異世界の権力者  〜休職中に異世界転生したら聖騎士団長という権力者になって働きすぎてしまった結果、世界統一をしてしまった話〜

rui ji roku

文字の大きさ
22 / 76
1章

(22)団長の職務放棄と家出宣言

しおりを挟む

ウァイトは玉座に腰をかけていた。

昨日はウィークスが復活し、
聖騎士国が再スタートしたような気がした。

ただ、満月にとっては
ウァイトの人物像もわからなければ、
自身の能力や大きくは国のこと、この首都のこと、
何もかもがわからない。

「わからないことがわからない、か。」

一人つぶやくウァイト。

ウァイトには『バトラー』が付いている。

執事とそのメイド達を指す言葉だそうだ。

一番役職が高いのが、
「キュウイチゴ 男性」と言い、

メイド達はそれぞれ
「イチハチ 女性」
「ニーナナ 男性」
「サブロク 女性」
「ヨンゴー 男性」
「ゴーヨン 女性」
と呼ばれている。

昨日の大聖堂の出来事の後、
キュウイチゴに案内されて
寝室まで連れて行ってもらえた。

食事も寝室まで持ってきてくれ、
至れり尽くせりの対応をしてくれた。

その際にバトラーという制度を教えてもらい、
団長の身の回りのことを
お手伝いする6人を紹介してもらった。

今日の朝はイチハチに起こしてもらい、
着替えと朝食の段取りをしてもらい、
いま、玉座に至る。

「コン、コン、」扉にノックする音が聞こえる。

「入れ」

とウァイトは声をかける。

入ってきたのはスァタンだった。

「ウァイト様、
 本日のご予定はいかがなさいますか」

スァタンが尋ねてくる。

「私は記憶がまだ混濁している。

 今しばらくは休みを取って
 記憶の回復に努めたいと思う。

 街を回ってみたり、
 自分の身体を慣らしてみたり
 しておきたいがいいかな?」

満月はいまだ全然知り得ないウァイトの情報を
少しでも仕入れようと考えていた。

ウァイトという役を演じなければならないと
思う満月はここがチャンスとばかりに
自由行動の時間を得ようとしていた。

「かしこまりました。
 内務についてはいかがなさいますか」

「今回のことで私がいついなくなるか
 わからないことがわかった。
 
 いつでも対応できるように
 内務についてはスァタンが
 全責任をもって取りかかれ」

(よしっ!完璧!)

心の中でそうつぶやくウァイト。

昨日からいかにして自分では仕事をせずに
他の人に投げるかを考え続けていた。

(この言葉のチョイスなら完璧だ!)

「わかりました。ただ、ワァイト様の記憶が
 戻るまでとさせてくださいませ。
 
 ウァイト様の代わりは務まりません。

 また、国民も黙っておりませんので
 ご理解くださいませ」

スァタンは丁寧に答える。

「わかった。そのようにしよう」

満月は現状のウァイトの立ち位置と
聖騎士国のことがわからないために
スァタンの提案を受け入れざるを得ない。

(完璧だと思ったのに......)

ウァイトは心の中でため息をつく。

「それではこれから数日の間、
 私は自由に行動させてもらう。よいな?」

「はっ!何かございましたら
 なんなりとお申し付けくださいませ。

 身の回りのことはバトラーを
 お使いくださいませ」

そしてウァイトは街に出ようとする。

「ウァイト様、王宮外ではウァイト様を
 お一人にするわけにはございません。

 サブロクを同行させてくださいませ」

イチハチが声をかけてくる。

「いや、一人ででる」

ウァイトは断る。

「デイズ様からウァイト様と離れないようにと
 言われております。ご理解くださいませ」

イチハチは懇願のまなざしで
こちらを見てくる。

(許嫁からの要望は聞いておいた方がいいかな)

「わかった。許可しよう」

そしてウァイトとサブロクは街へと足を運んだのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~

よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】 多くの応援、本当にありがとうございます! 職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。 持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。 偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。 「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。 草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。 頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男―― 年齢なんて関係ない。 五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

転生したらスキル転生って・・・!?

ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。 〜あれ?ここは何処?〜 転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。 《作者からのお知らせ!》 ※2025/11月中旬、  辺境領主の3巻が刊行となります。 今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。 【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん! ※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...