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#043 光芒の剣の設計図
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地獄のフィジカルトレーニングと並行して始まった、僕たち四人、それぞれの専門分野を極めるための特別授業。僕と真角くんは、再び、あの講義室の席に着いていた。目の前には、白衣を纏った零音先生。今日の彼女は、いつもの妖艶な教師ではなく、世界的な科学者としての顔をしていた。
「――さて、ハルくん。君が目指す『光の剣』。その正式名称を、先生、考えてきちゃいました♡」
先生は、ウインクと共に、ホワイトボードに流麗な文字を書き連ねる。
『磁界拘束光刃』
「じかい……こうそく、こうじん……?」
「英語にすると、Magnetic Confinement Light Blade。なかなか、ヒーローっぽくてカッコいいでしょ?」
カッコいい、とは思う。でも、それ以上に、その名前が持つ、重々しい響きに、僕は気圧されていた。
「君がやろうとしていることはね、ハルくん。ただ光の棒を振り回すことじゃない。『磁界』で、超高温の『プラズマ』を、『拘束』して、『光の刃』を作り出すこと。その物理現象そのものが、君の新しい技の名前になるのよ」
彼女は、僕の隣で静かに話を聞いている真角くんに、視線を移した。
「……真角くん。この技を実現させるために、ハルくんが最初に学ぶべき物理学の分野は何だと思う?」
「……まず、『光』そのものの正体を知らなければ、話になりません」
真角くんは、淀みなく答えた。「波動光学。そして、その根源となる、量子力学の基礎です」
「正解♡」
先生は満足げに頷くと、ホワイトボードに、波と粒子の絵を描き始めた。量子力学。もうこれだけでお手上げなのだが、更に波動光学などという学問まで飛び出してきた。なんだそれは。
「そう。まず、大前提。光っていうのは、すごく気まぐれでね。『波』のように振る舞う時もあれば、『粒子』のように振る舞う時もあるの。この『光の二重性』を理解することが、第一歩よ」
そこから始まった先生の講義は、僕が今まで学校で習ってきた物理とは、全く次元の違う、深淵な世界だった。
光が、なぜ色を持って見えるのか。それは、原子の中の電子が、特定のエネルギー状態に飛び移る時に、その差分のエネルギーを、特定の色の光子として放出するから。
「つまりね、ハルくん。君が、あのヒーローみたいに、青白い光の剣を出したいって思うなら、『どの原子の電子を、どのくらいジャンプさせれば、青白い光子が出てくるか』を、君の脳でシミュレーションして、命令しなくちゃいけないってこと。……できるかしら?」
「う……が、頑張ります……」
次に、先生は「プラズマ」という言葉を書き出した。
「そして、君の剣の『本体』になるのが、このプラズマ。物質の、固体・液体・気体に続く、第四の状態よ。原子が、プラスの電気を持つイオンと、マイナスの電気を持つ電子に、バラバラに電離した、超高温のエネルギーの塊。……雷とか、太陽の正体ね」
「太陽……」
そんな、とんでもないものを、僕がこの手で?
「そう、太陽よ。そして、その太陽を、どうやって、ちっぽけなナイフの上に、剣の形に閉じ込めておくか。――その答えが、君が元々持っている力。『磁力』なの」
先生は、ホワイトボードに、ドーナツ状の絵を描いた。
「これは、トカマク型核融合炉の模式図。本物の太陽と同じ、一億度以上の超高温プラズマを、地上に閉じ込めておくための、魔法の瓶よ。そして、その瓶の正体が、強力な『磁場』なの」
「磁場……」
「そう。プラズマは、電気を帯びているから、磁場の影響をすごく強く受ける。この性質を利用して、プラズマが外に逃げ出さないように、強力な磁場の壁で、真空中に浮かせて閉じ込める。これを、『磁場閉じ込め』って言うわ。……ハルくんがこれからやろうとしていることは、まさしく、これなのよ」
彼女は、僕の『双極』の設計図をモニターに映し出した。
「君の新しいナイフは、それ自体が強力な電磁石になるように設計されている。そして、君自身の磁力操作の機術で、そのナイフから、『剣の形をした、目に見えない磁場の器』を作り出すの。その器の中に、超高温のプラズマを流し込むことで、初めて、君の光の剣――『磁界拘束光刃』は、完成する」
あまりにも、壮大で、難解な話。僕の頭は、完全にパンク寸前だった。
だが、その時、隣にいた真角くんが、静かに、しかし、的確な助け舟を出してくれた。
「……つまり、こういうことですよ」
彼は、僕のノートに、一本の単純な数式を書き込んだ。
F = q(E + v × B)
「これは、ローレンツ力を示す方程式。磁場(B)の中を、速度(v)で動く、電荷(q)を持つ粒子――つまりプラズマが、どれだけの力(F)を受けるかを示している」
彼は、さらに続ける。
「この方程式を使って、プラズマが、君が望む『剣の形』の内側に、常に押し込められ続けるような、完璧な磁場(B)の値を、君の脳で計算し続けること。……ただ、それだけの話ですよ」
「た、ただ、それだけって……」
「もちろん、そのためには、磁場をどうやって発生させるか、という電磁誘導の法則……ひいては、それを包括するマクスウェルの方程式の、完全な理解が不可欠になりますがね」
真角くんは、淡々と、しかし、僕がつまずいていた部分を、的確に言語化してくれた。そうだ。難しい言葉に惑わされるな。僕がやるべきことは、僕の得意な「磁力」で、暴れ馬みたいなプラズマを、手懐けることなんだ。
「ふふっ、その通りよ、真角くん」
美王先生は、僕たちのやり取りを、満足げに見ていた。
「ハルくん。君は、もう、磁力を操る基礎はできている。あとは、その力を、もっと精密に、もっと理論的に、コントロールするための『知識』を、脳にインストールするだけ。……幸い、ここには、最高の家庭教師もいることだしね♡」
先生の視線に、真角くんは、少しだけ、顔を背けた。
「……最後に、もう一つだけ」
先生は、ホワイトボードに、一つの方程式を書き出した。
E = mc²
「エネルギーは、無からは生まれない。君がその光の刃を生み出すためには、莫大なエネルギーが必要になる。そのエネルギーを、どこから持ってくるか。……君の新しいナイフには、ごく僅かな質量を、莫大なエネルギーに変換するための、小さな核融合炉が内蔵されているわ。でも、それを起動させるための、最初の『火種』を作るのは、君自身の力。……つまり、君が、この『質量とエネルギーの等価性』っていう、世界の根源的なルールを、どれだけ深く理解できるかに、かかっているのよ」
波動光学、量子力学、プラズマ物理学。
電磁気学、核融合工学。
そして、熱力学と、相対性理論。
僕が光の剣をその手にするためには、これだけの、巨大な知識の山を、乗り越えなければならない。
正直、気が遠くなるような話だった。
でも。
不思議と、絶望は感じなかった。
隣には、僕の分からないことを、僕が分かる言葉で教えてくれる、最高の仲間がいる。
目の前には、僕の可能性を、誰よりも信じてくれる、最高の先生がいる。
そして、僕の心の中には、「強くなりたい」という、ただ一つの、燃えるような想いがある。
「……やります」
僕は、顔を上げた。
「僕、絶対に、やってみせます。その……『磁界拘束光刃』を、必ず、この手で!」
その決意の言葉に、先生は、これまでで一番、優しい笑みを、僕に向けてくれた。
僕の、光の剣士への道は、今、確かに、その第一歩を、踏み出したのだった。
地獄のフィジカルトレーニングと、脳が沸騰しそうなほどの専門分野の学習。その二つを、毎日、日の出から日没まで、ひたすらに繰り返す。
僕たちの、南の島での強化合宿は、想像を絶するほどに、過酷なものだった。
肆谷副会長の木刀に、何度打ちのめされたか分からない。
美王先生が黒板に書く、難解な数式の意味が分からなくて、何度、頭を抱えたか分からない。
命さんのメイド修行も、激しいものだった。
怜士くんと、夜遅くまで剣の素振りをし、杏那さんの飛行訓練を見てあげた。
真角くんとは、専門書を奪い合うようにして読み耽り、議論を戦わせた。
辛くて、苦しくて、何度も心が折れそうになった。
だけど、僕たちは、誰一人として、音を上げなかった。
あの日、心に誓った、「本物の強さ」を手に入れるために。
そして、あっという間に、十日の月日が流れた。
「――さて、ハルくん。君が目指す『光の剣』。その正式名称を、先生、考えてきちゃいました♡」
先生は、ウインクと共に、ホワイトボードに流麗な文字を書き連ねる。
『磁界拘束光刃』
「じかい……こうそく、こうじん……?」
「英語にすると、Magnetic Confinement Light Blade。なかなか、ヒーローっぽくてカッコいいでしょ?」
カッコいい、とは思う。でも、それ以上に、その名前が持つ、重々しい響きに、僕は気圧されていた。
「君がやろうとしていることはね、ハルくん。ただ光の棒を振り回すことじゃない。『磁界』で、超高温の『プラズマ』を、『拘束』して、『光の刃』を作り出すこと。その物理現象そのものが、君の新しい技の名前になるのよ」
彼女は、僕の隣で静かに話を聞いている真角くんに、視線を移した。
「……真角くん。この技を実現させるために、ハルくんが最初に学ぶべき物理学の分野は何だと思う?」
「……まず、『光』そのものの正体を知らなければ、話になりません」
真角くんは、淀みなく答えた。「波動光学。そして、その根源となる、量子力学の基礎です」
「正解♡」
先生は満足げに頷くと、ホワイトボードに、波と粒子の絵を描き始めた。量子力学。もうこれだけでお手上げなのだが、更に波動光学などという学問まで飛び出してきた。なんだそれは。
「そう。まず、大前提。光っていうのは、すごく気まぐれでね。『波』のように振る舞う時もあれば、『粒子』のように振る舞う時もあるの。この『光の二重性』を理解することが、第一歩よ」
そこから始まった先生の講義は、僕が今まで学校で習ってきた物理とは、全く次元の違う、深淵な世界だった。
光が、なぜ色を持って見えるのか。それは、原子の中の電子が、特定のエネルギー状態に飛び移る時に、その差分のエネルギーを、特定の色の光子として放出するから。
「つまりね、ハルくん。君が、あのヒーローみたいに、青白い光の剣を出したいって思うなら、『どの原子の電子を、どのくらいジャンプさせれば、青白い光子が出てくるか』を、君の脳でシミュレーションして、命令しなくちゃいけないってこと。……できるかしら?」
「う……が、頑張ります……」
次に、先生は「プラズマ」という言葉を書き出した。
「そして、君の剣の『本体』になるのが、このプラズマ。物質の、固体・液体・気体に続く、第四の状態よ。原子が、プラスの電気を持つイオンと、マイナスの電気を持つ電子に、バラバラに電離した、超高温のエネルギーの塊。……雷とか、太陽の正体ね」
「太陽……」
そんな、とんでもないものを、僕がこの手で?
「そう、太陽よ。そして、その太陽を、どうやって、ちっぽけなナイフの上に、剣の形に閉じ込めておくか。――その答えが、君が元々持っている力。『磁力』なの」
先生は、ホワイトボードに、ドーナツ状の絵を描いた。
「これは、トカマク型核融合炉の模式図。本物の太陽と同じ、一億度以上の超高温プラズマを、地上に閉じ込めておくための、魔法の瓶よ。そして、その瓶の正体が、強力な『磁場』なの」
「磁場……」
「そう。プラズマは、電気を帯びているから、磁場の影響をすごく強く受ける。この性質を利用して、プラズマが外に逃げ出さないように、強力な磁場の壁で、真空中に浮かせて閉じ込める。これを、『磁場閉じ込め』って言うわ。……ハルくんがこれからやろうとしていることは、まさしく、これなのよ」
彼女は、僕の『双極』の設計図をモニターに映し出した。
「君の新しいナイフは、それ自体が強力な電磁石になるように設計されている。そして、君自身の磁力操作の機術で、そのナイフから、『剣の形をした、目に見えない磁場の器』を作り出すの。その器の中に、超高温のプラズマを流し込むことで、初めて、君の光の剣――『磁界拘束光刃』は、完成する」
あまりにも、壮大で、難解な話。僕の頭は、完全にパンク寸前だった。
だが、その時、隣にいた真角くんが、静かに、しかし、的確な助け舟を出してくれた。
「……つまり、こういうことですよ」
彼は、僕のノートに、一本の単純な数式を書き込んだ。
F = q(E + v × B)
「これは、ローレンツ力を示す方程式。磁場(B)の中を、速度(v)で動く、電荷(q)を持つ粒子――つまりプラズマが、どれだけの力(F)を受けるかを示している」
彼は、さらに続ける。
「この方程式を使って、プラズマが、君が望む『剣の形』の内側に、常に押し込められ続けるような、完璧な磁場(B)の値を、君の脳で計算し続けること。……ただ、それだけの話ですよ」
「た、ただ、それだけって……」
「もちろん、そのためには、磁場をどうやって発生させるか、という電磁誘導の法則……ひいては、それを包括するマクスウェルの方程式の、完全な理解が不可欠になりますがね」
真角くんは、淡々と、しかし、僕がつまずいていた部分を、的確に言語化してくれた。そうだ。難しい言葉に惑わされるな。僕がやるべきことは、僕の得意な「磁力」で、暴れ馬みたいなプラズマを、手懐けることなんだ。
「ふふっ、その通りよ、真角くん」
美王先生は、僕たちのやり取りを、満足げに見ていた。
「ハルくん。君は、もう、磁力を操る基礎はできている。あとは、その力を、もっと精密に、もっと理論的に、コントロールするための『知識』を、脳にインストールするだけ。……幸い、ここには、最高の家庭教師もいることだしね♡」
先生の視線に、真角くんは、少しだけ、顔を背けた。
「……最後に、もう一つだけ」
先生は、ホワイトボードに、一つの方程式を書き出した。
E = mc²
「エネルギーは、無からは生まれない。君がその光の刃を生み出すためには、莫大なエネルギーが必要になる。そのエネルギーを、どこから持ってくるか。……君の新しいナイフには、ごく僅かな質量を、莫大なエネルギーに変換するための、小さな核融合炉が内蔵されているわ。でも、それを起動させるための、最初の『火種』を作るのは、君自身の力。……つまり、君が、この『質量とエネルギーの等価性』っていう、世界の根源的なルールを、どれだけ深く理解できるかに、かかっているのよ」
波動光学、量子力学、プラズマ物理学。
電磁気学、核融合工学。
そして、熱力学と、相対性理論。
僕が光の剣をその手にするためには、これだけの、巨大な知識の山を、乗り越えなければならない。
正直、気が遠くなるような話だった。
でも。
不思議と、絶望は感じなかった。
隣には、僕の分からないことを、僕が分かる言葉で教えてくれる、最高の仲間がいる。
目の前には、僕の可能性を、誰よりも信じてくれる、最高の先生がいる。
そして、僕の心の中には、「強くなりたい」という、ただ一つの、燃えるような想いがある。
「……やります」
僕は、顔を上げた。
「僕、絶対に、やってみせます。その……『磁界拘束光刃』を、必ず、この手で!」
その決意の言葉に、先生は、これまでで一番、優しい笑みを、僕に向けてくれた。
僕の、光の剣士への道は、今、確かに、その第一歩を、踏み出したのだった。
地獄のフィジカルトレーニングと、脳が沸騰しそうなほどの専門分野の学習。その二つを、毎日、日の出から日没まで、ひたすらに繰り返す。
僕たちの、南の島での強化合宿は、想像を絶するほどに、過酷なものだった。
肆谷副会長の木刀に、何度打ちのめされたか分からない。
美王先生が黒板に書く、難解な数式の意味が分からなくて、何度、頭を抱えたか分からない。
命さんのメイド修行も、激しいものだった。
怜士くんと、夜遅くまで剣の素振りをし、杏那さんの飛行訓練を見てあげた。
真角くんとは、専門書を奪い合うようにして読み耽り、議論を戦わせた。
辛くて、苦しくて、何度も心が折れそうになった。
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