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1.突然の別れと怒り
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「私たち、もう別れましょう。さようなら」
そう言いながら泣いている君。
僕は君のそんな姿を見て、なにも感じなかった。ただ、なにも言わないのは違う気がした。
幸せだった思い出にはいつも君の笑顔があった。だから、
「笑って」
今の僕の精一杯の気持ちを込めて言った。そして僕は君に贈るはずだった花束をもって君との思い出が詰まったこの高台から眼下に広がる広大な街を茫然と見下ろした。
「あなたはもう私が別れ話をしても何も言わないのね」
僕ははっとした。君はとても悲しそうに言った。そして、僕を責めるようにも言った。君はそんなふうに言う人ではなかったはずだ。
「だって君が考えて出した答えなんだろう?そしたら僕はその考えを尊重して、結果だけを甘んじて受け入れることにする」
「そう。本音は?」
「...ちゃんと納得がいく理由を聞きたいし、取り敢えず話し合いがしたい」
「そう」
「君は話し合いはしたくないのか?」
「ええって言ったら?」
「取り敢えず僕の家で話そう」
「それは嫌。ここで話しましょう」
なんだか、知らない人と話しているかのようだった。僕が知っている君は僕の話を真剣に聞いてくれ、笑顔だって絶やさずにいつも和やかな雰囲気を出していた。しかし、今は僕の話に相槌を打つのも億劫だとでも言いたげに聞き、笑顔の代わりに冷ややかな目をして、泣きながら僕を見つめている。
「君は変わったな...」
「そう。あなたは変わらないわ........................」
僕は心の奥そこから怒りが湧き上がってくるのを感じた。
そう言いながら泣いている君。
僕は君のそんな姿を見て、なにも感じなかった。ただ、なにも言わないのは違う気がした。
幸せだった思い出にはいつも君の笑顔があった。だから、
「笑って」
今の僕の精一杯の気持ちを込めて言った。そして僕は君に贈るはずだった花束をもって君との思い出が詰まったこの高台から眼下に広がる広大な街を茫然と見下ろした。
「あなたはもう私が別れ話をしても何も言わないのね」
僕ははっとした。君はとても悲しそうに言った。そして、僕を責めるようにも言った。君はそんなふうに言う人ではなかったはずだ。
「だって君が考えて出した答えなんだろう?そしたら僕はその考えを尊重して、結果だけを甘んじて受け入れることにする」
「そう。本音は?」
「...ちゃんと納得がいく理由を聞きたいし、取り敢えず話し合いがしたい」
「そう」
「君は話し合いはしたくないのか?」
「ええって言ったら?」
「取り敢えず僕の家で話そう」
「それは嫌。ここで話しましょう」
なんだか、知らない人と話しているかのようだった。僕が知っている君は僕の話を真剣に聞いてくれ、笑顔だって絶やさずにいつも和やかな雰囲気を出していた。しかし、今は僕の話に相槌を打つのも億劫だとでも言いたげに聞き、笑顔の代わりに冷ややかな目をして、泣きながら僕を見つめている。
「君は変わったな...」
「そう。あなたは変わらないわ........................」
僕は心の奥そこから怒りが湧き上がってくるのを感じた。
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