っているようだ。
「……っ!?」
「なっ!?」
一方ゆかりと美咲は、驚愕の表情を浮かべている。
そして、そのまま動きを止めてしまった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる