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第六章「大樹の騒めき」
第193話 暖かな見送り
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銃の組み立てが終わり、カップが空になった頃、両手にハンガーに掛けたローブとスーツ、それにネクタイをを持ったルサールカがやって来た。
「双魔さん、乾いたわよー!」
「ああ、ありがとうございます」
双魔は椅子から立ち上がるとまずネクタイを受け取り、置いてあった姿見を確認しながらきっちりと形を整えて締める。
それからスーツを羽織ったと思ったところでルサールカが両肩に手を載せてきて椅子にすとんと座られた。
「……ルサールカさん?」
どういうことかと見上げると、そこには櫛と整髪剤らしきものを持ったルサールカの満面の笑みがあった。
「髪、セットしてあげるわね!」
「い、いや……」
「ね?」
「…………はい」
「自分でやるからいい」とは言わせぬ雰囲気のルサールカに双魔は大人しく身を、いや、髪を預けるしかない。
「ふんふふーん♪」
「…………」
鼻歌混じりに髪を梳かすルサールカに双魔は借りてきた猫のように動かずにじっとしているしかなかった。
それを見てヴォジャノーイは再び楽しそうな笑みを浮かべている。
「……おっちゃん、なに笑ってるんだ?」
「ゲロロ!そう睨むなよ……そうだな、ワシとルサールカには子供がいないからな。そうしてる坊主を見てるとな、不思議な気分になるんだ……ゲロロロ!」
「フフフ、そうよ、双魔さんは私たちの恩人だけど同時に息子みたいなものなんだから!もっと頼ってくれてもいいのよ?」
「…………」
優しく笑う二人に何となく背中がこそばゆくなった双魔は何も言わずに目を閉じた。
(俺は……幸せ者だな)
両親の他にも師やヴォジャノーイ夫妻、左文。自分を優しく見守ってくれる者が多くいる。
双魔の顔が少し赤らんでいることに気づいた二人は顔を見合わせてより一層楽しそうに笑った。
「……よし!これでバッチリね!どうかしら?」
「ゲロロロ!随分男前になったじゃねぇか!」
髪のセットが終わったようなので、閉じていた両目を開くと目の前に置かれた鏡に自分の顔が映る。
相変わらず覇気に欠け、パッとしない表情だが、髪型は今朝と同じかそれよりも見栄えよくなっている気がした。
「……ありがとう」
「いいのよ!それじゃあ、時間もないだろうし。早く帰りなさいな」
「…………ああ」
双魔が立ち上がるとルサールカは背中にローブを掛けてくれた。
「おっちゃん」
「分かってるぜ、またなんかおかしなことがあったら呼ぶからよ、坊主はしっかりと女を守ってきな!」
「女って……」
「そうよ!双魔さん、女の子は泣かせちゃダメよ!……いってらっしゃい!」
「……ん、じゃあ、また来るよ」
双魔がその場で右腕を真一文字に振ると光の扉が現れる。
「今度は手土産でも持ってくるよ」
ニヤリと二人に笑いかけると双魔は光の中に消え、数瞬後には光の扉も空気に溶けるように消えていった。
こじんまりとした家の中にはいつも通り夫婦二人になる。
「坊主も大変そうだな……っとどうした?」
苦笑するヴォジャノーイだったが、ボーっと呆けている妻の様子が気になって声を掛けた。
「……やっぱり……私たちも……いた方がいいかしら?……子供……」
「……ゲロ?……お、おい……」
「ウフフ……フフフフフ…………」
「ゲ、ゲローーーーーー!!!?」
突如、ヴォジャノーイの唇を人差し指で優しく撫で、艶っぽい表情を浮かべてしな垂れかかって来るルサールカ、混乱の悲鳴を上げるヴォジャノーイ。今夜の夫婦は長い長い時を過ごすことになりそうだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「よっと……よし、間に合いそうだな」
ヴォジャノーイとルサールカが色っぽい事態になっていることなど露にも知らない双魔は二人の家をあとにして最初に光の扉を開いた路地裏に戻ってきた。
袋小路は先ほどよりも差し込む光が少なくなり、暗くなっていたが時間はまだ三時半前。
指定された公園に四時に到着するには十分時間がある。
双魔は早速路地裏の迷宮から大通りを目指して足を動かす。
胡散臭い連中はギリギリ活動時間外なのか、誰とも会うことなく少し迷いながらも進んでゆく。
そして、頭の中はあることで一杯だった。
(…………”こわいこわい火”か…………)
巨樹に触れた時、巨樹の精と思わしき声が言っていたその言葉が引っかかって仕方がない。
そもそも、巨樹の声を聴いたこと自体が初めてのことで、驚くべきことでもあるのだが、古来、神代の時代から巨大な自然物、特に樹木の類に精霊が宿るのは珍しいことではない。
またの機会にコンタクトを試みて色々と話してみたいが、今は頭の片隅に追いやっておく。
あれほどの巨樹が怯え、魔力を吸い上げて危機に備えなければならない存在。
候補は幾つか思い浮かぶがどれも見当違いのように思える。
しかし、あの巨樹が怯えるとなれば、必然と”こわいこわい火”は双魔の近くにある何かだということになる。
(…………分からん……何だ?何を指している?)
状況は恐らく切迫している。チリチリと脳内の一部が焦げ付くように熱くなる。
視線は下に向き、自分の足しか見えない。
そして、何か思いつきそうになったその時だった。
「っ!?」
ドンっと身体の左側に何かがぶつかった。
顔を上げるといつの間にか大通りに抜け出ていたようで、衝撃を感じた方に目を遣ると茶色のキャペリン帽を被った初老の女性が驚いた顔をしていた。
「申し訳ない!」
「いえいえ、私も不注意だったわ」
すぐさま頭を下げると、優し気な声が返ってきた。
頭を上げると上品な笑みを浮かべた女性の顔があった。
「これからデートかしら?ホホホ、楽しみなのはわかるけど、気をつけなくちゃ駄目よ?」
「忠告痛み入ります……」
「ええ、それじゃあ、デート、頑張ってね、お兄さん」
女性はそう言うと通りを歩いていった。
「……気が抜けてたな……というかここはどこだ?」
人とぶつからないように歩道の端によって現在地を確認する。
きょろきょろと周りを見渡す限り、ホテルを出た後に入った路地の近くのようだった。
「ここからなら、そんなにかからないか……」
双魔は目的地の公園に足を向ける。
頭の中で膨らんでいた、得体の知れない脅威への考察は一旦、萎み、目の前の決闘でどうオーギュストを封じるかに思考の大部分を割く双魔であった。
「双魔さん、乾いたわよー!」
「ああ、ありがとうございます」
双魔は椅子から立ち上がるとまずネクタイを受け取り、置いてあった姿見を確認しながらきっちりと形を整えて締める。
それからスーツを羽織ったと思ったところでルサールカが両肩に手を載せてきて椅子にすとんと座られた。
「……ルサールカさん?」
どういうことかと見上げると、そこには櫛と整髪剤らしきものを持ったルサールカの満面の笑みがあった。
「髪、セットしてあげるわね!」
「い、いや……」
「ね?」
「…………はい」
「自分でやるからいい」とは言わせぬ雰囲気のルサールカに双魔は大人しく身を、いや、髪を預けるしかない。
「ふんふふーん♪」
「…………」
鼻歌混じりに髪を梳かすルサールカに双魔は借りてきた猫のように動かずにじっとしているしかなかった。
それを見てヴォジャノーイは再び楽しそうな笑みを浮かべている。
「……おっちゃん、なに笑ってるんだ?」
「ゲロロ!そう睨むなよ……そうだな、ワシとルサールカには子供がいないからな。そうしてる坊主を見てるとな、不思議な気分になるんだ……ゲロロロ!」
「フフフ、そうよ、双魔さんは私たちの恩人だけど同時に息子みたいなものなんだから!もっと頼ってくれてもいいのよ?」
「…………」
優しく笑う二人に何となく背中がこそばゆくなった双魔は何も言わずに目を閉じた。
(俺は……幸せ者だな)
両親の他にも師やヴォジャノーイ夫妻、左文。自分を優しく見守ってくれる者が多くいる。
双魔の顔が少し赤らんでいることに気づいた二人は顔を見合わせてより一層楽しそうに笑った。
「……よし!これでバッチリね!どうかしら?」
「ゲロロロ!随分男前になったじゃねぇか!」
髪のセットが終わったようなので、閉じていた両目を開くと目の前に置かれた鏡に自分の顔が映る。
相変わらず覇気に欠け、パッとしない表情だが、髪型は今朝と同じかそれよりも見栄えよくなっている気がした。
「……ありがとう」
「いいのよ!それじゃあ、時間もないだろうし。早く帰りなさいな」
「…………ああ」
双魔が立ち上がるとルサールカは背中にローブを掛けてくれた。
「おっちゃん」
「分かってるぜ、またなんかおかしなことがあったら呼ぶからよ、坊主はしっかりと女を守ってきな!」
「女って……」
「そうよ!双魔さん、女の子は泣かせちゃダメよ!……いってらっしゃい!」
「……ん、じゃあ、また来るよ」
双魔がその場で右腕を真一文字に振ると光の扉が現れる。
「今度は手土産でも持ってくるよ」
ニヤリと二人に笑いかけると双魔は光の中に消え、数瞬後には光の扉も空気に溶けるように消えていった。
こじんまりとした家の中にはいつも通り夫婦二人になる。
「坊主も大変そうだな……っとどうした?」
苦笑するヴォジャノーイだったが、ボーっと呆けている妻の様子が気になって声を掛けた。
「……やっぱり……私たちも……いた方がいいかしら?……子供……」
「……ゲロ?……お、おい……」
「ウフフ……フフフフフ…………」
「ゲ、ゲローーーーーー!!!?」
突如、ヴォジャノーイの唇を人差し指で優しく撫で、艶っぽい表情を浮かべてしな垂れかかって来るルサールカ、混乱の悲鳴を上げるヴォジャノーイ。今夜の夫婦は長い長い時を過ごすことになりそうだった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「よっと……よし、間に合いそうだな」
ヴォジャノーイとルサールカが色っぽい事態になっていることなど露にも知らない双魔は二人の家をあとにして最初に光の扉を開いた路地裏に戻ってきた。
袋小路は先ほどよりも差し込む光が少なくなり、暗くなっていたが時間はまだ三時半前。
指定された公園に四時に到着するには十分時間がある。
双魔は早速路地裏の迷宮から大通りを目指して足を動かす。
胡散臭い連中はギリギリ活動時間外なのか、誰とも会うことなく少し迷いながらも進んでゆく。
そして、頭の中はあることで一杯だった。
(…………”こわいこわい火”か…………)
巨樹に触れた時、巨樹の精と思わしき声が言っていたその言葉が引っかかって仕方がない。
そもそも、巨樹の声を聴いたこと自体が初めてのことで、驚くべきことでもあるのだが、古来、神代の時代から巨大な自然物、特に樹木の類に精霊が宿るのは珍しいことではない。
またの機会にコンタクトを試みて色々と話してみたいが、今は頭の片隅に追いやっておく。
あれほどの巨樹が怯え、魔力を吸い上げて危機に備えなければならない存在。
候補は幾つか思い浮かぶがどれも見当違いのように思える。
しかし、あの巨樹が怯えるとなれば、必然と”こわいこわい火”は双魔の近くにある何かだということになる。
(…………分からん……何だ?何を指している?)
状況は恐らく切迫している。チリチリと脳内の一部が焦げ付くように熱くなる。
視線は下に向き、自分の足しか見えない。
そして、何か思いつきそうになったその時だった。
「っ!?」
ドンっと身体の左側に何かがぶつかった。
顔を上げるといつの間にか大通りに抜け出ていたようで、衝撃を感じた方に目を遣ると茶色のキャペリン帽を被った初老の女性が驚いた顔をしていた。
「申し訳ない!」
「いえいえ、私も不注意だったわ」
すぐさま頭を下げると、優し気な声が返ってきた。
頭を上げると上品な笑みを浮かべた女性の顔があった。
「これからデートかしら?ホホホ、楽しみなのはわかるけど、気をつけなくちゃ駄目よ?」
「忠告痛み入ります……」
「ええ、それじゃあ、デート、頑張ってね、お兄さん」
女性はそう言うと通りを歩いていった。
「……気が抜けてたな……というかここはどこだ?」
人とぶつからないように歩道の端によって現在地を確認する。
きょろきょろと周りを見渡す限り、ホテルを出た後に入った路地の近くのようだった。
「ここからなら、そんなにかからないか……」
双魔は目的地の公園に足を向ける。
頭の中で膨らんでいた、得体の知れない脅威への考察は一旦、萎み、目の前の決闘でどうオーギュストを封じるかに思考の大部分を割く双魔であった。
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