文豪たちが書いた名作品の隅をつつく~描写されていない場面ではどのようなことが~ 第一作品 元作 走れメロス

k欠伸h

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竹馬の友

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王の屋敷は立派なものだった。うん、まあ、そりゃあ、どこが立派なのかって聞かれると、答えられない貧乏人が(まあ、わたしのような、ね)いっぱいいるとしか言えないくらいだと思う。材料は白色に輝くきれいな石と所々にちりばめられた金属、俺たちの土屋藁で作った家と比べるとかなり立派なものだった。階段なんて、‘眠るまでに数える羊の数(いや、それって結構少ないか)じゃなくて、メデューサの頭の蛇の数(前よりも少なくなったんじゃないか?)でもなくて、ローマからつながっている小さいのも含めた道の数(そうだ、これがいい)ぐらいもあるように感じた。こんなに考える時間をくれた階段たちに感謝‼ 玉座の間が見えてきた。中では、二人の塀に捕まえられた男になにか抗議しているようだった。いや、正確に言えば、「なにか抗議しているように見えた」だろう。だってその人、もう王と話したくないような顔しているくせに……
 えっ……まさか、そんな、、、、
 すると、あちらも私が来たのに気付いたようだ。
 竹馬の友が少し申し訳なさそうな顔をしながら、でも嬉しそうにしながら、こちらを見てきた。
「セリヌンティウス!」
「メロス!」私も寂れた街並みを見せられながら運ばれてきたのも忘れ、笑顔になっていた。そういえば、もう何年ぶりだろう。あの夜の宴会で酒を飲みながら叫びあった時から……。まだ、成人もしていない妹の嫁ぎ手のことを考えてしまうこと、このころは農業もうまくいき、生活も何とか大丈夫だということ、こどものとき、やくそくをばかしょおじきにまもってきたことが、昨日いや、今日いや、一時間いや、一秒前(さすがにいいすぎか)のことのように思い出される。いろんな昔の映像が頭に再生され、すっかりそれに脳が奪われていた。
「むす…けっ…に…で…」
ん?この雑音は何だ?そう思った瞬間その映像は消去され、目の前が再生されていた。
「本当にすまない。我の身勝手なこの願いをきいてくれないだろうか。」
我は何が何だかわからないまま頷いてしまった。とてもふるえていたので、なんだかかわいそうに思い、強く抱きしめてあげた。
 願いの内容も聞かずに。
と友と友の間でもさすがにそれはヨクナイノダロウガ、まあ成り行きだ。
そして、何が何だかわからないが、我と竹馬の友は、がたいの良い、目頭の赤男に肩をつかまれ、引き離された。
 我は縄を打たれ、つれていかれていった。
 その時の空に昇る満天の星を背景とした、メロスの骨格いや、たくましい背格好は忘れない。
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