魔剣少女と契約した低血圧系魔術師、実は  の生まれ変わりでした?魔導学園で学生と講師を両立しながら何とか生きていこうと思います。

精神感応4

文字の大きさ
259 / 268
第四章「新しい恋敵?の気配」

第257話 二度あることは……(サードインパクト)

しおりを挟む
 チーン!

 最早聞き慣れた時計塔の魔力動エレベーターが目的の階に到着したことを知らせる甲高いベルの音を響かせ、扉を開いた。

 双魔はゆるりと降りると仄暗い廊下を進む。

 いつもはあと数時間後にここを歩いているのだが今日はロザリンが評議会に参加したいとのことなので早めに迎えに来た。

 『みんなに迷惑かけてる自覚はあるし……私も頑張って早起きする』

 昨日の別れ際、そう言ったロザリンの表情は通常時のぼんやりとしたものではなく、確かな罪悪感が滲み出ていた。

 今までは議長の身であったにはあったが、ゲイボルグが強く反対したらしく評議会に参加できたのも指で数えられる程度だとロザリンは唇を尖らせていた。

 が、何故か”双魔が一緒”という条件であっさりと許しが出たらしい。

 ロザリンとの親交がまってから分かったのは普段は飄々としているゲイボルグがロザリンに対しては異様に過保護だということだ。

 その癖、最初に”Anna”に行った時を境にロザリンと双魔が一緒にいる時には姿を現さない。

 ロザリン曰く「後輩君が帰ると入れ替わりで戻ってくるよ?」とのことだった。

 (…………駄目だ、ゲイボルグの意図が全く読めん)

 こめかみをグリグリと刺激しながらも足は止めず、廊下も大して長くないので気づくとロザリンの部屋の扉が目の前にあった。

 コンッ、コンッ、コンッ!

 「おはようございます、ロザリンさん起きてますか?」

 最初のうちは遠慮気味にノックをしていた双魔だったが今やそれも面倒になったので遠慮なく扉を打ち鳴らす。

 『うん、起きてるよ……今開けるね』
 「っ!」

 いつもは眠たげな声が返って来るのだが今日は何とはっきりと返事が返ってきた。

 虚を突かれた双魔の隙をついて扉が開く。

 「っ!!?」

 双魔は咄嗟に手で目を覆った。

 部屋の主はまたあられもない、且つ刺激的な姿で現れるかもしれない。年頃の男子としての興味は葛藤するまでもなく良心に跳ねのけられた。

 「……後輩君?どうしたの?」

 扉を開けた途端に視界に入った目を塞いだ双魔にロザリンが不思議そうな声音を出した。

 「……ロザリンさん、確認ですけど……服はしっかり着てますか?」
 「服?うん、着てるよ?」
 「前も言いましたけど……下着は服の内に入りませんからね?」
 「??ちゃんと制服、着てるよ?今日は早く来てって頼んだから、早起きして準備は済ませてあるから」
 「……そうですか」

 双魔はぴったりとくっつけていた指を僅かに離して隙間を作るとロザリンの服装を確認した。

 (…………本当だ、着てる……心臓に悪過ぎる…………)

 確かに、半分開いた扉からひょっこりと上半身を覗かせたロザリンは遺物科の制服をしっかりと着ていた。

 双魔は脱力して、そのままを覆っていた手を腕ごとだらりと垂らした。

 「うん、やっと顔が見えたね?おはよう、後輩君」
 「はい、おはようございます……」
 「……スンスン……?疲れてる?昨日はちゃんと寝た?」
 「ええ、大丈夫です」

 ロザリンは鼻を鳴らすと心配げに見えなくもない無表情で再び首を傾げた。

 本人から聞いたところによるとロザリンは相当鼻が利くらしい。また滅多にやることはないが人や動物を舐めると考えていることやら魔力の質やらが何となくわかるらしい。

 最初に”Annna”に行った時の突然双魔の頬を舐めるという刺激的な行為は「後輩君がどんな人か知りたかったから」というのが本人の弁だ。

 今も双魔の気疲れを察知して気遣ってくれたのだろう。と、言ってもその原因が自分であることにロザリンは全く気づいていない。

 「もう少しで準備終わるから入って?」
 「ん、分かりました。失礼します」

 ロザリンが部屋の中に姿を消したので、双魔は誘われるがまま扉を開けた。

 「いらっしゃーい」
 「…………失礼しました」

 吞気な声で歓迎の言葉を発するロザリンの後ろ姿を目にした双魔は絶句し、ドアノブを離すことなくそのまま扉を閉じた。

 バタンッ!

 『あれ?後輩君?どうしたの?』

 扉の向こうからロザリンの声が聞こえてくる。

 「……服を着るって言うのは上下揃ってですからね!スカートはどうしたんですか!?」

 滅多に大きな声を出さない双魔だが、今回ばかりは我慢が利かず声を荒げてしまった。

 そう、ロザリンは確かに、服を着ていた……上半身だけ。

 双魔が目にしたロザリンの形のいいお尻は触れれば破れてしまうような薄布、すなわちレースのパンツで覆われているのみだったのだ。

 ちなみに色は白だった。

 『うん?あ、本当だ、スカート履くの忘れてたよ』
 「忘れてたよ、じゃありません!もう、このまま外で待ちますからしっかり準備が終わってから出てきてください!」
 『??後輩君、怒ってる?』
 「怒ってませんよ!」
 『うん、ならよかった。じゃあ、もう少し待ってね』

 双魔の答えに納得したのかクローゼットを開く音とスカートを履いているらしき絹すれの音が廊下に聞こえてくる。

 「…………あーーーー…………」

 双魔は壁に背中を預け、そのままズルズルとローブを擦らせながらしゃがみ込むと本日三度目の情けない声を上げるのだった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

霊力ゼロの陰陽師見習い

三科異邦
ファンタジー
「霊力も使えない。術式も出せない。 ……西園寺玄弥、お前は本当に陰陽師か?」 その言葉は、もう何度聞いたか分からない。 霊術学院の訓練場で、俺はただ立ち尽くしていた。 周囲では炎が舞い、水がうねり、風が刃のように走る。 同年代の陰陽師たちが、当たり前のように霊を操っている。 ――俺だけが、何もできない。 反論したい気持ちはある。 でも、できない事実は変わらない。 そんな俺が、 世界最強クラスの妖怪と契約することになるなんて―― この時は、まだ知る由もなかった。 これは―― 妖怪の王を倒すべく、九尾の葛葉や他の仲間達と力を合わせて成長していく陰陽師見習いの物語。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

鬼の兵法伝承者、異世界に転世せしむる

書仙凡人
ファンタジー
俺の名は桜木小次郎。 鬼一法眼を祖とする鬼一兵法の令和の伝承者。 だがある時、なぜか突然死してしまったのだ。 その時、自称神様の変なペンギンが現れて、ファンタジー世界の転生を持ちかけられた。 俺はヤケになって転生受け入れたら、とんでもない素性の奴にログインする事になったのである。 ログイン先は滅亡した国の王子で、従者に毒盛られて殺されたばかり。 なにこれ? クーリングオフねぇのかよ!

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...