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悪意の繋がり
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扉の向こうから顔を覗かせたのは、風蘭だった。髪を頭上で纏め上げ、男装のすっきりとした顔だったが、その顔には、幼い日の面影が残っていいる。
「まさか?」
その表情には、思わぬ人に逢えた喜びが、浮き上がっていた。
「あぁ。。」
見るからに、風蘭に対しても、悪意はないという瑠璃光の態度に、紫鳳は、気を利かせないといけないような雰囲気になった。
「えっと。。。」
紫鳳は、慌てて、瑠璃光に目配せをし
「外に。。。」
扉の向こうを指差し、出て行こうとした。
「待て!」
瑠璃光が、紫鳳に声を上げたその時だった。一面が、光り輝くのと同時に、ドスンという音が聞こえた。
「え?」
紫鳳が、今まで、笑い合っていた瑠璃光を振り向くと、そこには、目を見開いた蒼白になった瑠璃光の顔があった。
「どうして」
細い悲鳴をあげ、後ずさる風蘭の片腕は、金色に幾つもの、太い筋が絡み合い、その先端は、細い糸となって、瑠璃光の体を突き抜けていたのだ。
「何が起きた?」
状況を良く確認しようと、目を見開くと、紫鳳の目に、映ったのは、風蘭の半身から、伸びていった糸の束が、瑠璃光の体を突き抜け、慌てて、糸を抜こうと、術を唱える瑠璃光の姿を、状況を把握できず、悲鳴を上げる風蘭の姿だった。
「瑠璃光!」
位置を転換するように、紫鳳は、促すが、瑠璃光は、首を振った。
「だめだ。。。」
そうしたら、紫鳳が怪我をしてしまう。
「どうして?どうして?」
風蘭は、身を捻り、何とか、糸の束と化した右手を抜こうとするが、抜けるどころか、糸は、突き抜けた体の向こうで、激しくうねるだけだった。
「成徳め。。。風蘭に仕掛けたな」
瑠璃光は、うめくと、掌から、小さな紙を浮かび上がらせた。
「これは、外れん」
細い糸と見えたのは、幾つもの、細い蛇だった。
「まさか。。。」
「体の中に、蛇の気が入り込んでしまった」
瑠璃光は、小さな紙に息を吹きかけると、それは小さな鳥へと姿を変えた。鳥は、宙に舞い上がり、まるで、刃物の様に、細い蛇の束を切り割いていく。
「ごめんなさい。ごめんなさい」
風蘭の体から、湧いた様に、頭を出す蛇は、紙の鳥に斬りつけられ、地面へと落ちて行くが、キリがない。紫鳳は、ため息をつくと、青い炎が、地面に落ちた蛇の破片を焼き尽くして行った。
「まだだ。。。」
風蘭の体から、湧き上がる蛇の糸は、止まらない。瑠璃光は、体を突き抜けている蛇を1匹残らず、切り裂いたが、体のあちこちからは、細い血液が、幾つも、流れ落ちていた。
「ごめんなさい。。。まさか」
風蘭は、動揺が止まらない。
「紫鳳!」
瑠璃光が叫ぶと、紫鳳が、細く息を吐き出した。細長く昇る炎に、瑠璃光が、人差し指と中指を立てると、炎は、長く伸び、風蘭の体に根付いた蛇の腕を焼き尽くしていった。
「大丈夫」
瑠璃光は、風蘭の崩れ落ちそうな体を支えようとするが、出血が止まらない。その間、紙の鳥は、空を旋回していた。
「これは。。。助けが入りそうだ」
紫鳳は、空を見上げ呟いた。
「そうみたいいだな」
瑠璃光は、苦しげに、胸を抑えた。
「蛇の毒は、蛇でないと。。。」
紙の鳥は、今一度、旋回すると、東の空へと消えていった。
「まさか?」
その表情には、思わぬ人に逢えた喜びが、浮き上がっていた。
「あぁ。。」
見るからに、風蘭に対しても、悪意はないという瑠璃光の態度に、紫鳳は、気を利かせないといけないような雰囲気になった。
「えっと。。。」
紫鳳は、慌てて、瑠璃光に目配せをし
「外に。。。」
扉の向こうを指差し、出て行こうとした。
「待て!」
瑠璃光が、紫鳳に声を上げたその時だった。一面が、光り輝くのと同時に、ドスンという音が聞こえた。
「え?」
紫鳳が、今まで、笑い合っていた瑠璃光を振り向くと、そこには、目を見開いた蒼白になった瑠璃光の顔があった。
「どうして」
細い悲鳴をあげ、後ずさる風蘭の片腕は、金色に幾つもの、太い筋が絡み合い、その先端は、細い糸となって、瑠璃光の体を突き抜けていたのだ。
「何が起きた?」
状況を良く確認しようと、目を見開くと、紫鳳の目に、映ったのは、風蘭の半身から、伸びていった糸の束が、瑠璃光の体を突き抜け、慌てて、糸を抜こうと、術を唱える瑠璃光の姿を、状況を把握できず、悲鳴を上げる風蘭の姿だった。
「瑠璃光!」
位置を転換するように、紫鳳は、促すが、瑠璃光は、首を振った。
「だめだ。。。」
そうしたら、紫鳳が怪我をしてしまう。
「どうして?どうして?」
風蘭は、身を捻り、何とか、糸の束と化した右手を抜こうとするが、抜けるどころか、糸は、突き抜けた体の向こうで、激しくうねるだけだった。
「成徳め。。。風蘭に仕掛けたな」
瑠璃光は、うめくと、掌から、小さな紙を浮かび上がらせた。
「これは、外れん」
細い糸と見えたのは、幾つもの、細い蛇だった。
「まさか。。。」
「体の中に、蛇の気が入り込んでしまった」
瑠璃光は、小さな紙に息を吹きかけると、それは小さな鳥へと姿を変えた。鳥は、宙に舞い上がり、まるで、刃物の様に、細い蛇の束を切り割いていく。
「ごめんなさい。ごめんなさい」
風蘭の体から、湧いた様に、頭を出す蛇は、紙の鳥に斬りつけられ、地面へと落ちて行くが、キリがない。紫鳳は、ため息をつくと、青い炎が、地面に落ちた蛇の破片を焼き尽くして行った。
「まだだ。。。」
風蘭の体から、湧き上がる蛇の糸は、止まらない。瑠璃光は、体を突き抜けている蛇を1匹残らず、切り裂いたが、体のあちこちからは、細い血液が、幾つも、流れ落ちていた。
「ごめんなさい。。。まさか」
風蘭は、動揺が止まらない。
「紫鳳!」
瑠璃光が叫ぶと、紫鳳が、細く息を吐き出した。細長く昇る炎に、瑠璃光が、人差し指と中指を立てると、炎は、長く伸び、風蘭の体に根付いた蛇の腕を焼き尽くしていった。
「大丈夫」
瑠璃光は、風蘭の崩れ落ちそうな体を支えようとするが、出血が止まらない。その間、紙の鳥は、空を旋回していた。
「これは。。。助けが入りそうだ」
紫鳳は、空を見上げ呟いた。
「そうみたいいだな」
瑠璃光は、苦しげに、胸を抑えた。
「蛇の毒は、蛇でないと。。。」
紙の鳥は、今一度、旋回すると、東の空へと消えていった。
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