闇落ち異世界転生記~小悪魔からはじめる成り上がり、非力でも出来る出世法~

和紗かをる

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第4章 裏切りの音が聞こえ始めるって言うのは、結局最後の破滅が近いって事で間違いない

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さて、あの本陣からやってきた偉そうな中級悪魔の指示に従って、我らがサテルス殿とインプ2匹は正式に搦め手門側を守っている部隊の中で裏切り者を探すことになった。
 なった、うん、なったんだが特にだからと言って何が出来た訳でもない。名探偵〇〇とかと違って、インプの俺にそんな知能もスキルも無いし、麻酔薬を常備している腕時計とか、声が変わる蝶ネクタイ、脚力がブーストアップされるスニーカーなどの便利アイテムも持っているわけがない。
 だから、早々n出来る事は無いとあきらめて、とにかくぼや~っと過ごすことにした。変に聞き込みなんかしてたら、こちらが怪しまれるし、もしそれでドンピシャに裏切り者を発見してしまったら、命が幾つあっても足りなくなる。
 相手だって馬鹿じゃない。むしろこっそりと裏切りを考えて実行するくらいだから、悪魔の中では頭が良い方だ。もし裏切りがばれてしまった時、こちらが最弱のインプだったらどうするだろうか?味方に引き入れる程の価値も無いし、言いふらされては困るのでとりあえず殺すだろう。あ~やだやだ。最弱は悲しいね~。中級悪魔の命令には逆らえないし、だからって真剣に裏切り者探しをしたらこっちの身が持たないし。
「おい、お前ら先日本陣の奴に連れていかれていただろう、いったい何を話していたんだ!」
 ええ、実はあなた方の中に裏切り者が居るかもしれないので、よくよく観察して報告するように命令されました・・・、なんて言えるわけがない。
 嘘です、冗談ですと言葉を訂正する前に、口ごと顔面を吹き飛ばされてしまう。
「いや、わし等が情けないってんで、ちょっと訓練に参加するように言われたんですわ、敵もおとなしゅぅしてますし、暇で飯ばっかり喰らっていたら無駄じゃと」
 この言い訳は中級悪魔から教わっていた。こういえば今後報告の為に中級悪魔に会いに行ったとしても不審を持つ者は少ない筈。本陣の中級悪魔に逆らってまでインプ程度をどうこうしようとは普通思わない。
「ふんっ確かに、敵が来なければお前らの様な盾役は役に立たないんは道理だせいぜい訓練とか言ういじめで死ななければ良いな・・・」
 なんか偉そうなことを言って、搦め手門を指揮する上級悪魔の腰巾着は去っていった。俺たちを疑っていると言うよりも、敵が来ないせいで暇を持て余しているんだろう。立ち去った先からも怒声が聞こえてくるから、巡回でもしているのかもしれない。
「なぁ、俺らはこれからどうなるんだ?」
 いつものインプが心配顔で近寄ってくる。
 魔石の粉を服用したおかげで、こいつの体は成長しており俺よりも10cmはデカくなっている。喋り方も以前よりは大分マシになり、わずかだが知性も感じる様になってきていた。だが俺はそのことを出来るだけ隠すように言ってある。最弱のインプが知性なんて持っていると思われたら、袋叩きに会いかねない。インプの癖に生意気だ!みたいなどこぞの永遠の小学生ガキ大将に似合いのセリフで、叩きのめされるのは勘弁だ。
 俺も魔石の粉を服用しているが、こいつの様な目に見えての変化はない。効果はどこかに現れているんだろうけど、それを確認はできていない。異世界チート能力の一つであるステータスを見る力があれば一目瞭然なんだろうけど、この世界にそれを見る力があるのか判らないし、またステータス自体が表になっていない世界なのかも?今の異世界から比べたら科学万能で、楽が出来た元の世界だってステータス表示なんてものは無かった。
 もしあったら、ステータス差別とか、ステータスにより階級社会とか生まれてさぞ胸糞悪い世界になっていただろうな。
「今はとりあえず言う事聞いているしかないだろうな、敵が攻めてくる前に領主様が味方を連れてきてくれる可能性だってあるし、裏切り者だってそれを見極める前に明確な裏切りは働かないだろうさ」
 元々の計画では、この砦で敵を受け止めている間に周囲の味方が、反対に敵を包囲する段取りだったはずだ。砦内に領主様が入れなかったと言うイレギュラーもあったけれど、むしろ援軍を呼ぶならその方が好都合。きっと領主様は近隣の味方を連れて戻ってくると言うのが、砦内にいる悪魔の共通の希望だ。その希望が打ち砕かれない限り、敵も裏切り者も動けないと思う。裏切り物にしたら、裏切りました、でも領主様の軍に負けました、じゃあ裏切った意味がない。領主様の軍が来るか判らないうちに明確に裏切ることは出来ない。
「ほぉそんなもんか、やっぱろお前は賢いなぁ、これからもずっと一緒にやっていこうさ」
 前のこいつなら、こんな言葉は吐かなかっただろうが、これも魔石の粉末の効果なのだろう。もし魔石の粉末を接種し続けたら、力も知性も強くなって早晩インプの枠から飛び出るだろう。故に俺はこいつ位これ以上の魔石の粉末は与えない。俺の手元にはまだ5つほど魔石が残っているが、こいつにはすでに無いと伝えてある。現状、俺の隣で俺と同じ立場のインプが強くなることを俺は望んでいない。いつか強い味方は必要になるのだろうけれど、それは今じゃない。おれがまだ強くなったのか判明しないうちはまだだ。
「ああそうだな、今までだってなんとかやってこれたんだし、これからも何とかなるさ」
 意味がありそうで、無意味な事をいって俺は話を終わらせた。
 これからの事と言っても、自分で何が出来るわけじゃない。今は周囲の状況がどうにか動いてくれるまではだんまりを決め込んでおく。
 もうファル先生も居ないのだから、慎重に命大事にだ。
 状況が変わるまでは、やることも無い。そんな事を思っていたのだけど、その変化は意外に直ぐにやってきた。
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