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母の面影
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「僕は、どうして、山寺にいく事になったのか、知りたい」
異形の妖が母親と知って、颯太は、深く傷ついていた。
幼い日に、母親を傷つけたと思っていたのは、違かったのか。
「そうだな」
邪神は、思案した。
「遅くても、早くても、知る事になるのなら、早い方がいいか」
「僕は、人間なんですか?」
「その質問に、私が答えるのは、難しいと思わないか?ここの、晴は、人間なのか?そう聞かれたら、何て、答える?」
「邪神に取り憑かれた人」
「そうしたら、颯太は?」
「人のふりをした妖」
だが。
「待て!颯太の母親が、玉藻御前なら、颯太の父親は?」
「海外にいると聞いているけど・・・」
「二人が出会って、颯太が生まれたとすると」
「颯太は、まるっきりの妖ではない」
音羽が、宙から姿を現した。
「人が言う話と真実は、全く、異なる場合がある。あたしが、そうで、あるように」
「音羽・・」
音羽は、前世で、颯太と縁があったらしい。
「寺の焼け跡が、酷いかも知れない。それに、また、寺を開き払った奴らが、いるかも知れない。それでも、行くかい?」
邪神は聞いた。
玉藻御前への恨みは、深い。姿を消してしまった為、彼女に向けられた憎悪は、颯太一人に向けられている。
「私は、行っても、構わないよ」
「勿論、僕は、行く」
封雲は、頷いた。
「一目、寺を見ないと、ダメだ」
「もしかしたら、最悪の状況になるかもだぞ」
寺は、訳あって、颯太を匿っていた。
颯太の姿を隠すべく、龍神を封じ込めた数珠まで、与えて。
「興味深い話になりそうだぞ」
邪神は、音羽にウインクした。
「面白い話だよな。颯太が、あの玉藻御前の子供だとしたら・・・」
「だとしたらって?そうでない可能性もあるって事?」
「さ・・・どうだろうね。寺に行ってみないと」
本当に、颯太は、玉藻御前の息子なのか。
邪神は、遠い日の思い出を、懐かしんでいた。
確かに、朝廷を滅ぼしたほどの妖と聞いていた。
ただ、それは、人間が勝手に滅びただけのこと。
玉藻御前は・・・・。
静かで、可愛らしい少女だったって事。
邪神の穏やかな横顔に、音羽は、何かを感じていた。
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「そうだな」
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「その質問に、私が答えるのは、難しいと思わないか?ここの、晴は、人間なのか?そう聞かれたら、何て、答える?」
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「音羽・・」
音羽は、前世で、颯太と縁があったらしい。
「寺の焼け跡が、酷いかも知れない。それに、また、寺を開き払った奴らが、いるかも知れない。それでも、行くかい?」
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「私は、行っても、構わないよ」
「勿論、僕は、行く」
封雲は、頷いた。
「一目、寺を見ないと、ダメだ」
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「興味深い話になりそうだぞ」
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「面白い話だよな。颯太が、あの玉藻御前の子供だとしたら・・・」
「だとしたらって?そうでない可能性もあるって事?」
「さ・・・どうだろうね。寺に行ってみないと」
本当に、颯太は、玉藻御前の息子なのか。
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