人喰い リョーラ

飢えた怪物

生贄の村

その村では、長いこと日照りが続き皆餓えに苦しんだ。


日照りが続いたときは、子供を一人洞窟の奥にいるとゆう、神様に捧げ雨を降らせてもらうしきたりであった。


生贄に選ばれた少年の顔はやつれている。

今日が優しい両親と妹との別れの日、少年は村の女性達に化粧をされ身を飾られている途中に老婆に訪ねた。

「死ねば人は天の国に行けるんだよね？」老婆は「そうだよ」と答えそしてこう続ける。



「誰しもいつか死んじまうもんさ、それが遅いか早いかだ…」それ以上、老婆は語らず周りも黙々と儀式の準備を続けた。



あらかた準備が終わり部屋から女達が出ていくと最後に少年の母親が現れ泣きそうな顔で少年を見る、



少年の顔が少しほほ笑みはしたが涙は頬を流れる、母親も涙を流し、そして自分の子に無理やり薬を飲ませる。　「母さんと」一言残し少年の意識が消え眠りについた。

そうして少年は棺桶型の輿に入れられ、男達に担がれて村を出た…



少しして少年は目を覚ました。少年は横たわり輿にとまっていたカラスと目があう。


あたりは夕暮れで空に3～4羽のカラスが泣きながら周りを飛んでいた。


少年は身を起こし、あたりを見渡し背筋が凍りつく、


あたりには、儀式に参加していた大人達の無惨な亡骸が散らばっているではないか、


腹を引き裂かれていた者、首が取られ者、四肢がない者までいて、少年が声をあげられずに固まっていると後ろから咀嚼音や汁をすするような音が聞こえてくる。



振り返るとそこには四つん這いになり亡骸を貪る女がいる。


少年は驚き、足と腕を縛られているにもかかわらず、輿から逃げようと必死にもがき倒れ藻掻く、



その音にい付いた女が振り向き、血まみれの口をニヤリと開いた。
「起きたんだァ～　おはよう♪あっでも…今は夕方かぁ、アハハハ」


血肉にぬれて、おぞましい顔になったその女は獲物の髪を掴みおもむろに立ち上がるとこちらに近づいてくる。

「そんなに怖がるなよぉ～少年、まずは自己紹介だろぉ～、ほら」


そういいながら血まみれの手を少年の頬に軽く当てた。

「ほらぁ、な～ま～え～　言え！」

恐ろしい顔で名前を聞かれ思わず口を開き答える、
「ラ‥ライ‥カ」
「答えられたねぇ、えらいえらい」


頭を軽く撫でられた後に、女は微笑むと
「アタシのぉ事は知ってるよねェ」と言う、　　　　　　　


ライカは頷く、しらない者などいない、彼女は
　人喰い怪物「リョーラ」
震えながらその名前を答え怪物は喜んだ。


「そう！アタシィ、リョーラ　人喰いリョーラ！可愛いでしょこのアタシィ♡素敵でしょこのアタシィ♡　キャハハハ」


死体を振り回しながら踊るようなステップを踏む、


怖い、怖い、怖い、


震えが止まらないライカを見て、リョーラは笑い続けながら言う、


「安心しなよぉ！すぐに食べないから～まずはゆっくりお話するの、そしたら次は料理ぃ！君を足から少しずつ切ってぇスープの出汁を取るのぉ！叫び声はいいスパイスになるのよぉ！内臓はソーセージにしてぇ！皮は干し肉にするぅ！目玉はお酒にいれるでしょぉ～脳みそはデザート！」


恐ろしい献立を聞かされて正気でいられない、叫びたい、だけど誰も助けてくれない、



自分は遅かれ早かれ死ぬ運命だがこんなに残酷な運命だなんて…リョーラは一人で盛り上がりながらまだ続ける。



「あ～なんて素敵なぁことなのぉ～子供の肉はぁ食べる所が少ないけどぉ、美味しいんだよ～」

あぁ…最悪だ…恐ろしさのあまり少年は気を失った。