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257.ルア・アルニム
別宅へ帰り、食事をして一緒にお風呂に入る一息を置いてから……ルアとの結婚初夜。
「あっ…んっ…んぅ…。」
「愛してる…。」
「あ!ルア…あぅ…あぁ!」
「大好きだよ…。」
「…んっ……はぁ。」
「愛してる…ずっと一緒だ。」
「ルア…大好き……あぁ!んっ…。」
愛の言葉を囁かれながら、時間をかけて大切に優しく抱いてくれる。処女を捧げた時よりも優しいが…もうじき朝だ。
「…はぁはぁ。」
抜かれた時には朝日がのぼりきっていた。
「キツかったか?」
「うぅん。幸せ…ルアの愛をいっぱい感じた。」
「愛してるよ。」
「うぅ…恥ずかしい。」
ずっと愛を乗せた瞳で見つめられ、愛を囁かれ、抱かれた後も、腕の中で愛を囁かれることに恥ずかしさが込み上げてルアの胸の中に隠れた。
「隠れちゃうの?」
「隠れちゃう…恥ずかしい。」
「恥ずかしがってる顔も綺麗だよ。そそる。」
恥ずかしいって言ってるでしょうが!と叫びたい。
ルアの胸にギュと縋り付く…ルアの胸…筋肉。ルアの胸の筋肉にキスをして腹筋に手を這わせる。ルアの腹筋…背筋も素晴らしい…そそる。
触り放題……
「…足りなかったみたいだな。」
「あ…筋肉が…。」
「好きなだけ触ってろよ。」
「あぁ!」
触り過ぎたようだ。筋肉を堪能する余裕もなく、激しく抱かれてしまった。
この後は、お風呂に入って直ぐに寝てしまった。起きた時には夕方。ルアはお気に入りのデスクで何かを書いていたが、私が目を開けたのが分かったのだろう。手を止めて、横になったままの私の側まで来てキスをくれた。
「おはようマリア。」
「おはようルア。ルアは寝たの?」
「寝たよ。体平気?」
「良かった。うん、沢山寝たから平気。」
体を起こして窓の外を眺める。茜色の空…これ…夜眠れるだろうか。
「どうした?」
「寝過ぎた。夜眠れるかなって。」
「寝かせてもらえると思ってんの?」
「…何も考えてなかったけど、今寝かせてもらえないと知った。」
「ふっ…。」
ルアはよくできました顔でキスをして、またデスクへ戻った。何かを書いてはいるが、会話は問題なくできるらしい。器用な頭だな。
「明日は昼からジュエルルージュに行って、マリアはそのまま向こうでフローラさんと一緒に泊まることになるから。」
「うん。ルアは忙しいんだね。全部任せていいの?」
逆に私がルアの動きに入ったら足手纏いか?
「大したことはしないから。マリアの衣装合わせの方が大変だろ。」
ルア…また疲れた顔をした。ダブル母様に囲まれたのを思い出しているのだろう。
「私は慣れているから。ルアは大変だったでしょうね。」
「…いや。頭の中にうふふが…リンが嫌がる気持ちも分かったよ。」
リンは大量のアオちゃんに囲まれてうふふふふ。されていたからである。ダブル母様に囲まれるのはもっと怖いかも。
「嬉しいんだろうね。ルアは格好良いから服も気合い入っちゃうんだよ。」
「俺の服なんて何でもいいよ。」
「私の服も何でもいいや。」
「リンとポチは来るって。結婚式が終わったらそのままフィンとダークと遊びに行くらしい。」
「フィンと遊びに行くのか…フィン…フィンフィン。」
「マリアは今度な。ヘレンとルーファスは絶対来るって。」
「可愛い天使達。新婚旅行は何泊?」
「移動も合わせて十日で帰って来るよ。本当は春休み中過ごしたかったけどあいつ等に約束させられたから。」
「そうなんだ…。」
「大丈夫だよ。何も問題ない。」
「うん。分かった。」
この日の夜もたっぷり愛されて、翌日はジュエルルージュへ。衣装は完成していたが、ダブル母様が微調整を加えるらしい。結婚式までジュエルルージュで穏やかに過ごし、とうとう結婚式当日。
藤色のドレスに、紫の薔薇を頭と横腹に飾り、教会前で半泣きの父様と並ぶ。母様が横の入り口から入って行くと、中の話し声がピタリと止まった。
係員が教会の扉を開けてくれると、外の光が一気に教会の中を照らし、十字架をキラキラ光らせる。
バージンロードを父様と歩き、黒の衣装に襟と胸元の薔薇が銀色の美しいルアの隣に並ぶと、父様は泣きながら参列席に行った。
「綺麗だよ。」
「ありがとう。ルアも綺麗よ。」
優しく微笑み合って神父へ体を向け、長い何かを聞く。そして生涯愛すると誓いを立てて、誓いのキスをして教会を出る。ほぼ神父が騒いでいただけである。
「「おめでとうございますマリー様!!綺麗でした!」」
「んっふ!ありがとう天使達!」
ヘレンとルーファスと手を取って、わーいと回る。
「おめでとうマリー。綺麗だったわ。流石は父様と母様の子ね。」
「そうね。そのドレスの上のレースが光を受けてキラキラと。素晴らしかったわ。」
「おめでとうマリア。あの小さかった銀色の可愛い子供が結婚とはね。あの時は」
「それ以上は声を出してはダメよアレス。」
「…はい、お母様。」
「羨ましいわマリー!!おめでとう!」
「んふっ。ありがとうございます。」
父様も何か言っているが、泣きすぎて何を言っているのか全く分からん。とりあえずお礼を言っておいた。
「おめでとうマリアさん。」
「ありがとうポチ。今までと何が変わるわけではないけどね。」
「それもそうだな。」
「ほぼ神父が騒いでいただけである。って言ってましたぁ。」
「バラすんじゃないよ!」
「マリア おめでとう。」
「姉様綺麗だった!おめでとう!」
「ギャッ!可愛い!!ありがとうフィンとダーク!」
フィンとダークを抱きしめてスリスリする。
「へへっ。姉様いつでもこれやるんだな。」
「んふふふ。」
「うふふふ。可愛いわぁ…双子だったなんてね…うふふふふふ。私もそれやっていい?」
「アオ いとこ。」
「アオが従姉妹ってなんか嫌だな。」
「何が嫌なのよ!あんたも纏めて可愛がってあげるわ!いらっしゃい!」
「本当に嫌だ!」
「一周回って大好きってことね!」
「違う!」
参列してくれた愛する人達とワイワイ騒いで、教会の更衣室で普通のワンピースに着替えて、いい笑顔で解散した。新婚旅行に行って来ます!
高速車の景色…森、山、森、森…
「森森森森森…山。」
「……。」
「山山…森森森。」
「……。」
「森山さん…。」
「結婚しても変な女だな。」
「変な女じゃないよ?ほんの少しだけ変なだけ。個性です。」
「ふっ…。」
「ずっと一緒にいるって決めてたから、結婚してるような気持ちだったし。変わらないよ。」
「…やっぱりいい女。」
「ふふ。でもルアは変わったよね。名前が。」
「変わったな。」
「私のルア。」
「…そうだよ。」
デスクに座って外を眺める私を抱き締めて幸せそうにするルアの腕に手を添える。
「シェパードか…隣の隣の隣の国なのに何があるか全然知らないや。」
「隣の隣の国。海に囲まれてるけど、入ろうとするなよ。」
「しないよ。寒いもん。」
「暑くてもダメ。」
「はーい。」
高速車ではリラックスした幸せオーラを出すルアと甘い時間を過ごして、シェパードへ到着。降りた瞬間に、仄かに香る磯と花の香りが、どこか懐かしさを感じて心地良い。空気も澄んでいる。
ルアとのんびり散策をすると、街は白や薄い黄色や薄いピンクなど優しい色合いが並び、そこら中に同じ花が咲いている。
「気持ちいいね。花が綺麗。」
「プルメリアだよ。街の建物もプルメリアの色だけって決まりがあるらしい。」
「プルメリアの国か。素敵。」
「気に入った?」
「気に入った!落ち着く。」
「そうだな。」
街の人々もプルメリアと同じ淡い色の服を着て、屋台には果物や花など色の綺麗なものばかり並んでいる。
「まあまあ!綺麗な夫婦だこと!これあげるわ!」
「プルメリアだ。ありがとうお姉様。」
「やーだよ!お姉様だなんて!」
「んふふ…お花のような綺麗なレディーがくれたお花の香り…この花が街中を甘い香りにさせているのでしょうね。可憐な花だわ。」
「……。」
「まあまあ…素敵な子ね!うちでお昼を食べて行きなよ!」
「あら、いいの?」
「勿論さ!ほら綺麗な旦那もおいで!」
「…はい。」
シェパードの国料理はまんまベルギー料理だった。ベルギー料理屋には行ったことはある。ベルギー美人のお友達ができたからだ。素材も香りも、色合いも楽しむシェパード料理は美味しい。
レディーにバイバイしてまた街歩き。あちこちから花をオマケで沢山くれて、花束になった。オヤツも頂いた。いい街じゃないか。
「…口説きすぎ。」
「何が?全く口説いてないけど?変なルア。ふんふーん。」
「…女でよかったな。」
「それ何度も言われたことあるわ。謎。ふふふーん。」
「……。」
ルアはご機嫌な私を楽しそうに見ている。優しい顔で幸せオーラを満開に出してる。ふふふふ…楽しい。
夜はいつの間にかルアが予約してくれていた色気のある貸し切りの店で南国気分でまったりディナー。ディナーが終わると、海が見える静かで綺麗な淡い色の家に着いた。使用人が深々と頭を下げている。ルアの別宅で見る光景だが…豪華なコテージか?
「ここは?」
「別荘。」
「ルアのなの?」
「そうだよ。」
買ってあったのか。ルアの家でした。
ルアとたっぷり愛し合った翌朝。海が見えるバルコニーに出て、開放感ではしゃぎ倒したくなる。
「気持ちいい!海が見えるのいいね。」
「そう?」
「それが良かったんじゃないの?」
「いや、敷地内の景色を聞いてここに決めたんだよ。」
「いつからここあったの?」
「一年前。いつかマリアと来ようと思って買った。」
「そうなんだ。昨日の夜思ったんだけど、月明かりがあまり差してなかったね。」
「マリアと一緒に来る予定だったから変わりはいらないだろ。」
「本体がいるもんね。ふふ。」
「本体…そうだな。マリアは一度も自分から別宅に来なかったから。」
「行かなかったね。ルアが会いに来てくれてたのも、母様に言われたからだと思ってたよ。」
「はぁ…よっぽど相手にされてなかったんだな。」
「そんなことはないよ。会うたびに好きになってたから。怖いルアも、優しいルアも、可愛いルアも、沢山我慢しちゃうルアも愛しいよ。ルアのこと何も知らないから、別宅に遊びに行って仕事の邪魔になったり無理させたりしたら嫌だなとは思ったよ。」
「何でも聞けよ。何でも教える。」
「寂しかったの?」
「寂しかったよ。毎日会いたいと思ってた。」
「じゃあこれからは寂しいって言えばいいよ。沢山癒してあげるから。」
「…分かった。」
素直なニャンコ…可愛い。私の背中を抱き締めるルアの顔は今見たらいけない気がして、肩に頭を置くルアを撫でた。されるがままなのも可愛い。
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