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11月25日 7:00
「起きてくださいマスター。朝ですよー」
僕はアイリスに体を揺らされて目を覚ました。
重い瞼をこじ開けるとアイリスの顔が見えた。よかった。正常に作動してる。
もう一度じっとアイリスを見つめてから僕はほっと胸をなでおろした。すると少し照れたような表情をした。
「マスター。そんなじろじろ見ないでくださいよ」
「ご、ごめん!」
僕は慌てて目をそらし、ぶんぶんと体の前で手を振った。
「いいえ、気にしないでください。そんなことよりご飯、できてますよ」
女の子に起こしてもらうなんて、いい朝だなあ。なんて思いながらついていくようにリビングに行った。すると焼きあがったパンや目玉焼きなどがテーブルの上の皿にのっている。朝食などめったに取らない僕からすると少し不思議な光景であった。
いわれるがままに椅子に座るとアイリスは僕に「召し上がれ」と言ってきた。
「いただきます」
ぼそっと言って、朝食を食べ始めた。
「どうですか?」
少し不安そうに顔を覗き込んでくる。
「おいしいよ」
アイリスはぱあっと顔を明るくさせた。
「よかったぁ。マスターのこと私何にも知らないから、食べられないものとかあったらどうしようと思ってて。マスターのこともインプットしてくれればよかったのに」
「いや、僕のことは少しずつ知っていってほしいと思ってたから。わざとだよ」
そう言うとアイリスはくすりと笑う。
「それはいいですね。でも、マスターは私のこと何でも知ってるんですから、私にもマスターのこと何でも教えてくださいね。約束ですよ」
朝食の後すぐアイリスは僕に尋ねたいことがあると言ってきた。
「マスター。魔法って何ですか?」
「あれ? わからないの?」
「はい、マスターが寝てる間少し調べたんですけどよくわかんなくて」
どうやら僕は魔法についてのデータを作り忘れたらしい。もしかしたら他にも何か忘れていることがあるかもしれないなあ。とりあえず教えるのが先だ。
「じゃあ簡単に説明するね」
「わかりました、先生」
榊原博士についての宿題も出ているからちょうどいいかもしれない…… ん? ちょっと待ってくれ。
「先生ってなに? ちょっと恥ずかしいんだけど」
「いいじゃないですか。せーんせい」
僕は少しため息をついた。設定いじってやろうか。
わかったよと言った。僕はニコニコしながらこっちを見ているアイリスに説明を始めた。
「魔法っていうのは40年位前に榊原博士が『魔素』っていう物質を発見したところから始まる。魔素には一瞬のうちにすぐ別の物質に変化してしまう特徴があるんだ。そのせいでこれまで発見されなかったって言われているんだよね。
そしてその10年後くらいに魔素を制御する装置がまた榊原博士によって開発されたんだ。今はかなり小型化されて左手の甲に個人データファイルとともに制御装置が入っている人がほとんど」
アイリスは興味津々といった風に話を聞いていた。話している僕も気分がいい。
「私にもあるんですか?」
「あるよ」
「先生! じゃあ私にはどんな魔法が」
子供みたいにキラキラとした目で僕のほうを見てきた。
「正直わからない。なぜか人によって魔法の効果が全く違うからね。魔法と魔素の効果についてはまだわかってないことも多くて。例えば魔素はほかの物質に変化するって特徴のはずなのに運動能力が上昇する人がいるんだ。僕のもその類の魔法だし」
「どんな魔法が使えるのかチェックする方法とかないんですか?」
「あるよ」
するとアイリスはぐっと僕に近づいて言った。
「どんなのですか!」
近い近い。少しドキドキしてしまう。アイリスを少し離し、僕はまた話し始めた。
「一度魔法を暴発させるんだ。魔素を集めさえすれば魔法は発動するから。でもここでやるのはなあ」
どんな魔法かわからない以上家の中でやるのは危険だ。火を起こすようなものなら大惨事になる。
「じゃあ外へ行こうか」
今日は土曜日だ。僕に用事があるわけでもない。どう? と言ったらアイリスは驚いた表情をしている。
「えっ!? 私の正体がばれたらマスター大変なことになりますよ。大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。だって、僕が作ったんだから」
アイリスのことをもう一度よく見る。どこからどう見ても人だ。正直誰にもばれない自信がある。きっとほかの人が見てもかわいい子だな、くらいにしか思わないだろう。
アイリスはふふっと笑い、かわいい笑顔で言った。
「そうですね! マスター!」
「起きてくださいマスター。朝ですよー」
僕はアイリスに体を揺らされて目を覚ました。
重い瞼をこじ開けるとアイリスの顔が見えた。よかった。正常に作動してる。
もう一度じっとアイリスを見つめてから僕はほっと胸をなでおろした。すると少し照れたような表情をした。
「マスター。そんなじろじろ見ないでくださいよ」
「ご、ごめん!」
僕は慌てて目をそらし、ぶんぶんと体の前で手を振った。
「いいえ、気にしないでください。そんなことよりご飯、できてますよ」
女の子に起こしてもらうなんて、いい朝だなあ。なんて思いながらついていくようにリビングに行った。すると焼きあがったパンや目玉焼きなどがテーブルの上の皿にのっている。朝食などめったに取らない僕からすると少し不思議な光景であった。
いわれるがままに椅子に座るとアイリスは僕に「召し上がれ」と言ってきた。
「いただきます」
ぼそっと言って、朝食を食べ始めた。
「どうですか?」
少し不安そうに顔を覗き込んでくる。
「おいしいよ」
アイリスはぱあっと顔を明るくさせた。
「よかったぁ。マスターのこと私何にも知らないから、食べられないものとかあったらどうしようと思ってて。マスターのこともインプットしてくれればよかったのに」
「いや、僕のことは少しずつ知っていってほしいと思ってたから。わざとだよ」
そう言うとアイリスはくすりと笑う。
「それはいいですね。でも、マスターは私のこと何でも知ってるんですから、私にもマスターのこと何でも教えてくださいね。約束ですよ」
朝食の後すぐアイリスは僕に尋ねたいことがあると言ってきた。
「マスター。魔法って何ですか?」
「あれ? わからないの?」
「はい、マスターが寝てる間少し調べたんですけどよくわかんなくて」
どうやら僕は魔法についてのデータを作り忘れたらしい。もしかしたら他にも何か忘れていることがあるかもしれないなあ。とりあえず教えるのが先だ。
「じゃあ簡単に説明するね」
「わかりました、先生」
榊原博士についての宿題も出ているからちょうどいいかもしれない…… ん? ちょっと待ってくれ。
「先生ってなに? ちょっと恥ずかしいんだけど」
「いいじゃないですか。せーんせい」
僕は少しため息をついた。設定いじってやろうか。
わかったよと言った。僕はニコニコしながらこっちを見ているアイリスに説明を始めた。
「魔法っていうのは40年位前に榊原博士が『魔素』っていう物質を発見したところから始まる。魔素には一瞬のうちにすぐ別の物質に変化してしまう特徴があるんだ。そのせいでこれまで発見されなかったって言われているんだよね。
そしてその10年後くらいに魔素を制御する装置がまた榊原博士によって開発されたんだ。今はかなり小型化されて左手の甲に個人データファイルとともに制御装置が入っている人がほとんど」
アイリスは興味津々といった風に話を聞いていた。話している僕も気分がいい。
「私にもあるんですか?」
「あるよ」
「先生! じゃあ私にはどんな魔法が」
子供みたいにキラキラとした目で僕のほうを見てきた。
「正直わからない。なぜか人によって魔法の効果が全く違うからね。魔法と魔素の効果についてはまだわかってないことも多くて。例えば魔素はほかの物質に変化するって特徴のはずなのに運動能力が上昇する人がいるんだ。僕のもその類の魔法だし」
「どんな魔法が使えるのかチェックする方法とかないんですか?」
「あるよ」
するとアイリスはぐっと僕に近づいて言った。
「どんなのですか!」
近い近い。少しドキドキしてしまう。アイリスを少し離し、僕はまた話し始めた。
「一度魔法を暴発させるんだ。魔素を集めさえすれば魔法は発動するから。でもここでやるのはなあ」
どんな魔法かわからない以上家の中でやるのは危険だ。火を起こすようなものなら大惨事になる。
「じゃあ外へ行こうか」
今日は土曜日だ。僕に用事があるわけでもない。どう? と言ったらアイリスは驚いた表情をしている。
「えっ!? 私の正体がばれたらマスター大変なことになりますよ。大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。だって、僕が作ったんだから」
アイリスのことをもう一度よく見る。どこからどう見ても人だ。正直誰にもばれない自信がある。きっとほかの人が見てもかわいい子だな、くらいにしか思わないだろう。
アイリスはふふっと笑い、かわいい笑顔で言った。
「そうですね! マスター!」
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