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しおりを挟むオクト視点
「あの、間違っていたら申し訳ありません。
失礼ですが体調が宜しく無いのではなくて?………………」
突然そう語りかけてきた令嬢がいた。
普段から俺は極度の頭痛に悩まされ
周りに気を使う余裕が無かったので
令嬢が話しかけて来るなど皆無なので驚いた。
令嬢を見ると親友の腰巾着の元婚約者だった。
俺の親友はこの国の王子で
その王子の権力を期待したバカが腰巾着として度々近寄って来る。
ある程度付いてまわっても俺達が相手にしないと離れて行くが
まだこの腰巾着はウロチョロしていて
確か侯爵家だったか?
ついこの間あった授与式で婚約を白紙に戻したとベラベラと話していた記憶がある。
よくある事だが
スキルの有用性だけで判断して
個人の人なり等を無視し婚約を破棄したりするのは聞いていて
良い気はしない。
「僕は優しいので破棄ではなく白紙にしてやったんです!」
なんてぼざいてたが俺からしたらどちらも同じだ。
そんな元婚約者が一緒に居るのにワザワザ俺に声をかけるなんて人が良すぎるのか?
それとも何か目的が?
元婚約者は当然として
王子が居るのに他ならぬ俺に声をかけたのは
本当に自分と同じ症状を気にしてくれたんだろうという行動や態度だが…
何より渡されたメモを見たら
無粋な事を疑う気はかなり弱まった
。
日頃から飲む薬草茶の作り方
使用する薬草と効果的な淹れ方。
様々な薬草から作られる薬の作り方と服用に際しての注意点。
日頃の行動で改善出来る事や
可能性としての
この症状があればコレを試した方が良い等
細かに、そしてビッシリと書かれていたのだ。
我が家の家族は皆頭痛持ちだった。
父上も母上も兄上も。
それぞれ痛くなるタイミングが異なったり症状がバラバラだったり
全く一緒だったりと
お抱えの医師も頭を悩ませていた
持病と呼べるのか
呪いではないのかと疑わしい中で
なかなか定かにはならない状態だった。
早速帰ってスグに医師に読ませると驚きと同時に興奮してすぐさま薬と薬草茶を用意してくれた。
医師も驚く程の的確な指示も書いてあり
長年悩まされていた症状が偏頭痛という持病の一種だという事が分かった家族は皆安心した。
原因が分からない呪い等ではと
色々調べていたのが
はっきり偏頭痛持ちと分かったからだ。
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