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聖都スチューデリア編
第弍百伍拾壱章 守護神の真実
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「信徒に取り憑く守護神の目的はね、信者に加護を与える為なんかじゃありやせんぜ。枷なんで御座ンすよ。一見すると自由に思えるところがまたタチの悪い話でね」
再び首が真後ろを向いたおシンが嗤う。
「星神教の歴史は二千年と云われてやすが、実は信徒に神を降ろす守護神という仕組みが出来てから数えると千年にも満たねェンでさ」
星神教徒が入信するとまず聖貨と呼ばれる聖水で清められた特別な金貨を後ろに投げる『神降ろし』の儀式を取り行われる。
その背後には六つに色分けされた天界の絵図が広げられており、無造作に投げた聖貨が落ちた場所に応じて守護神が決められるのだ。
例えば赤い場所に落ちれば“火”と“生命”を司る『不死鳥』のグループに属する神を守護神とするという塩梅である。
その時点で信徒は『不死鳥』の守護神と契約し加護を得られるようになる。
火属性に特化した『宿星魔法』を遣えるようになり、生命力が強くなると単純に考えても差し支えはない。
「元々信徒に守護神を降ろす事などしていなかった星神教が何故、一人につき一柱の神を降ろすなんて破格な事をするようになったのかと云いやすと、千年の昔、地母神クシモ様の信徒を虐殺した大事件に端を発しやす」
「あの事件ですの。太陽神アポスドルファ様が直々に信徒に神罰を下し、全滅寸前まで追い込んだとされるあの忌まわしい事件が……」
かつて星神教徒は実り豊かな地母神の支配する土地に攻め入り、信徒を虐殺して領地を奪ったばかりか、地母神が“豊穣”のみならず“多産”を司っている事から房事に奔放であろうとこじつけて淫魔に堕としてしまったのだ。
他教とはいえ敬虔な信徒を虐殺し、略奪をした挙げ句に古代より存在する強大な地母神を淫魔に陥れた罪は許し難いとして、太陽神は炎のたてがみを持つ巨大な獅子という恐ろしい姿で顕現して星神教徒に罰を与えたとされる。
千日にも及ぶ祈祷の末に漸く許された頃には信者の数は元の半分以下となっていたというのであるから怒りの程は推して知るべしである。
「だが疑問だぜ。確かに千年前、星神教徒は許されない事をしたンだろう。でも自分を崇める信者だぞ? そこまでする必要はあるのか? 危うく全滅するところだったンだぜ」
アンネリーゼは何も“やり過ぎ”と云っているのではない。
神罰は世界中にも及び、聖都とは無関係な外国の信者までも攻撃していたのだ。
「これはねェ。何で当時の信者がこの事に考えが及ばなかったのかという疑問もありやしてね。善く善く考えれば太陽神サマのお怒りはごもっともなんでさ」
「どういうこったい?」
「良いですかい? この世界もまた太陽神サマが生み出した星なんで御座ンすよ。つまりは大地の女神ガイアレス様そのものなんでさ。それは取りも直さずこの世界で生まれた神は皆ガイアレス様の子であり眷属という事になるンですよゥ」
「あっ!」
ゲルダを除く七人は揃って驚きの声をあげた。
星神教徒が貶めた地母神こそ大地の女神の娘であり、太陽神からすれば孫にも当たる存在だといえる。
即ち地母神信仰の信徒達もまた広義の意味では星神教徒であったのだ。
「そりゃアポスドルファも怒るに決まっておろう。可愛い孫娘を淫魔にされて、しかも星神教徒共が行った虐殺は同族殺しに等しい行為なのだからな」
ゲルダの言葉に聖女達は、そこまで考えが至らなかった星神教徒達の愚かさに言葉を失った。
その愚か者に自分達も含まれていたのだがら尚更である。
再び首が真後ろを向いたおシンが嗤う。
「星神教の歴史は二千年と云われてやすが、実は信徒に神を降ろす守護神という仕組みが出来てから数えると千年にも満たねェンでさ」
星神教徒が入信するとまず聖貨と呼ばれる聖水で清められた特別な金貨を後ろに投げる『神降ろし』の儀式を取り行われる。
その背後には六つに色分けされた天界の絵図が広げられており、無造作に投げた聖貨が落ちた場所に応じて守護神が決められるのだ。
例えば赤い場所に落ちれば“火”と“生命”を司る『不死鳥』のグループに属する神を守護神とするという塩梅である。
その時点で信徒は『不死鳥』の守護神と契約し加護を得られるようになる。
火属性に特化した『宿星魔法』を遣えるようになり、生命力が強くなると単純に考えても差し支えはない。
「元々信徒に守護神を降ろす事などしていなかった星神教が何故、一人につき一柱の神を降ろすなんて破格な事をするようになったのかと云いやすと、千年の昔、地母神クシモ様の信徒を虐殺した大事件に端を発しやす」
「あの事件ですの。太陽神アポスドルファ様が直々に信徒に神罰を下し、全滅寸前まで追い込んだとされるあの忌まわしい事件が……」
かつて星神教徒は実り豊かな地母神の支配する土地に攻め入り、信徒を虐殺して領地を奪ったばかりか、地母神が“豊穣”のみならず“多産”を司っている事から房事に奔放であろうとこじつけて淫魔に堕としてしまったのだ。
他教とはいえ敬虔な信徒を虐殺し、略奪をした挙げ句に古代より存在する強大な地母神を淫魔に陥れた罪は許し難いとして、太陽神は炎のたてがみを持つ巨大な獅子という恐ろしい姿で顕現して星神教徒に罰を与えたとされる。
千日にも及ぶ祈祷の末に漸く許された頃には信者の数は元の半分以下となっていたというのであるから怒りの程は推して知るべしである。
「だが疑問だぜ。確かに千年前、星神教徒は許されない事をしたンだろう。でも自分を崇める信者だぞ? そこまでする必要はあるのか? 危うく全滅するところだったンだぜ」
アンネリーゼは何も“やり過ぎ”と云っているのではない。
神罰は世界中にも及び、聖都とは無関係な外国の信者までも攻撃していたのだ。
「これはねェ。何で当時の信者がこの事に考えが及ばなかったのかという疑問もありやしてね。善く善く考えれば太陽神サマのお怒りはごもっともなんでさ」
「どういうこったい?」
「良いですかい? この世界もまた太陽神サマが生み出した星なんで御座ンすよ。つまりは大地の女神ガイアレス様そのものなんでさ。それは取りも直さずこの世界で生まれた神は皆ガイアレス様の子であり眷属という事になるンですよゥ」
「あっ!」
ゲルダを除く七人は揃って驚きの声をあげた。
星神教徒が貶めた地母神こそ大地の女神の娘であり、太陽神からすれば孫にも当たる存在だといえる。
即ち地母神信仰の信徒達もまた広義の意味では星神教徒であったのだ。
「そりゃアポスドルファも怒るに決まっておろう。可愛い孫娘を淫魔にされて、しかも星神教徒共が行った虐殺は同族殺しに等しい行為なのだからな」
ゲルダの言葉に聖女達は、そこまで考えが至らなかった星神教徒達の愚かさに言葉を失った。
その愚か者に自分達も含まれていたのだがら尚更である。
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