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第1話
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「さあ、もっとこっちに…」
知らない男の顔が唇を重ねようと近付いてくる。
「きゃああああ」
思わず跳ね除けてしまう。誰だと言うのだろうか。こんな不躾なことをする輩は。そして、ここは何処なのだろう。
階段から転げ落ち、その後記憶喪失になった所までは覚えていた。その後が思い出せない。
「姫、何か気に障ったのなら謝る、しかしいきなりこんなことをされては私も傷つく。公にできないこの関係の私達でも愛があれば大丈夫だと何度も言っているだろう」
「何を言っているの?」
一体全体どうゆう事なのだ。私が襲われているのではなく、合意のもとこの目の前にいる男とキスをしていたとでも言うのだろうか。いや、そんなはずはない。明らかに軽薄そうで口が達者なこの男性。容姿は端麗だがそれ以上にこのセリフめいた愛の言葉がむず痒い。
「何これっ」
本当に薬指には指輪がはめてあり結婚しているようだ。胸元にはとんでもなく高価そうなネックレス。触れたら落ちそうな赤いダイヤモンドが。
なんでこんな真っ赤な色のネックレスとドレスを。とんでもなく目立つではないか。仮にも不倫している身とは思えない。
髪型は夜会巻き。
「ああっ、僕の姫何処か病気でもしてしまったのかい」
貴方が病気なのでは、そう言わずにいられないくらい臭い台詞。これは何かの間違えだろうか。一体全体何が起こっていると言うのだろうか。
「いえ、万全でございます。ご心配をおかけし申し訳ございません。しかし、少々用事を思い出したためこれで失礼します」
取り敢えずこの場を切り抜けなくては。
知らない男の顔が唇を重ねようと近付いてくる。
「きゃああああ」
思わず跳ね除けてしまう。誰だと言うのだろうか。こんな不躾なことをする輩は。そして、ここは何処なのだろう。
階段から転げ落ち、その後記憶喪失になった所までは覚えていた。その後が思い出せない。
「姫、何か気に障ったのなら謝る、しかしいきなりこんなことをされては私も傷つく。公にできないこの関係の私達でも愛があれば大丈夫だと何度も言っているだろう」
「何を言っているの?」
一体全体どうゆう事なのだ。私が襲われているのではなく、合意のもとこの目の前にいる男とキスをしていたとでも言うのだろうか。いや、そんなはずはない。明らかに軽薄そうで口が達者なこの男性。容姿は端麗だがそれ以上にこのセリフめいた愛の言葉がむず痒い。
「何これっ」
本当に薬指には指輪がはめてあり結婚しているようだ。胸元にはとんでもなく高価そうなネックレス。触れたら落ちそうな赤いダイヤモンドが。
なんでこんな真っ赤な色のネックレスとドレスを。とんでもなく目立つではないか。仮にも不倫している身とは思えない。
髪型は夜会巻き。
「ああっ、僕の姫何処か病気でもしてしまったのかい」
貴方が病気なのでは、そう言わずにいられないくらい臭い台詞。これは何かの間違えだろうか。一体全体何が起こっていると言うのだろうか。
「いえ、万全でございます。ご心配をおかけし申し訳ございません。しかし、少々用事を思い出したためこれで失礼します」
取り敢えずこの場を切り抜けなくては。
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