侯爵令嬢アリスティアの愛する人

わらびもち

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番外編

姉上が出戻りだって!?

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「おお、ラウロ。急に呼び出してすまないな」

「いいえ、父上のお呼びとあれば。……そちらにいるのは姉上ですか? ご無沙汰しております」

 父上の隣には結婚式以来会っていない姉、クラリスの姿があった。
 
 姉上が伯爵家に来るなど珍しい……。
 
 嫁いだ娘が生家に帰ってくることははしたないとされるので、公爵家に嫁いで以来ここに帰ってきたことなどなかったのに。

 あれ? そういえば母上の姿が見えないな?
 
 父上が僕を呼び出すときはいつも母上もいたのに、どうしたんだろう?

「久しいですねラウロ。元気そうでなによりです」

 なんだか姉上、大分くたびれてないか?
 
 僕とアリスティアの結婚式で会ったときはもっと凛としていたのに。
 嫁ぎ先で何かあったのだろうか?

「ラウロ、実は今日呼び出したのは……クラリスのことなんだ」

 姉上の? いったい何だ?

「ラウロ、まずは謝らせてちょうだい。わたくしがこの家に戻ってくるから、貴方達が別邸から出ていくことになったことを……」

「は? 僕等が別邸を出ていくのはカイルの花嫁が嫁いでくるからじゃないんですか?」

 父上からの説明ではそうだったぞ?
 
 それに戻ってくるって……まさか姉上、離縁したのか!?

「すまない、違うんだ。……実はクラリスが公爵から離縁を言い渡されてな。行くあてがないからここに戻ってくるんだ。といっても本邸はカイルとその妻が住むから、クラリスはこの別邸に住まわせようと思って……」

「は!? それって新婚夫婦の住む家に姑も住むってことですよね? 何考えてんですか父上も姉上も!」

 この国では新婚夫婦が早く子宝に恵まれるようにと、親世帯は別の屋敷に住み移ることが常識とされている。
 
 あれだけ常識にうるさい姉上がこんな非常識なことをするなんて……一体どうしたんだ!?
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