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第108話「忘れました」
しおりを挟む「今ここで付き合ったらさ、もっとエッチなことできるよ?」
もにゅもにゅとゆっくり、竿を扱かれている。
「付き合わない!!」
「何で!?駄々っ子か!!」
即答されて意地悪がしたくなった芽依は鷹夜から離れ、右手で触れている勃起したそれを見下ろしてやった。
「見るなぁあ!!」
「慣れてよ~、鷹夜。ねえほら、ちゃーんと勃起したよ。見える?」
「無理無理無理」
再びタオルケットに顔を埋め、けれどこれと言って抵抗はしない鷹夜。
どうやら久々に他人に勃起させられ、ちゅこちゅこと手で扱かれているのが気持ち良いらしい。
より気持ちのいいところを探るように、腰が少し揺れている。
「ぁあっ、あー、、うっ、んふッ」
「んふふ。鷹夜、毛少ないんだね」
ざりざりと左手で性器の上に生えている黒くて少し硬い毛を摩る。
芽依は楽しそうで、ずっとニマニマしていた。
鷹夜の身体自体初めて見るのだ。
思っていたよりも白くて細く骨張ってはいるものの、肌は余計な脂がなくサラサラと乾いている。
芽依からすれば何もかもがいやらしく見えた。
「鷹夜~、俺と付き合ったらずーっと甘やかしてあげるよ~」
「んアッ、あっ、ンンッ!」
親指で亀頭の先端にある尿道の入り口を塞ぐと、ぐりぐりとほじり始める。
それが堪らなく気持ち良くて、鷹夜はビクンビクンと腰を浮かせた。
鷹夜の視界は真っ暗だ。
タオルケットを被っているし、目を瞑っているからだ。
「鷹夜ってさあ、優しくしたり甘やかすのは得意だけど、甘やかされるのは苦手だよね」
「うる"ざいッ」
イキそうだった。
芽依から見てもそれはよく分かるくらい、先程から腰がずっと揺れているし、時折りビクンッと大きく跳ねている。
「ん"んっ、ふぅー、、んっ、ふぅーー、、ふぅーー、んっんふっ」
鷹夜の息が深く大きくなっていく。
芽依的には小さいだの大きいだのと、鷹夜の性器を見ても何も思いはしなかった。
ただ、思っていた以上に鷹夜のそれを見た瞬間に自分が欲情したのだけは分かった。
(可愛い)
鷹夜の性器が勃起する前に、芽依のそれが勃起していた。
苦しいやらを我慢してずっと鷹夜の性器だけをこうして愛でている。
そんなに夢中になるくらいに反応が可愛らしく、女の子の当然のような喘ぎ声を聞くよりも苦しそうに漏らされる鷹夜の声の方が芽依の性欲を刺激してきているのだった。
「あんっ!、ヒッ、うわ!!何今のッ、なし!なし!!」
「あー、無理、可愛い、マジで可愛い」
「え、え!?ちょ、鼻血!!芽依、鼻血!!」
「え?」
ダラ、と鼻水のようには粘りのない何かが鼻から唇の上に垂れた。
芽依が左手で自分の顔に触れると、生暖かい赤色が指先に付いていた。
「うわ」
「ティッシュティッシュ!」
「あ。ありがと」
勃起したままの性器をほったらかして、鷹夜は急いでベッドの下、すぐそこにあるティッシュの箱に手を伸ばし、3枚程、ババッと抜き去ると芽依の顔に押し付けた。
「んむっ」
「拭け!」
「ひゃい」
(興奮し過ぎた~~)
ダバダバと容赦なく垂れ出てくる血を止めようと、芽依は受け取ったティッシュで鼻の下を拭き、鼻の中を拭き、それでも血が出てくるものだからチーン!と何回か鼻をかんだ。
彼が脚の上に乗ったままでいるせいで、鷹夜は身動きが取れず、ジッと芽依を見上げている。
「大丈夫だよ」
右の鼻の穴に細長く丸めたティッシュを詰め終えると、芽依はニコッと笑った。
「ん、、もうパンツ履いて良い?」
「え、続きは?」
「はあ?」
「もっとすごいことしようと思ってたんだけど」
「鼻血出てんだからせんでええ」
すっかり勃起が収まってしまったそこを隠すように芽依の下から脚を引き抜くと、彼に脱がされていつの間にかベッドの下に落ちていたトランクスを急いで履く。
「ええ~、ねえもう少し~」
「いーやーだ。おーわーり」
芽依は暫くゴネたのだが、結局鷹夜は聞き入れてくれず、寝る準備が始まってしまった。
「これ、俺のことベッドの下に放り出す気だよね?」
「夏だからいいじゃんか」
鷹夜の手によって客用の布団はドーンとカーペットの上に敷かれた。
しかも、ベッドとやたらと距離を空けてある。
「引っ付いたら暑いだろ」
「やだ~~~」
せめて近くで寝たかった芽依が布団を掴み、ザザザッと音を立てながら引きずってベッドの近くへ移動させ始めた。
「やめろ!!」
「あ!!」
鷹夜はそれを阻止するべく、芽依が引っ張る布団の上へダイブした。
「邪魔すんなよ~!」
「これ以上近づけんな」
「チューもしたし鷹夜のちんこも触ったのに、寝るのは別々なんですね」
「だからこそ別々なんですー」
未だに先程の出来事で胸が高鳴ったままの鷹夜はとてもではないが熱が抜けるまで芽依と触れ合いたくなかった。
離れていないとうっかり尻の穴まで許してしまいそうで、芽依と言う人間の魅力やらそう言った流れを強引に作る色気を警戒している。
諸々を警戒した結果、ベッドから1メートルは布団を離しておいた。
「えーー、、あれ?そう言えば普通に勃起してたよね、さっき」
「忘れました」
「はあー?」
ぼふん、と自分のベッドに飛び込むと、鷹夜はさっさとリモコンで部屋の電気を消した。
「あ、おい。話し終わってないんだけど」
「忘れましたー」
「なーあー!勃ったってことはセックスできるって~!付き合おうよー」
「忘れましたーーー」
「この野郎、、」
真っ暗な部屋の中、鷹夜はまったく芽依を方を向かずにうつ伏せになったまま目を閉じている。
芽依は諦めて布団に潜り込んだ後も、ジーッと暗がりの向こうの鷹夜を見つめていた。
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