今日も部室はそれなりに盛り上がる

まずはじめに

　突然だが、君に1つ質問をしたい。






　『日常』とはなにかを考えたことがあるだろうか？




　ズバリ正解を言うとすれば、それは『普段の生活』、『普通である』ということだ。





　だがしかし、『日常』とは人それぞれで異なったものだ。





　たとえば日本人の子供の場合、毎日3時におやつを食べる。
これは『日常』だ。






　しかし、もしもこの子供が、貧困の国の小さな村に生まれた子供だったとしたら？

　その日の食事すら食べられないかもしれない状況で、おやつを食べたとすればその子供にとって、それは『日常』だろうか？


　いいや、これは『非日常』となるのだ。







　このように、自分にとっての『日常』が他者からすれば『非日常』である可能性もあるのだ。

　つまり、人間には多種多様な『日常』が存在するということだ。









　―ここは麗鳳れいほう女子高等学校。
　通称 麗高れいこう。





　この女子高には他の学校には決して存在しないある部活が存在する。

　H 日々の状況を
　H 報告し
　H 発表する部活

　その名も『HHHスリェッチ』。

　


　日々の生活の中で起こった出来事を発表しあい、人間が送るべき『日常』とは何なのかを探求する部活動である。





　普通の女子校生なら、日常会話など休み時間や放課後にするものであろう。





　しかし、彼女らはわざわざ部活を作り、そこでのみ『日常』について語り合っている。

　それは一体なぜか？





　答えは簡単。
周りの者から見れば彼女らの『日常』は『非日常』であるからだ。







　おっと。


　どうやら今日のミーティングが始まったらしい。
　少し覗いて見るとしよう。



　今日も部室はそれなりに盛り上がっているようだ・・・。