奴隷姫

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地獄の巣窟

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太陽の光が差す場所は、何でも手に入りきらびやかな人々が暮らす王族と貴族の世界。

別名、光の世界

光も届かない暗闇に暮らすのは、光の世界の地下にいる奴隷たちだった。

別名、闇の世界

毎日のように叫び声や悲鳴が聞こえる闇の世界では、王族や貴族の奴隷として働かされていた。

「おい、聞いたかミリアねぇが王族のやつらに買われちまった」

「わあぁぁぁん!!やだよぉ~ミリアねぇと離れるなんて」

「バカ!静かにしろ、アン!拷問部屋に入れられるぞ」

「でも…ミリアねぇが…」

「アン、ここにいるみんなだってミリアねぇと離れるのは悲しいんだ。
でも、いずれこうなる事は分かってた事だった。
ミリアねぇだってこうなる事は分かってたはずだ。
今、一番辛い思いをしてるのは他の誰でもないミリアねぇだ」

グッ

「このっ!ルナ、おまえ少しはアンの気持ちも…」

「だって、そうだろ?十六過ぎた女は皆
男の王族や貴族たちに体の奴隷として買われる。
それは、誰にもどうする事も出来ない。
今の子供の私達にも、ミリアねぇ自身もどうする事も出来ない!
バルだって本当は分かってるだろ」

「っ…」

「バルもルナもその辺にしとけ。
監視の奴らに気づかれるぞ」

「リオン…」

「アンも、もう泣くな。
泣いたって、ミリアねぇが帰って来る事はないってアンも分かるだろ?」

「うん…ひっくっ…」

「でも、とうとうミリアねぇもいなくなった。
私たちこのまま奴隷のまま王族や貴族たちに買われて死ぬのかな?」

「マリア…」

「このままなんて、私は嫌だ」

「ルナ…」

「俺も嫌だ!」

「アンもいやっ!」

「ルナ、このままが嫌でも今の奴隷の私たちにはどうする事も出来ない。
ルナだって分かってるでしょ?」

「分かってる。
でも、大丈夫。
もうすぐここを抜け出せる。」

「何か策があるの?」

「あぁ。計画が狂わなければいけるはず。
それまでまだ時間がかかる。
期を狙って絶対この地獄から出てやる!」

この、闇の世界は要は地獄と同じ場所だった。
光が差すことは一切ない暗い鉄格子に囲まれた地下に何億人もの人々が奴隷として暮らしている。
女は、十六になったら王族や貴族の男たちによって体の奴隷として買われる。
買われた女は首や手足に錠をつけられいいように扱われる。
逃げ出したらその場で殺され一生逃げる事など出来ない。

男は、奴隷として王族や貴族たちに買われ道具にされるか地下で一生働かされる。

地下には、常に何人もの監視がついており逆らった者や泣き叫んだ者、逃げようとした者はその場で殺されるか拷問部屋にて仕打ちをうける。
それは、子供や老人も関係なく皆同じだった。

私たち…
一番長くいるルナを中心に、まだ幼い六歳のアン、十二歳のリオンとマリア、ルナと同じ十一歳のバルは同じ鉄格子の部屋で仲間として暮している。

一言で言おう、ここは地獄だ…



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