コミュ障引きこもりの僕が再就職したら天使のような人が集う超ホワイト企業でした

MIroku

文字の大きさ
2 / 18

#2〜受付の人が天使で焦った〜

しおりを挟む
 家を出た直後から緊張して来た。

 もう帰りたい。帰っていいよね? ダメかな……やっぱり……身内以外の人間と話すのは何年振りだろう。Twitterは毎日、なんなら毎時更新しているけれど、面と向かって話すのは……某ハンバーガー屋で、ピクルスを抜いて貰うのに緊張して汗だくになるのに、面接なんて耐えられるのだろうか。結局「ピクルスを抜いて下さい」と言えず、ただの汗かきだと店員に思われているこの僕に、面接なんて無理だ。帰りたい。今すぐ帰りたい。もういっそ死ねばいいのか? 死ねば誰とも会わずに済むな。もういっそ死のう。死なないけど。あぁーお腹痛い。帰りたい。

 家から駅まで半分くらいの距離を進んだ辺りでお腹が痛くなって来た。どこかに緊張を解す薬でも売っていないだろうか。

 駅に到着し、電車が止まっている事を期待したが、残念ながら電車は時間通りに動いていた。

 重い足を、文字通り引きずりながら面接会場の前に着く。頭も痛くなって来た。

 僕は有らん限りの勇気を振り絞り、面接会場へ入る。入った直ぐに、受付の人がいた。

 神よ‼︎ あなたはどれだけ僕を苦しめれば気がすむのですか‼︎ 面接と言うだけでも緊張するのに、面接の前に受付の人とも話さないといけないなんて‼︎ どれだけ試練をお与えになるのでしょうか‼︎

「す、すみ、すみません……」

 僕は最後の勇気を振り絞り、受付に声をかけた。受付の人が僕を見て微笑む。その顔が可愛くて、僕は固まってしまった。

 顔が小さく、目が大きい。花も高く、髪が長い。緊張した僕の語彙力だとこんなもんだ。形容できない程可愛いという事ですよ。

「はい。ご用件は?」

 首を傾げて質問をしてくる。その動作も可愛かった。何ですかこの人は。天使でしょうか。僕を迎えに来た天使様でしょうか。神はいないと思っていましたが、天使ならここに居ました。僕は今日、死んでもいいです。我が生涯に一片の悔いなしです。

「あの……ご用件は?」

 天使が僕に話しかけてくれている。なんたる光栄、なんたる名誉。僕には勿体無いです。

「あの~、何か話して頂かないと……」

 僕は『ハッ‼︎』と我に帰り、咄嗟に言葉を絞り出した。

「勿体ないお言葉です」

「はい?」

 僕は何を口にした? 天使が困っている。挽回をしなくては。

「あ……いえ……その……め、面接……」

 ……今はこれが精一杯。クソ‼︎ 僕の意気地なし‼︎

「あぁ‼︎ 伺っております。『安達 勇アダチ イサム』様ですね。少々お待ちください」

 天使が僕の名前をご存知でいらっしゃる‼︎ ヤバイ‼︎ フラグ立った‼︎ 天使と僕みたいな下等種族との禁断の恋愛フラグが立った‼︎

 と、妄想癖がある僕は思った。勿論フラグは立っていない。話が進まないので、少し冷静になろう。落ち着け、僕‼︎

「安達様。お待たせ致しました。どうぞこちらへ」

 天使……じゃない‼︎ 受付の人に案内され、僕は会場の前に着く。落ち着かない。手に汗が溜まる。時間は? 遅刻していないか?

 時計を確認すると、面接時間の3分前を示している。危ないところだった。

「どうぞ」

 中から女性の声がした。入って良いのか? 『どうぞ』と言う言葉は僕に向けられたのか? それとも中に誰かいるのか? その人に向けられていた言葉なら、僕が入ったらダメじゃないか?

「あの……」

 受付の天使が僕に話し掛けてくる。

「入られないのですか?」

「あ……そ、そうですね」

 僕は扉をノックした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件

暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

今日の授業は保健体育

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。 その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。 ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。

処理中です...