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#2〜受付の人が天使で焦った〜
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家を出た直後から緊張して来た。
もう帰りたい。帰っていいよね? ダメかな……やっぱり……身内以外の人間と話すのは何年振りだろう。Twitterは毎日、なんなら毎時更新しているけれど、面と向かって話すのは……某ハンバーガー屋で、ピクルスを抜いて貰うのに緊張して汗だくになるのに、面接なんて耐えられるのだろうか。結局「ピクルスを抜いて下さい」と言えず、ただの汗かきだと店員に思われているこの僕に、面接なんて無理だ。帰りたい。今すぐ帰りたい。もういっそ死ねばいいのか? 死ねば誰とも会わずに済むな。もういっそ死のう。死なないけど。あぁーお腹痛い。帰りたい。
家から駅まで半分くらいの距離を進んだ辺りでお腹が痛くなって来た。どこかに緊張を解す薬でも売っていないだろうか。
駅に到着し、電車が止まっている事を期待したが、残念ながら電車は時間通りに動いていた。
重い足を、文字通り引きずりながら面接会場の前に着く。頭も痛くなって来た。
僕は有らん限りの勇気を振り絞り、面接会場へ入る。入った直ぐに、受付の人がいた。
神よ‼︎ あなたはどれだけ僕を苦しめれば気がすむのですか‼︎ 面接と言うだけでも緊張するのに、面接の前に受付の人とも話さないといけないなんて‼︎ どれだけ試練をお与えになるのでしょうか‼︎
「す、すみ、すみません……」
僕は最後の勇気を振り絞り、受付に声をかけた。受付の人が僕を見て微笑む。その顔が可愛くて、僕は固まってしまった。
顔が小さく、目が大きい。花も高く、髪が長い。緊張した僕の語彙力だとこんなもんだ。形容できない程可愛いという事ですよ。
「はい。ご用件は?」
首を傾げて質問をしてくる。その動作も可愛かった。何ですかこの人は。天使でしょうか。僕を迎えに来た天使様でしょうか。神はいないと思っていましたが、天使ならここに居ました。僕は今日、死んでもいいです。我が生涯に一片の悔いなしです。
「あの……ご用件は?」
天使が僕に話しかけてくれている。なんたる光栄、なんたる名誉。僕には勿体無いです。
「あの~、何か話して頂かないと……」
僕は『ハッ‼︎』と我に帰り、咄嗟に言葉を絞り出した。
「勿体ないお言葉です」
「はい?」
僕は何を口にした? 天使が困っている。挽回をしなくては。
「あ……いえ……その……め、面接……」
……今はこれが精一杯。クソ‼︎ 僕の意気地なし‼︎
「あぁ‼︎ 伺っております。『安達 勇』様ですね。少々お待ちください」
天使が僕の名前をご存知でいらっしゃる‼︎ ヤバイ‼︎ フラグ立った‼︎ 天使と僕みたいな下等種族との禁断の恋愛フラグが立った‼︎
と、妄想癖がある僕は思った。勿論フラグは立っていない。話が進まないので、少し冷静になろう。落ち着け、僕‼︎
「安達様。お待たせ致しました。どうぞこちらへ」
天使……じゃない‼︎ 受付の人に案内され、僕は会場の前に着く。落ち着かない。手に汗が溜まる。時間は? 遅刻していないか?
時計を確認すると、面接時間の3分前を示している。危ないところだった。
「どうぞ」
中から女性の声がした。入って良いのか? 『どうぞ』と言う言葉は僕に向けられたのか? それとも中に誰かいるのか? その人に向けられていた言葉なら、僕が入ったらダメじゃないか?
「あの……」
受付の天使が僕に話し掛けてくる。
「入られないのですか?」
「あ……そ、そうですね」
僕は扉をノックした。
もう帰りたい。帰っていいよね? ダメかな……やっぱり……身内以外の人間と話すのは何年振りだろう。Twitterは毎日、なんなら毎時更新しているけれど、面と向かって話すのは……某ハンバーガー屋で、ピクルスを抜いて貰うのに緊張して汗だくになるのに、面接なんて耐えられるのだろうか。結局「ピクルスを抜いて下さい」と言えず、ただの汗かきだと店員に思われているこの僕に、面接なんて無理だ。帰りたい。今すぐ帰りたい。もういっそ死ねばいいのか? 死ねば誰とも会わずに済むな。もういっそ死のう。死なないけど。あぁーお腹痛い。帰りたい。
家から駅まで半分くらいの距離を進んだ辺りでお腹が痛くなって来た。どこかに緊張を解す薬でも売っていないだろうか。
駅に到着し、電車が止まっている事を期待したが、残念ながら電車は時間通りに動いていた。
重い足を、文字通り引きずりながら面接会場の前に着く。頭も痛くなって来た。
僕は有らん限りの勇気を振り絞り、面接会場へ入る。入った直ぐに、受付の人がいた。
神よ‼︎ あなたはどれだけ僕を苦しめれば気がすむのですか‼︎ 面接と言うだけでも緊張するのに、面接の前に受付の人とも話さないといけないなんて‼︎ どれだけ試練をお与えになるのでしょうか‼︎
「す、すみ、すみません……」
僕は最後の勇気を振り絞り、受付に声をかけた。受付の人が僕を見て微笑む。その顔が可愛くて、僕は固まってしまった。
顔が小さく、目が大きい。花も高く、髪が長い。緊張した僕の語彙力だとこんなもんだ。形容できない程可愛いという事ですよ。
「はい。ご用件は?」
首を傾げて質問をしてくる。その動作も可愛かった。何ですかこの人は。天使でしょうか。僕を迎えに来た天使様でしょうか。神はいないと思っていましたが、天使ならここに居ました。僕は今日、死んでもいいです。我が生涯に一片の悔いなしです。
「あの……ご用件は?」
天使が僕に話しかけてくれている。なんたる光栄、なんたる名誉。僕には勿体無いです。
「あの~、何か話して頂かないと……」
僕は『ハッ‼︎』と我に帰り、咄嗟に言葉を絞り出した。
「勿体ないお言葉です」
「はい?」
僕は何を口にした? 天使が困っている。挽回をしなくては。
「あ……いえ……その……め、面接……」
……今はこれが精一杯。クソ‼︎ 僕の意気地なし‼︎
「あぁ‼︎ 伺っております。『安達 勇』様ですね。少々お待ちください」
天使が僕の名前をご存知でいらっしゃる‼︎ ヤバイ‼︎ フラグ立った‼︎ 天使と僕みたいな下等種族との禁断の恋愛フラグが立った‼︎
と、妄想癖がある僕は思った。勿論フラグは立っていない。話が進まないので、少し冷静になろう。落ち着け、僕‼︎
「安達様。お待たせ致しました。どうぞこちらへ」
天使……じゃない‼︎ 受付の人に案内され、僕は会場の前に着く。落ち着かない。手に汗が溜まる。時間は? 遅刻していないか?
時計を確認すると、面接時間の3分前を示している。危ないところだった。
「どうぞ」
中から女性の声がした。入って良いのか? 『どうぞ』と言う言葉は僕に向けられたのか? それとも中に誰かいるのか? その人に向けられていた言葉なら、僕が入ったらダメじゃないか?
「あの……」
受付の天使が僕に話し掛けてくる。
「入られないのですか?」
「あ……そ、そうですね」
僕は扉をノックした。
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