風の魔導師はおとなしくしてくれない

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八章 湖畔の村の子供たち

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 夜はいかりを下ろして水棲馬を休ませ、朝日が差しこむと出発した。途中の町に寄ることもせず、海馬車は全速力でネマに向かった。

 カリバン・クルスを発ってから二日後、海馬車はネマに到着した。ルイは両腕を上げて伸びをし、二日ぶりの新鮮な空気を胸一杯に吸いこんだ。

 ネマはキリキアよりもさらに小さい集落だった。緩やかな傾斜地にはりつくようにできた巨大なエラスム泡に覆われている。傾斜地に広がる畑のあいだにぽつぽつと民家が点在しているばかりで、商店街はおろかろくに店もなさそうだ。馬車も通れなさそうな細い道を、狸のような動物がゆっくりと歩いている。

 海王軍が来ることはあらかじめ伝えてあったので、年配の村長が一行を出迎えてくれた。第九部隊が乗りつけた何台もの海馬車は、村はずれの原っぱにまとめて停めさせてもらえることになった。

「なにもないところですが、場所ならたくさんありますからどうぞ好きに使ってください」

 人の良さそうな白髪の村長はにこにこして言った。

「私の家はあちらにあります。困ったことがありましたらいつでもいらしてください」
「感謝します」

 突然の来訪にもかかわらず歓迎してくれる村長に、ライオルは恐縮して頭を下げた。村人たちが遠巻きに集まってきて、珍しそうに海王軍の一行を眺めている。この小さな村に行商以外の人が来ることはほとんどないのだろう。

 隊員たちは海馬車を原っぱに固定したあと、つないでいた水棲馬を海馬車から外して鞍を取りつけ始めた。ライオルは海図を広げ、班ごとにどこを探すか割り当てていった。

「よし、分担はこんなものだろう。今日の結果次第で明日の予定を決めるとしよう」

 全部の班に指示をすると、ライオルは海図をふところにしまった。

「ジェルコとルイはここで待機だ。夜までに天幕と夕飯の準備をしておけ」
「えっ」

 ルイは驚いて荷物を運ぶ手を止めた。

「なんだ? なにか質問でも?」

 ルイの声に気づいたライオルがやってきた。ルイは荷物の入った箱を地面に置いて言った。

「どうして俺も待機なんですか? 病み上がりのジェルコはわかりますけど、俺は元気ですよ」
「そうか。そんなに言うなら参加させてもいいぞ。海の中を泳げるようになっていたとは知らなかったがな」
「……あ」

 近くにいた隊員が吹き出した。周囲をよく見ると、水棲馬の準備ができた隊員は海中師団用の遊泳服に着替え始めている。

「そうだった。探索は海の中でやるんでした」
「……ちゃんと俺の話を聞いておけ。最初からお前は留守番要員だよ」
「了解です隊長」

 ルイはぴしっと敬礼した。ライオルはほかの隊員が準備に忙しくしていることを確認してから、声を低めて言った。

「今は大事な時期なんだから、おとなしくしていろ。勝手な真似はするなよ」
「ああ」
「……もう急に姿を消すのはやめてくれよ」

 ライオルは絞り出すように言った。

「お前がいなくなったら、王太子選定なんか放って世界中を探すからな」

 ひどく辛そうな声音だった。ルイは今まで自分が危険な目に遭うたびに、ライオルにどれだけの心労を与えてきたか痛感した。

「……心配かけて悪かった」

 ルイは不安そうなライオルの目をじっと見つめた。

「大丈夫だから、そんなに心配しないでくれ。そっちこそ気をつけて行ってきてくれよ」
「……ああ」

 ライオルはしばらく名残惜しそうにルイを見ていたが、きびすを返して自分の水棲馬のほうに歩いていった。

 村に残るルイより、厄災を振りまく扉を探しに行くライオルたちのほうがはるかに危険だ。ライオルは強い武人だが、強いからこそ先陣を切って戦うので、常に危険と隣り合わせだ。海中では得意の火の魔導も使えない。ルイはライオルが心配でならなかった。

 全員が着替えを終え、出発の準備が整った。隊員たちは水棲馬に騎乗し、ライオルの合図で次々にエラスム泡の向こう側に消えていった。ルイとジェルコは彼らの無事を祈りながら見送った。



 ルイとジェルコは海馬車の並ぶ原っぱに天幕を設営した。寝床は海馬車の中でじゅうぶん事足りるので、食事をとるための大きな天幕を一つ作ればよかった。雨風の心配がないので天井は必要なく、支柱を立てて布をはり壁をこしらえれば完成だった。

 ジェルコは少し前に遠征先で足を痛めてしまい、しばらく休養をとっていたが、走れるまで回復したので今回の任務から復帰している。ルイは病み上がりのジェルコを気遣い、率先して力仕事を引き受けた。しかしジェルコは天幕の布をぴんと張るのに悪戦苦闘しているルイを見ていられず、もう元気だからと言って手助けしてくれた。ジェルコは力持ちで、ルイよりずっと作業が早かった。

「ごめんなジェルコ……俺、役に立たなくて」

 ルイが落ちこんでいると、ジェルコは快活に笑ってルイの前に巨大な鍋を置いた。

「そんなことないって! お前は疲れて帰ってきた奴らにシチューをよそってくれ。まだかちこちに凍ってるから、この鍋に入れて溶かすのを頼むよ」
「わかった」

 ジェルコは海馬車の中から凍らせたシチューの塊を運んできて鍋に入れた。ルイは石のかまどに火をつけ、鍋を置いてあたためた。

「ギレットがいればすぐなのになあ……」

 ルイは鍋底が焦げつかないように気をつけながら、おたまで凍ったシチューを回してゆっくりと溶かした。ルイが鍋の面倒を見ているあいだに、ジェルコは原っぱの周囲に獣よけの魔導具を置き、松明を立てて夜の準備をしていった。



 ライオルたちは日が暮れる頃に戻ってきた。全員濡れた髪を顔にはりつかせて、疲労が色濃く顔に出ている。天幕に入ってきた隊員たちに、ルイはおたまを持ったまま声をかけた。

「おかえりなさい! 夕飯できてるよ!」

 ルイがにこにこして言うと、重い足をひきずっていた隊員たちはルイをまぶしそうに見つめた。

「新妻だ……」
「ああ、新妻がいる……」
「新妻が俺のために料理を作って待っててくれた……」

 ふらふらと濡れた服のままルイのところに行こうとした隊員たちを、ライオルが後ろから呼び止めた。

「おいお前ら、先に着替えてからにしろ!」

 お腹を空かせた隊員たちはシチューの鍋に釘付けになっていたが、しぶしぶ引き返していった。そう言っておきながら、ライオルはまっすぐルイのところにやってきた。

「どうだった?」

 ルイが聞くと、ライオルは首を横に振った。

「ネマの周りにはなにもなかった。明日はもう少し範囲を広げて探すことにする」
「そっか」

 ライオルは浮かない顔だったが、ルイはライオルが無事に帰ってきたことが嬉しかった。ルイはかまどの端に置いておいた深皿に少しシチューを盛り、ライオルに差し出した。

「冷凍しておいたシチューだけど、味どうかな?」

 ライオルは深皿とスプーンを受け取り、シチューを一口食べた。

「うまい」
「よかった」

 ルイはほっとして笑った。天幕の中でぐずぐずしていた隊員たちは、二人のやりとりを見てがっくりと肩を落とした。

「旦那いたわ……」
「いたな……」
「でも隣の奥さんも悪くないなあ……」

 ルイは疲れすぎたのかおかしなことを言う隊員たちがちょっと心配になった。

 村の外れを流れる川で海水を落とした隊員たちは、服を着替えて天幕に集まった。ルイは人数分のシチューを深皿に盛り、パンを配ってまわった。何時間も海の中で活動していた隊員たちは、あっという間にシチューとパンをたいらげた。作りすぎたと思っていたシチューも、ほぼ全員がおかわりしたので鍋はたちまち空っぽになった。

 ルイもシチューとパンを食べると、昼間のうちに川でくんできた水で鍋と食器をジェルコと手分けして洗った。ほかの隊員たちは水棲馬にえさをやり、明日の捜索の準備をした。

 仕事がすべて片付くと、ルイは海馬車に戻って毛布にくるまった。隣ではファスマーがすでに高いびきをかいて眠っている。最初の頃は他人と一緒に眠るなど無理だと思っていたルイも、今ではファスマーのいびきも気にせず隣で眠れるようになっていた。



 翌朝、ライオルたちは再び扉の捜索に出かけていった。野営地に残ったルイは、朝ご飯の後始末をした。ジェルコは洗濯物を抱えて川へ洗濯をしに行った。

 ルイが全員分の食器を洗い終えてのんびりしていると、ジェルコが戻ってきた。

「……あれ?」

 衣類を詰めこんだかごを抱えて歩くジェルコの周囲を、七、八人の子供が取り巻いている。子供たちはジェルコのズボンをつかみ、笑い声をあげて一緒に歩いてくる。

「なつかれてる……」

 ルイはややぐったりしているジェルコを見て笑った。ジェルコは水を吸って重くなった洗濯物が盛られたかごを地面に置き、肩をぐるぐるとまわした。

「あー疲れた……こら、それに触るな」

 ジェルコは洗いたての服を引っ張り出そうとした子を手で追い払った。子供たちは海馬車のそばに走っていき、海馬車を見上げて歓声をあげた。

「すっげえ!」
「兵隊のおおきい海馬車だ! かっこいい!」

 子供たちははしゃいで原っぱを駆け回った。ルイは洗濯紐を持ってジェルコのところに行った。

「あの子たちと遊んでやってたのか? 優しいな」
「違う。川で洗濯してたら突然やってきて、勝手についてきたんだ」
「でも、ずいぶんきみになついているみたいだけど」
「本当になにもしてねえんだって。村の人間じゃない奴が珍しいみたいで、全然怖がらないで話しかけてきたんだ。海馬車が見たい見たいって大騒ぎでさ……」

 ジェルコはやれやれと肩を落とし、ルイから洗濯紐を受け取った。

「まだ仕事が残ってるのに、冗談じゃねえや……」

 ルイはくすくす笑い、ジェルコと一緒に洗濯物を干した。洗濯物を丈夫な洗濯紐に通し、海馬車の御者台にある金具に紐の端の輪をひっかけて、隣の海馬車の金具とつないで紐を渡していく。

 ルイとジェルコが作業する様子を、いつの間にか近くにやってきた子供たちが興味津々に見上げていた。ルイは子供たちに声をかけた。

「きみたちもやってみたい?」

 子供たちは互いに顔を見合わせたが、一番背の高い男の子が大きくうなずいた。

「やる!」
「よーし」

 ルイはしめしめと海馬車をおり、子供たちを洗濯物の入ったかごの周りに呼び集めた。

「この紐に洗濯物を通してから、あそこに干すんだ。やってみろ」
「これ?」
「そう。端を持って、こうやって通すんだよ」

 ルイがお手本を見せると、子供たちは真剣な顔つきでそれを真似た。ルイはときどき絡まった紐をほどいてやったり、洗濯物を選んで渡したりしながら、子供たちの仕事を監督した。ジェルコは御者台の上からその様子をぼんやりと眺めた。
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