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管媛《くだひめ》
【自作】激痛
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蒿雀とは、送り雀。
夜道で送り狼を呼ぶ魔物。
蒿雀氏(あおじし)も同じく、足りない武芸を補うために、
かはそに朝一帯から、
広く腕に覚えのあるつわ者どもを集めて雇う。
なぜなら蒿雀氏は、長寿で子沢山。
だが気質的には穏和傾向。
黒曜石の一大産地・血盥渓谷を本拠地としたのがーー
ある意味では、不幸のはじまりはじまり~♪
✦
長上の懐刀・匪躬も、かつてはその一人。
蒿雀氏のジジイこと、現在に至るまで領主を務めるーー
驚異的長寿老人は、アイツ仙人じゃね?疑惑をものともせず、親戚関係を整えた。
傭兵将軍・匪躬には、
ジジイの兄弟の娘を、妻女として嫁がせた。
結果は、諸事情により匪躬出奔。離縁成立。
元妻女は医女となり、知り合った軍医と再婚。
匪躬に世話を頼まれた、戦災孤児の兄妹ーー
兄カンカ(のちの軍医)と、
妹タマリス(のちの鈴媛)の二人を、
養父母として、立派に育て上げた。
✦
青二才はーージジイにとっては、ひ孫に当たる。
生涯現役ジジイは、いつまで経っても領主。
ジジイの跡取りはーー
ジジイの息子どころか、
ジジイの孫まで余りまくっているのだから。
ひ孫なんて、言わずもがな。
そして亜久里(あぐり)。
亜久里は、言わずと知れた蒿雀氏の才媛。
ジジイの兄弟の孫娘。
現代ではちょっと遠いがーー
古代ではれっきとした親戚だ。
ちなみに亜久里は、ジジイの兄弟の娘である、
匪躬の元妻女の姪でもある。
✦
亜久里には、兄だけが沢山居た。
姉妹はひとりも居ない。
そんな亜久里は、従姉妹たちのたわいのない、
ありふれたお喋りに、あこがれを抱いた。
従姉妹たちは、二人で都のひそかな名店を訪れ、珍しい反物を見定める。
姉はこれが良いと選び、妹と取り合いっこ。
結局2番手の反物も買い、布地を半々で分ける。
姉妹はコツコツと内職し、互いが仕立てた衣服を褒めそやしーー
お揃いで、また都に繰り出すのだ。
「いいなあいいなあ!
我は結婚したら、娘がほしい♪」
✦
だが亜久里の望みは、叶わなかった。
青二才との初夜で、激痛にのたうち回る。
青二才が、いわゆるテクなしだからではない。
古代の亜久里たちには知る由もないが、
亜久里の激しい腹痛や吐いて寝込む程の体調不良はーー
現代でいう、
プロスタグランジン受容体が原因だ。
これは、治療でどうこうなるものでもない。
単なる体質なのだ。
「それでも、一人くらいはがんばろ……」
亜久里は土気色の顔で、悲壮な決意を固めた。
つわりはひどく、精神も危うく、毎日泣き叫ぶ亜久里。
ようやく一人息子が産まれたときは、喜びよりも安堵がまさった。
青二才も大号泣。
「亜久里! 命が無事で、ほんとうによかった…
もう俺達夫婦には、この子で十分だ」
蒿雀氏のジジイ領主も頷く。
「当たり前じゃ! 青二才だけでは、いくさになど出せぬ!」
夜道で送り狼を呼ぶ魔物。
蒿雀氏(あおじし)も同じく、足りない武芸を補うために、
かはそに朝一帯から、
広く腕に覚えのあるつわ者どもを集めて雇う。
なぜなら蒿雀氏は、長寿で子沢山。
だが気質的には穏和傾向。
黒曜石の一大産地・血盥渓谷を本拠地としたのがーー
ある意味では、不幸のはじまりはじまり~♪
✦
長上の懐刀・匪躬も、かつてはその一人。
蒿雀氏のジジイこと、現在に至るまで領主を務めるーー
驚異的長寿老人は、アイツ仙人じゃね?疑惑をものともせず、親戚関係を整えた。
傭兵将軍・匪躬には、
ジジイの兄弟の娘を、妻女として嫁がせた。
結果は、諸事情により匪躬出奔。離縁成立。
元妻女は医女となり、知り合った軍医と再婚。
匪躬に世話を頼まれた、戦災孤児の兄妹ーー
兄カンカ(のちの軍医)と、
妹タマリス(のちの鈴媛)の二人を、
養父母として、立派に育て上げた。
✦
青二才はーージジイにとっては、ひ孫に当たる。
生涯現役ジジイは、いつまで経っても領主。
ジジイの跡取りはーー
ジジイの息子どころか、
ジジイの孫まで余りまくっているのだから。
ひ孫なんて、言わずもがな。
そして亜久里(あぐり)。
亜久里は、言わずと知れた蒿雀氏の才媛。
ジジイの兄弟の孫娘。
現代ではちょっと遠いがーー
古代ではれっきとした親戚だ。
ちなみに亜久里は、ジジイの兄弟の娘である、
匪躬の元妻女の姪でもある。
✦
亜久里には、兄だけが沢山居た。
姉妹はひとりも居ない。
そんな亜久里は、従姉妹たちのたわいのない、
ありふれたお喋りに、あこがれを抱いた。
従姉妹たちは、二人で都のひそかな名店を訪れ、珍しい反物を見定める。
姉はこれが良いと選び、妹と取り合いっこ。
結局2番手の反物も買い、布地を半々で分ける。
姉妹はコツコツと内職し、互いが仕立てた衣服を褒めそやしーー
お揃いで、また都に繰り出すのだ。
「いいなあいいなあ!
我は結婚したら、娘がほしい♪」
✦
だが亜久里の望みは、叶わなかった。
青二才との初夜で、激痛にのたうち回る。
青二才が、いわゆるテクなしだからではない。
古代の亜久里たちには知る由もないが、
亜久里の激しい腹痛や吐いて寝込む程の体調不良はーー
現代でいう、
プロスタグランジン受容体が原因だ。
これは、治療でどうこうなるものでもない。
単なる体質なのだ。
「それでも、一人くらいはがんばろ……」
亜久里は土気色の顔で、悲壮な決意を固めた。
つわりはひどく、精神も危うく、毎日泣き叫ぶ亜久里。
ようやく一人息子が産まれたときは、喜びよりも安堵がまさった。
青二才も大号泣。
「亜久里! 命が無事で、ほんとうによかった…
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蒿雀氏のジジイ領主も頷く。
「当たり前じゃ! 青二才だけでは、いくさになど出せぬ!」
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